うめちゃんからの手紙 2018 No.211 年末はしっかり体を休めよう、働き続けた体に感謝しよう。

うめちゃんからの手紙 2018 No.211

弟に靴下を履かせようとする父を手伝うお姉ちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.211

一昨日から実家に帰ってきています。
今年も昨年の帰省と同じくマリーちゃんも一緒です。
実はこの休みの後からマリーちゃんは京都で取得しなければいけない単位があり私の家で下宿して二月まで滞在する予定になっています。

マリーちゃんが取得しなければいけない単位を私はすでに全て取得しているのと私は地元の京都では取得できない単位なので一緒に過ごす事ができないのが寂しいです。
はるちゃんも未取得なのですが来年の夏に海外で取得する予定ですでに私の祖母の知り合いのが受け入れ先になっていただくことが決まっています。
魔女の資格というのにも色々あり国家試験とは別に定められた修行をこなさなければいけません。
さらに世界中で使える魔法従事者免許を取得するためには自分の出生地ではない国、最低2カ国以上で魔法を使って仕事をしている魔女か魔法使いの元で見習いとして働きいくつかの課題をこなさなければいけません。
昔はイギリス、ドイツ、ポーランド、そして日本で発行された魔法協会の免許であれば世界中で有効だったそうですが母や父たちの時代には既に改正され厳しくなっていたようです。
自動車の免許でも道路交通法の改正で普通免許で運転できるトラックのサイズが変わるようなのと似ています。

以前よりも厳正化されましたが、現在でも国際魔法機関加盟国で受験し規定の修行を加盟国2箇所以上で収め推薦状を提出すれば国際的に有効な免状とするとされています。
少し前にフィンランドの魔法協会の免状が可愛くモダンな柄の書類で発行されるということでやたらと日本からの受験者が増えたというブームがありました。
どの国でも試験料が協会の運営費に回っているため気合が入っているのです。
日本国内においても桜のモチーフを取り込んだ免状を発行してくれる会場があったり、富士山が描かれていたりと工夫が見られ、特に京都で発行される免状の柄が可愛く人気が高いのでマリーちゃんも京都で将来は受験したいと言っていました。
私はイギリスとドイツの二カ国で単位を取得済みで、20歳の誕生日以降に過去に修行させていただいたところで書いていただいた推薦状を提出し魔法従事者免許試験に合格すれば、晴れて正式な魔女としてデビューし日本と国際免許が有効な国で魔女として働く事ができるわけです。
マリーちゃんはすでにフランスで取得しているのであとは日本で取得すれば満了です。
はるちゃんもイギリスで今年の語学留学中にあわせ修行をして取得しているので後もう1カ国です。
細かく言えば私は現在既に仮の免状を所有しているので魔法省登録施設内で魔法省に認定された魔法使いか魔女のお仕事であれば無制限でお手伝いすることができます。
例えば私の両親が魔法省のお仕事をしているので両親のお仕事を手伝う分には遵法で、場合によってはそれも魔法学校の単位として認めてもらうことも可能です。
自動車免許の仮免許にも少し似ています。

いずれ詳しく書こうと思うのですが私もマリーちゃんも身内に魔法協会で役員として働く人間がいるため一般受験生と一緒には魔法従事者免許の国家試験を受験する事ができません。
私とマリーちゃんの身内が国家試験の試験官をしていたり問題を作っているからです。
そのため私たちの場合は20歳の誕生日以降に抜き打ちで雨の日でも風の日でも病気の時でも所構わず抜き打ちで試験官がやってきて試験を出されるという大変不利な形で国家試験に挑まなければいけません。
今まで聞いた話で過去最も困難だった試験は食中毒で入院中の病院に試験官がやってきて試験を出題された魔女です。
実は私の叔母のたまえおばちゃんです。
私の母は朝起きてご飯を済ませた後にやってきたそうで、たまえおばちゃんと比べなんと幸運なのだと皆から言われたそうです。
こればかりはランダムだそうでどうしようもありません。
(母は昔から強運の持ち主で、たまえおばちゃんは割と貧乏くじを引きがちだったそうです。)
私の父の時は土砂降りのイスタンブールに飛ばされ箒と魔法の杖だけ渡され日本までトルコのお茶、ロクム、そして現地の魔法使いから渡される魔除けを持ってそれらを1滴の雨粒もつけることなく5日間以内に日本まで帰ってこいという試験が出されたそうです。
父の時もなかなか珍問だったようですが、父は旅慣れていたため初日で試験の課題をこなし翌日はイスタンブールで友人に会いお茶をしてからゆっくり帰ったきたそうです。
冷静になれば試験自体は難しくはないのですが外国に飛ばされるだけでパニックになってしまう受験生が多く語学力がない受験生には難問なのだそうです。

そんな訳で年明けに修行が控えているマリーちゃんとの帰省です。
たった1ヶ月強東京を離れるだけなのですが東京を発つ前に馴染みの店に行っておきたいとマリーちゃんが強く希望したので帰省数日前からお昼は予定をあわせ外食をしていました。
私とマリーちゃんが陰ながら応援しているイケメンの見習いがいるとんかつ屋さん、マリーちゃんの下宿の近くにあるとんこつラーメン屋さん、そして少し前からマリーちゃんがはまっている餃子屋さん。
餃子屋さんに行った際にお店の扉を開けた途端に今日も6枚?といきなり聞かれたのには面食らいました。
私とマリーちゃんがその餃子屋さんにお邪魔する時は餃子が5つ乗った皿を6枚と大チャーハンを頼み二人で分けています。
マリーちゃんはどのお店でも顔といつも注文するものを完璧に覚えられていてすっかり日本に馴染んだものだと驚かされました。
ラーメン屋さんで最初はバリカタから入り、スープが少し冷めてからの替え玉で少しだけ麺を柔らかくしてもらうというこだわりを持った10代女子のイギリス人は東京にはあまりいないでしょうから、お店の方からしても記憶に残るのでしょう。笑

実は先週マリーちゃんがまた薬疹が出てしまい病院に行くというトラブルもありました。
先々週から風邪をひいていて風邪薬を飲んでいたのですが、寮から近いドラッグストアに風邪薬を買い足しに行ったところアレルギーのある薬剤が入っている風邪薬を買ってきてしまったのです。
マリーちゃんは飲んで大丈夫な風邪薬や頭痛薬などのリストを持っており、必ず決められた会社の製品しか飲めません。
ところがマリーちゃんが利用したドラッグストアの登録販売者の方が変に気を利かせてくれたのかマリーちゃん自身がレジに持って行った薬に似た成分で同じ効果があると謳われる他社の風邪薬をマリーちゃんに勧めてしまったのです。
マリーちゃんも似た成分と効果で安価だと言われ促されるままに買ってしまったのだそうです。
冷静に考えれば同じ成分で効果だと言われれば私でも買ってしまいそうで危険です。
少しでも疑問を感じたり不安になった時は店内にいる薬剤師に確認をするように心がけたいですね。
マリーちゃんはイブプロフェンが含まれている風邪薬が飲めないのですが、勧められて買ってしまったものには含まれていたのでした。
登録販売者の方の親切心が余計なお世話となってしまい大騒動となったのでした。
ドラッグストアの方はおそらく製薬会社や本部から推されている商品を売るように営業努力をしていたのだと思いますが、外国人、特に薬疹を持っている人などには代替商品などを安易に勧めないようにしてもらいたいものです。
幸い大事には至りませんでしたが、私は心の中でいまだ苛立ちを抱え今日に至ります。
親切心が裏目に出るという事は多々あります、ですが薬を販売されている方は間違いが重篤な事態につながるという危機感を持って働いて欲しいと切に願います。

そのようなこともあり今回の帰省中はひたすら体を休めることに徹しようと思っています。
父とおせち料理の準備をした以外はコタツに入ってマリーちゃんと映画を見ながらひたすら弟のために靴下や帽子などを編んでいます。
いつもでしたら地元のお店などにマリーちゃんを連れまわすのですが、冬休みです、やっぱり休むのが正しい過ごし方です。
しっかり体と心を休め、安静に一年を納めたいと思います。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Mon Laferte – Si Tú Me Quisieras (Video Oficial)

Mon Laferte – Si Tú Me Quisieras (Video Oficial)


今日の一冊

Copyrighted Image

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