うめちゃんからの手紙 2017 No.195 猫にわからなければ私にも分からない事だ。

うめちゃんからの手紙 2017 No.195

年末年始はうめちゃんの実家に来る事になったマリちゃん。

うめちゃんからの手紙 2017 No.195

ここ数日忙しくアルバイトから帰ってきたらすぐご飯を食べお風呂に入るだけでバタンキューの毎日でした。
19日から冬休みに入るので学校の方も大忙しです。
学校とアルバイト以外に並行して毎年お世話になった方達に手編みで作ったものや撮らせていただいたお写真、お礼のお手紙などを出しています。
編み物や写真の引き延しなどはすでに終えているのですが、一人一人メッセージを考えて書いていく作業で時間がかかってしまいました。
過去の反省を踏まえ一筆箋できちんと簡潔に書くようには心がけているのですが、短い文章でも内容がかぶらないように気を使うと時間はどうしてもかかってしまうものです。

来週から25日まではアルバイトのシフトも変則的になりはじめおじさんのケーキの配達などのお手伝いや、アルバイト先のクリスマスブレンドのラッピング作業と宛名貼りなどの配送の仕上げもありますます忙しくなりそうです。
そしてもうすぐ父の誕生日なので父へのプレゼントとバースデーカードの発送もしなければいけません。
実は宅急便などのラベル書き作業が少し苦手で毎回とても時間がかかってしまいます。

今朝は少し疲れを残しながら目を覚まし学校へ行く支度をしていると、朝の忙しい時間に二郎と三郎が喧嘩をしていて少し口調を荒げて二匹を怒ってしまいました。
京都の実家近くのお寺に貼ってあった言葉を紹介させていただくと「子供を叱るな、自分が来た道。年寄り笑うな自分が行く道。」なわけで、猫を怒るなんて大人気ないと反省しつつ二匹の喧嘩の理由をヒロシに尋ねてみると…

二匹の喧嘩の理由はたまえおばちゃんの靴にどちらが防水スプレーをかけるかというくだらないものでした。

私にとってはくだらない笑ってしまうような出来事なのですが、二匹にとって防水スプレーをかけるという事は定期的にやってくるワクワクするイベントのようで競うように僕がやりたい僕の方が上手だと毎回おばちゃんにアピールするのでした。
私は一足を左右に分けて一回ずつ二匹でやればいいのにと思ったのですが、話を聞くと前回は三郎が防水スプレーを振り、仕上がりが上手だったためもう一度任せて欲しいとおばちゃんにアピールした事が二郎の癪にさわったと言った具合でした。

おばちゃんもおばちゃんで面白がって「入札制度にしたから今年いっぱいは三郎の会社にお願いする事にしたんよ。もっと安くて質が高い会社があればそこに発注したいんやけどなー。接待されたらころっと心変わりするかもわからんなぁ」とおちょくるのです。

はじめおじさんは、「僕の靴だったらいくらでもやりなよ二郎ちゃん!これ、これとかやっていいから!」と二郎をなだめるのですが…二郎自身も何に対して怒ってるのかよくわからなくなってきたのかヘソを曲げなぜかはじめおじさんのものではなく泣きながら私の靴に防水スプレーをかけてくれました。

騒がしいなぁとは思いましたが二匹が微笑ましく思えました。

どんな生き物でも優劣つけたい競争心のようなものがあるのでしょうね。
すごく客観的にみれば二匹の防水スプレーの振り方に上手い下手に差ががあるわけではありません。
でもどこかで落とし所というか、全て自分でやりたい、自分の善意が全て人に受け入れられるものという考え方を持つのはいけないというのをマリちゃんが話していたことを思い出しました。

人に何かをしてあげたい、優しくしてあげたいという心持ちは美徳なのやけれど、それ自体もある種の執着なのかもしれません。
マリちゃんが前の彼氏と別れた後なかなか執着心を捨てられなかった話を以前していて、あの時ああしていれば、あの後こう言っていればという考えが長い間頭から離れなかったのだそうです。
付き合っていた頃に比べて大きく自信を失ったり、自分はベストを尽くせているのか自問自答してしまう日が続いたのだとか。

今では「私ほどええ女はいないやろー」と私の声を真似ておどけて見せるマリちゃんですが、それがどこかでマリちゃんなりの落とし所を見つけたのでしょうね。

猫にもマリちゃんにも分からなければ私もわかりません。

でも誰かの事を考えてしまっている時点で優しさは始まっているのかもしれません、いなくなった人の事を笑えていることで張り巡らせていた執着心の糸が減っていっているのかもしれません、そう思う事を私の落としどころにしようと思います。

うめこ


今日の一曲

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Pneumoniker – Coffee / Cigarettes

Pnumonikerのこのトラックを聞いた時に蛍の光が頭に浮かんでしまいました。

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