画伯の雑記 – 2018年11月30日 MacPro Early2009のPCH DIEが異常発熱するトラブルを解決しました。

2018年9月頃から急にMacPro Early 2009が不安定に…

注)すべての人が同じ方法で問題を解決できるとは限りません、また間違っている箇所があるかもしれません。他のトラブルがこの方法をとった事で発生するかもしれません。Macs Fan Control等のソフトウェアのインストールに伴いトラブルが発生する可能性もあります、あくまでも自己責任で。静電気対策等を徹底した上で作業を行なってください。

IOH Diode異常発熱対策

長い間原因不明のトラブルを抱えていました。MacPro Early2009というモデルを愛用しているのですが、夏を過ぎたあたりから急に動作が不安定になり、勝手に再起動したり、急に電源が切れると行ったトラブルが数日おきに発生するようになってしまいました。

トラブルに遭遇した最初の頃は本体内部に埃が溜まっているか電源が不安定になっているのでは?と予想し本体内部のホコリを見える範囲で綺麗に取り除いてみたのですが…それでも解決には至りませんでした。

ふと各パーツごとの発熱が気になりMacs Fan ControlHW Monitorというアプリケーションを導入しメモリやCPUなどの温度を観察して見ることにしました。(OSのバージョンやハードウェア構成等によってはMacs Fan Controlをインストールしたことでトラブルが発生する場合もございます、自己責任で判断してください。)

するとPCH Dieという項目が異常発熱をしているという事がわかりました。PCH Dieというパーツ自体は120°Cまでなら許容範囲内だとどこかで伺った事があった気がするのですが、118°Cというのは明らかに高温すぎるので本体を開けてパーツ等に異常な箇所がないかもう一度確認することにしました。

作業工程

まずはCPUのヒートシンクを左右両方とも外します

IOH Diode異常発熱対策
ヒートスプレッダがついていない殻割りをしたXeon X5690などのCPUに置き換えることでMacPro Early 2009の延命化を図れます。
今回の作業工程はほぼCPUの換装と同じなので、CPUの手配ができる方は同時に作業を進めてもいいかもしれません。

今回ヒートシンクを外すのに使用した六角レンチです。

CPUのヒートシンクに使われているネジは規定の締め付けトルクがあります。デリケートな作業になるので六角レンチを回した回数をメモしておくか最初に締め付けられていた感触をしっかり記憶しておきましょう。ここで失敗するとロジックボードの破損、本体が起動しない等の重篤なトラブルにつながります。
作業に自信がない方は専門家に委ねましょう。

ヒートシンクを開いて見るとホコリが!

IOH Diode異常発熱対策

CPU自体は異常発熱をしていなかったのですが10年弱の積もり積もったホコリが…いい機会なのでヒートシンク周りも清掃しました。

CPUをロジックボードから外し安全な場所で作業終盤まで管理します。

IOH Diode異常発熱対策

ホコリを除去する時やこの後の工程でCPUを落としたり傷つけたりしないように一時的に外し安全な場所で保管します。

CPUのサーマルペーストが劣化していました
IOH Diode異常発熱対策

今回の主目的ではありませんがCPUのサーマルペーストが劣化していたのでPCH Dieのヒートシンクとあわせてこちらも清掃し新しいものに塗りなおすことにします。

今回使用したサーマルペースト(CPUグリス)です。

IOH Diode異常発熱対策

CPUにつけられている黒いプラスチックカバーに注意!

IOH Diode異常発熱対策

CPUとヒートシンクの間にこのような黒いカバーのようなものが取り付けられています。絶対に紛失しないように気をつけましょう。向き等を覚えておきはめてあった角度で安全な場所に置いておきます。

今回異常発熱をしていたPCH Dieと思わしき箇所
IOH Diode異常発熱対策

今回異常発熱をしていたトラブルの元凶と思われる箇所です。サーマルペーストが固形化しポロポロと剥がれ落ちてきました。周りに飛び散らないように注意し古いサーマルペーストを除去しましょう。

PCH Dieのヒートシンク

IOH Diode異常発熱対策

ヒートシンク側にも古くなったサーマルペーストが固着していたので綺麗に清掃します。

IOH Diode異常発熱対策

今回の一番の異常発熱の原因はこの小さなプラスチックのリベットが破損していたことに端をあっします。このリベットが壊れていたためヒートシンクがPCH Dieと密着していなかったため熱を効率的に逃がす事ができていなかった事が今回の異常発熱の原因だったのではないかと予想しています。

経年劣化なのかポロリとプラスチックの部品が隙間から落ちてきました。熱を持つパーツが多いエリアにこのようなプラスチックリベットだけで固定しているのは正直ひどいなぁと思いました…

同じ部品は手に入らないのでタイラップで応急処置をすることに

IOH Diode異常発熱対策

一番良いのは同じプラスチックリベットを探し出し利用することなのですが、同じ部品を使う以上今回のようなトラブルがまた発生するかもしれないと思い他の方法を考えました。金属のヒートシンクバックプレート固定用ネジなどが候補に上がったのですが背が足りなかったりもともとプラスチックが使われていた箇所に金属のネジを入れるということが少し不安だったので、応急処置にはなりますが結束バンドを使うことにしました。

リベットの代わりに使用した結束バンド

100円均一などでも類似品を手に入れることができると思います。
必要なのは4本だけですが大量に入ったものを買ってもプラスチックのリベットを買うよりも安いです。

PCH Dieとヒートシンクの間にもサーマルペースト塗っておきます。

IOH Diode異常発熱対策

結束バンドの場合もリベットの場合も一度はめてしまうと取り外しが面倒になるのでサーマルペーストを塗る前に位置等を確認してから作業を進めます。

IOH Diode異常発熱対策

反対側はロック部分以外を切り落としこのように利用しました。

残りはPCH DieとCPUのヒートシンクを組み戻すだけです。

IOH Diode異常発熱対策

IOH Diode異常発熱対策

2枚目の写真と同じです。
CPUのヒートシンクも元に戻しロジックボードを本体に戻したら作業は完了です。
工程写真がとても簡素なものになってしまいましたが雰囲気が伝われば幸いです。

作業は以上です。

注)すべての人が同じ方法で問題を解決できるとは限りません、また間違っている箇所があるかもしれません。他のトラブルがこの方法をとった事で発生するかもしれません。Macs Fan Control等のソフトウェアのインストールに伴いトラブルが発生する可能性もあります、あくまでも自己責任で。静電気対策等を徹底した上で作業を行なってください。

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