一太郎さんと奥さん。
うめちゃんからの手紙 2018 No.097
今日は午前中と午後の両方のシフトに出勤してきました。
と言っても午前中のシフトは主に朝のワンコインのセット販売後の清掃と二部の営業時間までお店の清掃を含む準備です。
お掃除は仕事の基本であり飲食店においては最も重要な業務ですね。
今日は夕方に一太郎さんが奥様と顔を出してくださいました。
一太郎さんと奥様は夫婦で少女漫画を出版されています。
一太郎さんが原作を書き奥様が作画を担当され二人三脚で今まで活動を続けてきました。
結婚される以前は一太郎さんが編集者として奥様の担当をされていたそうですが、一太郎さんが原作を書き始めてみたところ奥様が書いた話よりも女性ウケが良かったということでいつの間にか編集者という立場から原作者へとシフトしていったそうです。
今日が結婚記念日だったということと最新刊が早くも重版が決まったそうでお祝いを兼ねて銀座までお寿司を夫婦で食べに行ってきたそうです。
一太郎さんがスーツを着ている姿を今日初めて見ました。
面白かったのが本当に仕立ての良さがわかる上等な生地を使ったスーツとシャツをビシッと着ているにもかかわらずトレードマークである日本ハムファイターズの野球帽をいつも通りかぶっていたのがとても一太郎さんらしいなと思えました。
さすがにレストランなどで室内に入った時は帽子を取っているそうですが、外を歩く時はいつも日本ハムファイターズの野球帽を絶対に取ることはないのだそうです。
今日は私もはるちゃんもたまたま職場にライカを持ってきていたので二人で一太郎さんと奥様を撮影させていただきました。
一太郎さんもライカの愛好家ではるちゃんが新しくライカを買ったことを自分の事のようにとても喜んでいました。
そして一番最新のM10ではなく現行では最もシンプルで正統派とも言えるTyp262を選んだのははるちゃんらしくて賢い選択だよと褒めていました。
一太郎さんはM10の黒も持ってらっしゃるそうなのですが、EVFという機能とライブビューという機能ついていても、ほとんど使うことがないから私が持っているM9-PでもはるちゃんのM Typ262で十分だとおっしゃっていました。
ただ最新のものは室内や夕方以降の撮影に有利だそうで、こればかりはしょうがないのだそうです。
でも若いのだから夜ではなく、健全に明るい時間に写真を撮りなさいと笑われました。
一太郎さんはガキ大将っぽさが残っていて、どこか東京生まれ東京育ちのとっぽさのようなものがあるのですが、とてもマメで可愛らしい小柄なおじさんです。
一太郎さんの８歳年下の奥様はすらりと長身でたっぱのあるかたで、いつも素敵な北欧的な柄のワンピースかスーツなどを着てピシッとされています。
お似合いのご夫婦ではるちゃんの言葉を借りれば’キャラの立った’素敵な常連のお客様です。
一太郎さん達が行ってらしたお寿司屋さんは握りのみ、20貫で３万円からというとても高級なお店です。
幸運なことに私も行ったことがあるのですが、とてもテンポが良く想像以上に早く食べ終わってしまうので時間で換算するともったいない気がしてしまい、誰かと楽しく談笑しながら行くには向かないお店なのではないかという気がしていました。
一太郎さん夫婦には結婚当初から守ってきた二人のルールがあるそうで、1日の始まりと終わりは必ず二人揃ってお茶をするという習慣があるそうで、食事よりも食後にお茶をする時間を丁寧にとりたいから食事の時間の長短は関係ないのだそうです。
自宅にいる時は毎朝一太郎さんが二人分のコーヒーを入れ、夜外食した時は二人のお気に入りのお店で’エスプレッソを軽く飲んでからシメる’という奥様が決めた決まりごとなのだとか。
どんなに喧嘩をした次の日の朝も愛犬が死んで悲しかった日も一太郎さんは奥様のために毎朝美味しいコーヒーを入れてきたのだとか。
編集者と漫画家という関係だった時代から二人の間にはコーヒーが時間を示す、約束の中心にある存在だったようです。
それは冷めていくことで時間を意識させる存在であったり、注いでから飲み終えるという動作に日常にパンクチュエーションを打つという役割であったり、そして同じ時間を共有しているという証明であり現在進行形の思い出であったり。
ずっと奥様が作ったルールを律儀にきちんと守ってきた一太郎さんはすごいなぁと、さすがに少女漫画の原作者と作画家だけあって、日常はお二人が作る先品と同じくロマンチックだなと感服いたしました。
うめこ
今日の一枚
PEN-EF D.Zuiko 28mm F3.5 / AGFA VISTA PLUS 200
今日の一曲
bloodthirsty butchers – デストロイヤー
今日の一冊
