うめちゃんからの手紙 2018 No.032 きづくことが大事。

うめちゃんからの手紙 2018 No.032

疲れたうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.032

今日はアルバイトのおつかいで川崎まで出かけてきました。
川崎から品川までは京浜東北線で、品川で総武横須賀線に乗り換え家まで戻ってきました。
復路の車中での出来事がきっかけで考え込んでしまい、少し鬱状態に陥ってしまいました。
うつ病の母の姿を見て育ち自分が頑張れば他の人が幸せになれるという考え方、粉骨砕身自己犠牲罪悪感が自分を苦しめるということは重々承知しているのですが…きっかけは今日電車で出会った社会科見学帰りの集団の中にいた中学生の女子生徒でした。

その子はぱっと見で貧困家庭の子だとわかる姿でした。
ボロボロの靴で左右共につま先がほとんど破れてしまっていて靴下が見えている状態、そして口腔崩壊していて痛ましい姿だったのです。
そして同じクラスメートの女子生徒にくらべ頭一個分以上背丈が低くやせ細っていて目がうつろでした。
車内の私以外の乗客も”浮いている”存在だった女子生徒を凝視している人もいました。
女子生徒は社会科見学の冊子に目を落としたり、空をうつろな目で眺めたり、ときどき私に目線を送り申し訳なさそうに微笑んだり、どことなく居心地が悪そうなのでした。
口を閉じていれば乃木坂の生駒ちゃんのようなとても綺麗で可愛らしい顔立ちの子なのですが、親や同行していた担任の注意が及んでいないのかネグレクトされてしまっているのか、存在感を必死に薄めようとしている女子生徒の姿に私は胸が締め付けられ鼓動が早くなり電車の中にいるのがとても辛くなってしまいました。

アルバイトのおつかいを終えバイト先に報告に行き、家に帰った途端涙が止まらなくなってしまい本当にどうしていいのかわからなくなりました。
あの子が将来まっとうな人との出会いで救われて欲しいと本当に願うばかりです。
あの子が通う学校の大人や同級生だって気づいているはずなのだけれど、やってあげたくてもできない葛藤があるのかもしれません。
私がなりたい大人だったらどんな対応をとるべきだったか考えました。
私があの子の境遇だった時自分から助けを求めるのは怖いかもしれない、私が飴を一粒あげるだけでもいいから関西のおばちゃんのように何気なく会話のきっかけを作って話しかけてあげるべきだったかもしれないと自問自答をしました。
でもあの子にもきっと自尊心やプライドもあると思います、中途半端ななさけや正義心は余計傷つけてしまうのかもしれません。同情してしまった時点で見下しているのかもしれません。どんな相手でも向こうの自尊心を傷つけることなく真摯に対しなくてはいけません。
今の私には考えて考えて、それだけで精一杯で答えは出せませんでした。

私の母のうつ病が本当に酷かったときの事を思い出しました。
母のうつ病は完全に完全に完治したというわけでは無いのですが一時に比べるとできる事が多くなったように思います。
症状が酷かったときはお風呂にも自力で入れず歯磨きもできず本当にぐったりと布団から出られずただ父に謝ってばかりだった母の姿を覚えています。
父はタオルで母の体を拭いてあげたり歯磨きを代わりにしてあげたり、足をマッサージしてあげたり、たまえおばちゃんが送ってくれていたマニキュアを塗ってあげたりしていたのでした。
足の爪と手の爪を綺麗に保ち、髪にブラシを通し、歯も虫歯にならないように父がきちんと手入れをしてくれていたた事が今思えばいいきっかけになっていたのかもしれないと思います。
父は「治療はぼくは素人だから先生にまかせて信じるしか無いけれど、髪を綺麗にしてあげたり体を拭いてあげたりは風邪をひいた時とかだって同じことをするわけだし別に苦じゃ無いよ」と私に言ったのでした。
母が「うつ病がひどい時代にうめと画伯とラジオ番組を聴きながら天井を眺めて過ごした日々も今思えば人生の中では素敵で楽しい時間だったと思う、本当につまらない毎日同じことばかり話しているラジオなのだけれど刺激が無い事がありがたかったし、ぼーっとすごすだけの時間も本当に大事だと気づく事ができた」と話してくれた事がありました。
今思えばあの頃のことが母の心に強く残っているようで、それがあって今でも私に時々綺麗なマニキュアを送ってきてくれるのかもしれません。
本当に小さなきっかけかもしれませんがベッドで1日寝ていても父と私が手入れをした爪先が目に入り楽しい気持ちになってくれていたのかもしれません。

気づいてあげること、気づけるようになること 考えるのをやめてしまわないこと、目を背けないこと
私にできることは少ないですが少しずつ考えることは続けていきたいと思いました。

うめこ


今日の一枚

鴨川のカップルみたいな鳩。

GR DIGITAL III

鴨川のカップルみたいな鳩。


今日の一曲

野狐禅 / 自殺志願者が線路に飛び込むスピード(at 札幌 KRAPS HALL)

野狐禅 / 自殺志願者が線路に飛び込むスピード(at 札幌 KRAPS HALL)


今日の一冊

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