うめちゃんからの手紙 2018 No.165 さよならしたくない文化。

うめちゃんからの手紙 2018 No.165

レンジファインダーカメラを使うことが多いうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.165

先日、感剤代と現像代をいただいて撮影をしました。
職場のカフェで販売しているZineに次号から少しだけ広告枠を設ける事になりました。
広告収入を得て発行部数をどんどん伸ばしていこう!という闘志に満ちた理合ではなく、豆を卸させていただいている取引先やヒロシの絵を飾ってくださっているお店などを紹介し、お互いに相乗効果で盛り上げていこうという女将さんのアイデアです。
色々なところでお互いの会社やレストランの名前、ヒロシの作品、私たちが作っているZineを見かけてもらえるようになれば、街でたまたま見かけたときなどに覚えてくださっていた方がふらりと入ってくださる確率もわずかでも上がると思うので良い作戦だと思います。
インターネットの口コミサイトやSNSが過剰に溢れかえってしまった今、意外とコースターやマッチ箱、紙面などのアナログな媒体の広告効果もバカにできないのではないかと出版社に勤めてらっしゃる常連さんとも話をしたばかりです。
豆を卸させていただいているレストランの方もお客様の目が届くところに弊社のロゴが入ったコーヒー豆袋を目立つように置いてくださっているのです。
ベンヤミンではありませんが、実際の店舗で見る事や体験できるアウラのようなものを信じ愚直かもしれませんが昔ながらの宣伝方法で頑張っていこうと思っているのです。
そして私の職場の掲示板コーナーにも私たちの会社のコーヒー豆を使ってくださっているお店などを紹介しています。

さて記念すべき第一弾はみんなで実際にお店にお邪魔してみよう!というコーナーです。
第一回はマリーちゃんの勤め先の紅茶専門店です。
あくまでも紅茶専門店ですがコーヒーも出してらっしゃるお店で、イギリスのお茶菓子が人気のお店です。
首都高速1号羽田線が通るまでは海苔の養殖などをされていた家族経営の会社で、海苔がダメになって以降はお茶の販売に力を入れ今では日本茶以外にも紅茶を販売しティールームを長女の方が経営されています。
カメラマンうめちゃんということで私がはるちゃんとマリーちゃんがお茶を楽しんでいる様子の写真を撮らせていただいたり、マリーちゃんの普段働いている姿も撮影させてもらいました。
私だけではなくはるちゃんともバトンタッチしてかなりの本数を撮影してきました。
マリーちゃんの上司の方と女将さんのアートディレクションの狙いというものがあり、それは友達同士で楽しくお茶をしている雰囲気が伝わること、10代の子にもジュースなどではなく紅茶の良さを知ってもらいたいという明確な意図がありました。
撮影前に以前フィルムカメラとデジカメで撮影した私とはるちゃんの作例をお茶屋さんに見ていただき、今回はフィルムで撮影することになったのです。

私もはるちゃんもマリーちゃんも頻繁にアメリカのB&HやドイツのMacodirectなどからフィルムを輸入しています。
夏休み中に使う予定でよけてあるフィルム以外に先月末に10本も36枚撮りのコダック製カラーネガフィルムを余分に注文したばかりだったのでちょうど良かったです。
今回はポートラ400とGold200を数本使いました。

大事なフィルムの時は仲良くさせていただいているカメラマンさんから教えていただいたプロラボに今まではお願いしてきました。
ところが7月に入ってから最も近く受付のお姉さんも優しいプロラボでコダックの35mmフィルムの受付が休止状態になってしまっています。
幸いはるちゃんの使用している120の中判フィルムは以前と変わらず処理していただけるのですが、最も撮影本数と使用する機会の多い35mmが現像できていない状況に困ってしまいました。
プロラボの場合は吊るし現像という方式で傷などもなく綺麗に現像していただく事ができ、家電量販店を通じて純正仕上げに出す場合に比べて納期も半分くらいでよかったのです。
秋葉原の超大型家電量販店で純正仕上げをお願いする事もあるのですが、お仕事用の現像となると少しややこしいのです。
会社の経費で現像代を清算していただくの場合はポイントカードのポイントが会社の帰属になるからです。
女将さんも私のポイントカードを出してポイント貯めてもいいよと言ってくださってますし、他の会社でもそこまでポイントカードの還元率などをきっちり計算しているとは思えませんが、きちんと領収を出してくださるのでプロラボに今まではお願いしてきたわけです。
あくまで品質第一でプロラボに出したという体裁ですが、裏にはそういう理由もあったのです。

プロラボの受付のお姉さんから、鋭意原因追求中で35mmフィルムの現像の不具合が解決され次第復活するのでしばらくの間はごめんなさいと謝られてしまいました。
噂では恵比寿の方にあるプロラボでも現在休止中だそうです。
それ以外には以前純正薬品で処理をされていた神田などにも事業所がある大阪に本社がある私の母が何百本と処理をお願いしてきている大手ではまだ受け付けているという噂です。
噂ばかりで釈然としませんが、プロのカメラマンの方がおっしゃるには地方だと更に選択肢がないからこれでもましな方だとおっしゃっていました。
母が東京でのフィルム現像に絶対の信頼を寄せていたプロラボは数年前に廃業しいますし、厳しい実情があります。

緩急あれど色々なものが衰退し消えていく世紀かもしれません。
アナログレコードが復古しつつあり人気だという明るいニュースを耳にする事がありますが、写真文化の根底にある薬品を使った暗室作業など人力の及ぶ”作業”を伴う文化は消えていってしまうのかもしれません。

それでも私たちはまだその文化の最後の踏ん張りどころですばらしさを体験できているのですから本当にめぐまれています。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM


今日の一曲

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今日の一冊

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