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Pen SとVision3の組み合わせはとても楽しい。
ハーフサイズのカメラでVision3のフィルムを使うのが好きです。
どうしてもフォーマットが半分になってしまうため、少なからず不利な部分があるのですがVision3のフィルムを使う事で補える事もあります。
Vision3のフィルムの取り扱いを難しくしている最大の要因はレムジェットだと思うのですが、同時に自家現像をしていてこれほどありがたいと思えるものもありません。
自家現像でレムジェットが塗布されたフィルムを使用していると恩恵を受けることが本当によくあります。
ハレーションに対して有利になる、そして自家現像の際に傷に強くなるという事も挙げられます。
フィルムのベース面にレムジェットが塗布されている事は実際とてもありがたいです。
どんなに気をつけていてもフィルムのテレンプ部の変形やゴミの侵入で傷を引いてしまう事が時々あります。
そしてレムジェットに感謝する…

フィルムベース側の傷
特に長巻から自分でフィルムを作っている場合はテレンプ部に気をつけて管理していないといけません。
元々テレンプ自体もフィルムの傷防止と静電気の発生を抑えるように研究され工夫の詰まったありがたいものなのですが、パトローネを再利用していると劣化したりゴミが付着してしまうのです。
撮影後にフィルムの先端を見ると平行に傷が走っている事がありました。(上の写真も一例)
詳しく観察するとフィルムベース面のみで乳剤は大丈夫なようでした。
いつもはパトローネからフィルムを引き出し、パターソンのリールに巻き付けていくのですが、その時は栓抜きでパトローネを開けフィルムを取り出しました。そして現像を終えたフィルムには傷はもちろんありませんでした。
自分で長巻からフィルムを作ったり、自家現像をしているとフィルムに全く傷をつけないようにするのは大変です。
フィルムの自家現像の心配事が少し減らせるようになるので、レムジェットはありがたい存在です。
Kodak Vision3 500T / 5219 EI250 / 35枚
使用したカメラ:Pen S D.Zuiko 30mm F2.8
使用したフィルム:Kodak Vision3 500T
Vision3 500T@250 / Remjet Removal Prebath 2min, Wash 3min, Dev. 2min45sec,Wash 1min,Blix 8min, Wash 8min, PhotoFlo (38.8°C)(1,2,3)
今回はVision3を一段減感して使いました。
減感した事で粒状性が変わる事と、遅い速度でシャッターが切れるようになりシャッタースピードが1/250までしかないPen Sには使い勝手が良くなりました。
寒くなってきたので撮影枚数は減っていくかもしれませんが、ハーフでもコンスタントに撮影を続けていきたいです。
次回はNikon Fの作例を予定しています。
手軽に試してみるなら…
サンアイ CS8011_CINESTILL_800T135-36N
サンアイ CS5011_CINESTILL_50D135-36N
自家現像でVision3を処理するお供に
今回使用した現像タンク
パターソン スーパーシステム4現像タンク マルチリール3タンク リール無 PTP116