画伯の雑記 – 2020年8月13日 Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像 HC110/ジェネリック品)

フィルムがたくさんあるので実験と失敗を続ける…

Pen S / Double-X 5222 / Generic HC-110

Pen S / Double-X 5222

先日のPen Sのトップ画像にOlympus XAで撮影した物を使ったので今回はPen SでOlympus XAを撮影した物を使ってみました。

学生時代、自分でキャンバスを木材の切り出しから行い、リネンを張り、そして下地処理をしている事を時間の無駄でアホだと揶揄してくる同級生がいました。
実はキャンバスの準備を外注することは珍しい事では無く、アルミであったり集成材の枠を準備してくれ、下地処理済みのキャンバスを木枠に張るまでをやってくれる職人さんがいます。
留学生の何人かは母国でもそうだったようで、ロンドンでも業者を学校のアトリエに呼び張ってもらっている人もいました。

単純に僕はアトリエに知らない人を招き入れたくないという事、キャンバスを張るのにお金を払いたくなかったので利用したことは一度もありません。
事実アトリエに知らない人が侵入し盗難被害に遭うという事もよく聞いていたのであまり人を招き入れたくはなかったのです。
さておき、アホだと揶揄される由縁はありません。
大学院の段階においても最後までキャンバスの張り方を知らずに卒業していく生徒もいました。
これは油彩においてのみでは無く、写真を卒展で発表している学生でも学校の暗室利用が一度も無い事に加え、自らで現像した経験が無いまま終わる生徒もいます。
残念なのが確かに大学の設備を管理されている方達の中にはとっつきにくいあまり親切ではない職員さんがおり、利用方法を知らずに卒業してしまう子も多かった事です。
中には施設利用が有料だと勘違いしている子もいました。
もちろん木材や印画紙等の材料費は自費ですが、木工所のネジや加工に伴う接着剤等、そして暗室の薬品には使用料はかかっていませんでした。
大学生、院生はまだ失敗や挑戦が許されるはずです。
そこで挑戦しない、経験を積まないのは勿体無い事です。

キャンバスを自分で準備する事とても大事だと思います。
目の荒さをコントロールできますし、木枠も自分で作れば既製品ではない自分の表現に合ったサイズを準備できます。
写真表現においても同じで、作品を作るうえで自分で現像しプリントする事で、とことん自分のエゴやこだわりを作品に昇華していけるのではないでしょうか。
趣味や作品作りに効率や時間短縮という事を組み込むことがあまりに無粋です。
趣味や作品作りだからこそ誰にも縛られることなく自由に伸び伸びと楽しむべきだと僕は思います。

写真家であれ画家であれ、職業として名乗るであれば知識として経験としてキャンバスを自分で張ったり自分で現像したりプリントする楽しみを知らないのは大きな損失です。
加齢に伴う体力の低下、家庭環境や制作環境の変化はどうしても避けられません。
だからこそ少しでも自分でキャンバスを張れる時に、自家現像できる時に経験しておかなければなりません。
それを経てからやっと既製品の良し悪し、外注する際の注文の仕方も分かってくるのではないでしょうか。
それに自家現像にしてもすぐ元が取れてしまいますし、キャンバスを張るのにしたってそんな大袈裟な事ではありません。

自分で挑戦してみる事はお金もかかるし難しいんだと、決めつけて思考停止してしまうのはやめませんか?
ネットで得た知識だけで諦めてもらいたくないです。

焦るのはやめてゆっくりやっていきましょう。
今日明日自家現像を始める必要はありません。

でも難しい事でも特別な事でもないと知ってもらいたいです。


Olympus XA / Eastman Double-X 5222 EI800 増感現像/ 20枚

使用したカメラ:OLYMPUS XA F・ZUIKO 1:2.8 f=35mm
使用したフィルム:Eastman Double-X 5222
Generic HC-110 Dil.B Dev 18°C 19min, Stop Bath 30sec, Fixer 6min, Photo Flo

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (増感現像,HC110/ジェネリック品)

夏になると濃縮タイプの現像液を水で希釈することのありがたみを痛感します。
現像時間のチャートを見ると20°C前後の時間の記載が多いのですが、自分は18°Cで処理するのが好きです。
そのため冷えた水を用意しておき希釈する方が、狙った温度に用意するのが楽なのです。
D-76やD-96等は原液で現像するのが好きなのですがHC-110やXtolは希釈した物で現像しています。
昨年度は液温の準備のしやすさからカラー現像が夏期は多かったのですが、今年はモノクロ現像も苦ではなくなりました。
日々の閃きや工夫が楽しいです。

最後までお読み頂きありがとうございました。

画伯


今回使用した現像タンク

パターソンの現像タンクが好きで、PTP117、PTP115(2つ)、PTP116と4つ持っています。
35mmが1本だけ現像できる最小サイズのPTP114というものもあるのですが、実用的なのは35mmが2本現像できるサイズのPTP115くらいからだと思います。
1Lで薬品を作られる方はPTP116、35mmが3本もしくは120が2本のタイプがちょうど良いかもしれません。

Copyrighted Image

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。