うめちゃんからの手紙 2018 No.113 Self love is a full time job innit?

うめちゃんからの手紙 2018 No.113

おどけてみせるうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.113

今日は私のアルバイト先で出している壁新聞の原稿を書いていました。
私が敬愛する広島東洋カープの事について、先日亡くなられた衣笠祥雄さんの事、怪我から復帰された鈴木誠也選手、そしてずっと応援していたチャーリーこと廣瀬純選手がコーチャーとしてカープに戻ってきてくれた事…初めはカープの事を中心に書こうと思ったのですが、野球の事を多種多様な人が訪れる喫茶店の読み物に書くのはどうかと思いぐっとこらえました。

ただ最近考えている事と思った事を書きたいなと思いまずはブレインストーミングが始めました。
一番最初に書こうと思った事は…
アメリカでは生まれた瞬間、生まれた瞬間の赤ちゃんから一個人であり患者として扱われ、赤ちゃんによっては生まれた時から出産にかかった6000ドル前後の入院費用が借金として背負わされるところがから人生がスタートするという現実についてでした。
ただこれもカフェの壁新聞の読み物としては人を選ぶ気がします。

二つ目に考えた事は今週繰り返し放送された南北の国境線を行き来した指導者達の映像について。
でも前述のとおり、いろいろな主義思想の人が来るのがカフェです、あまり政治的な事は書きたくありません。

しばらく考えているとやっぱり常連さんや上司との会話でよく上がる話題、音楽について今回は書く事にしました。写真の事についてもかけたのですが、次回発行号ではるちゃんが新しく買ったライカの事について書くという事を事前に知っていたのでカメラや写真の話題については避ける形になりました。
今号のエッセーを書き上げた後につけたタイトルはNonameさんの言葉を引用し、Self love is literally a full time job innit?1)としました。

今回のエッセーではShing02さんの2006年に作られたLove you like waterと1999年にリリースされた緑黄色人種というアルバムに入っていたひとつになるときという二曲について書かせていただきました。
今回のエッセーを書く上である動機になる出来事がありました。

私の身近な人達は本当に物事について調べる事が上手で、とても真剣な人たちです。
(うめちゃんからの手紙 2018 No.057 恋愛と資本主義と騙し合い。も是非)
こないだはるちゃんが「一直線だねぇあなた、自分が興味ある事にマニアックになっちゃうタイプでしょ」と人から言われ笑われた瞬間に一瞬だけはるちゃんの顔が陰ったのを私は見逃しませんでした。

不思議なもので日本の社会、特に学校のような空間においてマニアックな女子は煙たがられる事が多いように私は思います。
アニメが好きだったり可愛いものが好きという女子は受け入れられる事が多くなったようにも見られますが、根底にあるのは女子に幼児性や可愛さを求めているというのが真理なのではないのでしょうか?
詳しい女性、専門職に就く女性にはやたらと既存にはなかったカテゴライゼーションが付いて回る気がします。
記憶に新しいもので言えばリケジョやら山ガールやら…男性が同じ事をした場合は辞書に載るような一般的な呼称になるだけ、それでも今は男性を野生動物のように草食やら肉食と呼ぶ、醤油顔ソース顔なんて可愛いものです。
ただこれにも問題があり、男性においても一般性を求められ、そうではないとされる人たちは奇異の目で見れれ、ひどい場合だと”キモい”と呼ばれる事も多いように見受けられます。
南方熊楠のような人はきっと過去に他にもいたと思うのですが、後世において功績が評価される人は少ないのではないでしょうか。

なぜはるちゃんの顔が曇ったのか、それは同性から言われたからだったのではないでしょうか。
人から言われたくない事、よくある言葉やあからさまなものばかりではないように思うのです。
セクハラやパワハラなどではなく、同調や一体感を求めるハラスメント。
知っている、詳しい女子、インテリジェンス能力が高い女子の生きにくさが確かにそこにあるのではないでしょうか?

日本の外交力や成長の停滞の一因がインテリジェンス能力が評価されない社会にあるのではないかと唱えていらっしゃる方がいました。
日常とその中での消費においてもインテリジェンス能力というのは必要です、愛や平和においてはなおさら。
キャベツ一つ買うにしても過去の経験、口コミ、季節ごとの市場の変化など様々な情報を精査し判断の上に私たちはお金を払います、それが智であり正義でもあります。
ミクロな事、マクロな事に問わず真剣に物事を知ろうとする行為も愛で平和への近道だとも思うのです。
なぜ知ろうとする行為、女性や若者が賢くなろうとする行為は正しく評価されないのでしょうか?

Shing02のLove you like waterという曲はHookで

If we can’t make love
We can always make peace, can’t we…

と歌われるところから始まります。
そしてVerse1に入り、顔をあわせて二人で会おう、場所と時間を言ってよ、30分早く着き胸の中の喜びをかみしめ…と続きそして最後のHookでは僕の体は君を水のように愛し、乾いた土地が渇望する、素敵な思い出が記録として残り、二羽の友達同士の鳥が境界の上で座っている、今それを壊すように…と歌い終わります。
(直訳に近い意訳ですみません。原文を読むのが一番なので、それをオススメします。)

このLove you like water歌詞緑黄色人種というアルバムに入っていたひとつになるときという歌詞が成長し変化を遂げたヴァージョンなのではないかと私は解釈しています。
Shing02さんの言葉選びがとても好きなのですが、最近の作品の歌詞は昔よりもAbstractになり、そのおかげでより深くに染み入ってくるようになった気がします。
1999年に出されたひとつになるとき歌詞はもう少し具体的な言葉を多用しています。

問題、人類皆兄弟喧嘩する程仲が良いのか悪いのか?
答えは後者、理由はおそらくお互いのこと理解できないのに
干渉しようとするのが全くいかんでしょう

といった具合に…戦争や愛…その他ビロッビロをど頭から歌い。
ペスミスティックでポリティカルな歌詞が続くかと思えば、それ一辺倒でもなく後半のVerseからはオプティミスティックで期待のような、自身への戒めのような訴えを歌い、最後のhookは最初と同じかとギリギリまで思わせつつ「男と女が一つになるとき」と締めていて、結局そう言い切ってしまうのか?というようなちょっとだけ腹立たしくもはにかんでしまう、そんな歌詞。

真剣に物事を知ろうとする行為も愛だ、愛が平和だ。
と私も訴えたいのです。
まずは知る事から真剣に始めてみませんか?

うめこ


今日の一枚

Nikon FM3aとAi Nikkor 35mm F2 / Kodak Gold200

Nikon FM3aとAi Nikkor 35mm F2 / Kodak Gold200


今日の一曲

Shing02 – Love You Like Water

Shing02 – Love You Like Water


References

References
1 2017年10月4日のTweetより。https://twitter.com/noname/status/915315763766071299

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