うめちゃんからの手紙 2018 No.164 入道雲で夏を認識する。

うめちゃんからの手紙 2018 No.164

ほおずき市にカメラを持ってきたはるちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.164

私の通う高校の同級生にぼちぼち音楽に詳しい子がいます。
時々お昼ご飯のテーブルが近くになった時に話したりする程度で二人だけで音楽について語る事はありません。
日曜日に通っている絵画教室に千葉から通ってきている同級生の女の子二人とは音楽の話をよくします。
お昼ご飯の時に一度だけ同じ学校の子と好きな音楽について話した事があったのですが、その子がやたらと「メンヘラ」という言葉を連呼した事がどうも癪に触り、以来その子と話したちと思う事は無くなりました。
私が好きなミュージシャンがその子が語った「メンヘラ女子が好きそうな音楽」に含まれていた事に未だに腹を立てているのも事実です。
広義でいえば私は心が弱くコミュニケーション能力が極めて低いのでそのカテゴリーに含まれてしまうという事は認識していたのですが、許せないものは許せません。
冒頭から怒りを吐露してはいますが、私は雑食でもあります。
洋楽と邦楽以外にも、インストゥルメンタル、猥歌、世界各国の民謡などなどとにかく色々なジャンルのものを聞きます。
現在20万枚以上レコードをコレクションしている祖父の影響もあります。

私のような短い期間しか生きていない若造でも過去5年の間にやたらと人種や思想のカテゴライゼーション、ラベル貼りのようなものが加速した気がします。
そして好意的であったり戦略的にそれらに自ら入っていく人も増えたようにうつります。
もしかしたら流動的な経済や世界情勢をコンピュータを駆使したビッグデータなどを活用し少しでも予見したり動向を占い効率的に利益を出そうと思った時に、客層という言葉が変化し今に至っているのかもしれません。
政治活動であったり、主義思想、怒りの矛先、ボランティア活動など人々の善悪と感情累々。
どのような活動であってもお金が絡み利益を得る人、それらにお金を払う人がいるのだと思います。
グローバリゼーションは大いに結構やと思うのやけれど、大雑把な”区分”で人々を分け隔てていくような未来はまっぴらごめんです。
個性があると思っていても往々にして誰かの真似をしていたり、他人とかぶる事が多いのも事実ですが、わずかでも差異があればそこを互いに尊重しあえる社会であって欲しいと願います。

うだるような暑さの中、ビルの谷間から見えた入道雲の姿に夏を再確認しながらアルバイトに向かうと、行きしなでいつも通るある店先でフジファブリックのBye Byeが流れていました。
本当にお誂え向きです。
入道雲は夏以外にも発生する雲ですが一般的には高温多湿な夏の日にできる雲です。
志村正彦さんがPuffyのために書いた曲だと言われていますが、私はセルフカバーもパフィーが歌ったバージョンも両方好きです。
フジファブリックの歌詞は郷愁感や叙情感を誘うもの、そして季節の終わりや恋の終わりを想起させるものが多く、シンプルな言葉で綴られていて単純明快でも濃厚さがあり私は大好きです。

今日はアルバイトの後にカメラを携えはるちゃんとマリーちゃんと浅草寺のほおずき市に行ってきました。
お祭りがこの季節は多く東京に来てから気をつけて写真を撮りに行くこともありますが、普段の私はお祭り準備段階と撤収後の寂しさのような空気感が好きでした。
ちょうど今頃祇園祭の鉾が建ちはじめているのではないでしょうか。
映画を例に挙げるとうる星やつらのビューティフルドリーマーの学園祭前夜の疲労感やワクワクを内包した学園の雰囲気を上手く表現していた作品だと思います。
(もちろん主たるテーマは別な事だとは思いますが、私にはあのドタバタと繰り返される前夜に疲弊していくキャラクターたちの変化を見ているのが好きなのです。)
ビューティフルドリーマーはどこか大人になることを拒むような、季節や学期が進むことを認識したくないようなラムちゃんの可愛さと弱さがギュッと詰まっていたようにも思います。
私たちはちょっとしたこと、例えば紫陽花が咲き始めたことで梅雨やその後に控える夏の到来を認識します。
それは向日葵だったりすることもあるでしょう。
季節の告げる花があからさまだったり記憶に残っていたり季語であったりするので私たちはやってくる季節には敏感な気はします。
ところが前述したラムちゃんのように季節が去って行くことに上手にさよならできているのか、私は自信がありません。

今晩はデジタルカメラをお供にはるちゃんやマリーちゃんを撮影したのですが、上手くほおづき市の雰囲気と友人二人の優しさだったり可愛さを写真に収める事ができたかはまだわかりません。
意外とこういう写真は3人が仲良く毎日顔を合わせている間は価値を持たないのかもしれませんが。
互いに成長したり喧嘩したり、距離ができてしまった時に振り返って見ると訴求力を持った写真に化けるのかもしれません。
思い出を作った直後の写真はつまらなければつまらないほど後に期待が持てます。

うめ


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フジファブリック (Fujifabric) – 若者のすべて(Wakamono No Subete)

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