うめちゃんからの手紙 2018 No.109 シャッターボタンを押す前に決まっている。

うめちゃんからの手紙 2018 No.108

うめちゃんの親友の今福はるこ、カメラとそばが好きな同級生。

うめちゃんからの手紙 2018 No.109

今日は学校、アルバイト、家庭教師と一週間でも最も忙しい1日でした。
通常は日曜と木曜に家庭教師の予定を入れるのですが、日曜が月曜になったり、木曜ではなく今日のように水曜になる事もあります。
私とマリーちゃんの予定や学校のテストの予定に合わせて変える事があります。
忙しくて大変ですが、実際のところ夏の間や休みの間は勉強やアルバイトができていないので、学期中が猛烈に忙しいのも仕方がないのです。

小学校から中学校の間もギター教室などいろいろな習い事に通っていたので今より忙しかったような気もします。
高校に入ってからのほうが確実に忙しいはずなのですが、小学生時代のほうが忙しく濃密な日々だったようにも思えます。
子供の頃は時間が経つのが長く、歳をとると時間が経つのが早く感じられるようになると言われているのと関係あるかもしれません。
私も祖母と似ているところがあり、習い事が好きなので高校を卒業して大学生や社会人になっても何か習い事は続けたいなぁと思っています。
私の母も思う事があったのか、社会人になってからまた数学を勉強し直したいと数学の家庭教師の先生を呼んでいる時期がありました。
私は今の所ヨガ教室、絵画教室、家庭教師の田中さんを週二回で手一杯です。
はるちゃんは英会話教室とピラテス、そしてジムに通って筋トレをしているようです。
マリーちゃんは私と同じ家庭教師の田中さん、そしてヨガ教室、あとは寮に日本語を教えに来てくれる日があり寮の他の留学生の子達と揃って授業を受けているようです。

ごくたまに他校の高校生のグループと遭遇した際に話しかけられたりしてコミュニケーションをとる事はあるのですが、習い事の話題になった事は一度もありません。
はるちゃんの従姉妹はダンスを習いに行っているとか、田中さんが家庭教師に行っているお宅の子はボルダリングを習っているとか、それぐらいしか聞いた事はありません。
田中さん自身は大学に入る前までは弓道をずっとやっていたとか。
道具や特別な場所を必要とする習い事はなかなか継続しないねぇとおっしゃっていました。

私は写真とギターを趣味と実益を兼ねてやっていますが、どちらも趣味の王道と言われているのですが、音を出せる場所、写真をプリントできる場所など専用の環境を必要とする趣味で、実は万能な趣味ではない気もしています。
かといってこの二つを辞めるつもりもありませんが、よくばりかもしれませんが歳を取っても楽しめたり、誰かとの交流のきっかけになるような趣味であったりスキルを今のうちから身につけておきたいなぁと切実に考えています。
そもそもコミュニケーション能力がマイナスな私なので、そのようなきっかけになるものがなければ彼氏どころか友達も学校などの集合体から出てしまうとできないのではないかと危惧しています。
ヨガ教室で知り合ったてるこさんはとてもいい人で一緒にお茶をしていても楽しい方なのですが、他の生徒さん達の間でお金の絡んだトラブルが過去にはあったと聞いた事があります。
ヨガ教室の生徒さんで不動産を多く持ってらっしゃるおばさまがいて、部屋に困っているという生徒さんのお友達を紹介され貸し出したところ…よくあるタイプの家賃などを払わない、部屋をボロボロにする騒音が酷いなどのトラブルが頻発といった具合で…そのあと仲が良かったおばさまグループに亀裂が入り、ヨガ教室に悪い空気が蔓延してしまっていたのだとか。
習い事で作る交友関係が密になりトラブルになったお話などを聞くと怖いなぁと思うと同時に、友人を作ったり維持していくのは大変なのだなぁと切に感じます。
学校や会社などはある種のフィルタリングを経ていて、両親の経済力、個の学力や適性などで似たカテゴリー内に収まる人種が集まった集合体とも捉える事ができる気がします。
そのような環境では他の環境よりかは幾分友達も見つけやすいのではないでしょうか?
ただ会社や学校は習い事で知り合う人たちよりも一緒に過ごす時間が長いため、それが原因のトラブルや気軽に他所へ移ることもできないという一面もあります…

身近なところで私の友達のはるちゃんの様子を見てみると、お客様と打ち解けるのがすごく上手なように思えます。
コーヒーのことについてとても楽しそうに話しますし、なにより説明が上手、そして人の話を聞くのがうまく、お客様がおっしゃったこともきちんと覚えていたりします。
はるちゃんのお父様がお医者様で人の会話の何でもないようなことでも職業柄覚えてしまうとおっしゃっていた事があるのですが、この親子は人を観察して相手を理解しようとする能力が高いのやなぁと思った事があります。
実はこの観察能力の高さがはるちゃんが写真を撮る事が上手な理由の一つではないかとも考えています。
写真を撮る事って、実のところ多くがシャッターボタンを押す前に決まっているのではないでしょうか?
観察を続け、被写体の一番いい姿を過去の記憶や経験などと比較し選びぬきとる、そんな行為のように思えます。
プロの写真家の方が何度も同じ行為を繰り返し経験を得ていくように、母親が子供の本当に可愛い写真が撮れるようになるような、富士山の写真を撮り続ける人が最高の一枚のために何年もかけるような、そのような行為が私の説を裏付けてくれる気がします。

私の母は割と個性が強くうつ病がひどかった期間などもあったのですが、友達は私よりも多くいろいろな人が母のことを気にかけてくれたり可愛がってくれているようにうつります、そしてはるちゃんのお母様には本当に長い間母の友達でいていただいて娘の私も本当に感謝しています。
私の父は私によく似てコミュニケーション能力が決して高くないのですが、それでも人が訪ねてきてくれたり、一緒に食事に行ったりしています。
私の両親は個性が強いからいいのかなぁとも考えたり。
まぁよくわかりません。

高校の後もはるちゃんやマリーちゃんとずっと遊べたらいいのやけれど、彼女達にも彼女達の人生があるわけで。

漠然と将来を不安がるのも良くないですね。
孤独になるという事が怖い、これは大しれもが考える事なのでしょうが、私はしょっちゅう考えてしまいます。

今日は以上です。

うめこ


今日の一枚

Nikomat FTn / NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=50mm / FUJI C200

Nikomat FTn / NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=50mm / FUJI C200


今日の一曲

world's end girlfriend – Storytelling feat.Yukawa Shione (MUSIC VIDEO) 映画「星空」より

world’s end girlfriend – Storytelling feat.Yukawa Shione (MUSIC VIDEO) 映画「星空」より


今日の一冊

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