画伯の雑記 – 2020年6月19日Olympus XA / Eastman Double-X 5222 (D-76)

たまには手抜きをしたり…

オリンパス XAと手抜きご飯
いつも特に理由なく現像液を20度に揃えて現像していたのですが、最近はめんどくさいので冷蔵庫に保管しておいた現像液で現像しています。
現像前に冷蔵庫から出ししばらく置いて、17度前後の液温で処理しています。
これが功を奏したのか現像時間が多少伸びたことでBromide drag/現像ムラが起きなくなりました。

Bromide drag…

bromide drag 現像ムラの一例

LAB-BOXについて

以前LAB-BOXを買いたいのだけれどどうでしょうか?という質問を受けた事がありますが、やめておいた方が良いと答えました。
単純に価格が高すぎるのと、他のタンクより扱いが難しいからです。
それとLAB-BOXは新発明の新製品ではなく昔から同様のデイライトローディングタンクが売られていて目新しいものではないからです。
実はライカのLeitzからも同様の製品が出ていた事がありLeitz TAHOOという製品名で売られていました。
Leitzのものは1938年ごろに販売開始されていたと古いアクセサリーガイドに記されているので、少なくとも同様の製品は80年以上前からあった事がわかります。
AGFAからはRODINAXという製品名で売られていました。
でも結局デイライトローディングタンクは廃れていったように思います。
ステンレスタンクやパターソンのタンクとの違いは暗室でフィルムを装填しなくてよいということなのですが、それにしてもLAB-BOXの価格は高すぎます。
LAB-BOXもパターソンもヨドバシカメラで売られていますが、新品のパターソンのタンクと現像薬品一式とダークバッグを買った値段よりもLAB-BOXの方が高いです。

決して初心者向けではない

攪拌で気をつける点があり、マニュアルを熟読し正しく扱う必要があります。
せっかくの思い出や自分が良いと思った瞬間を切り取った写真が現像ムラでは悲しすぎます。
液温を変えたり常にリールを回転させる等の工夫で現像ムラを防ぐことはできると思いますが、より低価格の製品で楽できるのに、しなくてよい苦労を高いお金を払って不確実な機材を買う必要はありません。
現像に使う道具はシンプルで部品点数が少ないもの、現像プロセスはシンプルに向かっていった方が失敗が少ない気がします。
シンプルで楽なプロセスは再現性が高く、安定した現像結果が得られるのではないでしょうか。

LAB-BOXはフィルムを全て現像液に浸した状態と半分だけ浸した状態の両方で現像できるとマニュアルには書かれていますが…
薬剤を節約する場合は説明書にも書かれていますが常にクランクを回し続ける必要があり、さらに30秒おきにタンクを左右に傾ける事が推奨されています。

490ml – Full Filled (フィルムが全て薬品に浸かった状態)

Intermittent agitation – 490ml chemical This mode allows the film to be stirred intermittently, however LabBox still requires more frequent agitation compared to normal tanks. It is therefore advisable to continuously agitate for the first 45 seconds and then for 10 seconds every 30 seconds. The agitation must be as vigorous and fast as possible; approximately 3 half turns of knob every 2 seconds. To avoid leaking, keep the amount of chemistry under 500ml. If the tank is full, be careful not to move or tilt it in such a way as to cause leakage.

300ml – Half filled (フィルムが半分だけ薬品に浸かった状態)

Continuous agitation – 300ml chemical This is the recommended method to obtain consistent developing and contrast. Agitation must be continuous by rotating the knob or crank throughout the entire process. Alternating the regularity and speed of agitation is recommended. The development process can be further optimised by tilting the tank from side to side every 30 seconds. Continuous agitation is particularly important and recommended for the developing phase. Continuous agitation is particularly important and recommended over the developing phase.

現像液を全て薬剤に浸した状態でも(LabBox still requires more frequent agitation compared to normal tanks. It is therefore advisable to continuously agitate for the first 45 seconds and then for 10 seconds every 30 seconds. The agitation must be as vigorous and fast as possible; approximately 3 half turns of knob every 2 seconds. )LAB-BOXは通常のタンクより頻繁に攪拌する必要があります。そのため最初の45秒は連続攪拌、その後30秒おきに10秒の攪拌が必要です。できるだけ活発にそして素早くノブを回してください。ノブを回す目安は2秒間にノブを3回、180度回してください。(LAB BOX公式マニュアル37ページより引用。)

現像において攪拌は奥が深いです。
これはLAB-BOXに限ったことではなく他社の製品にも言える事で、攪拌頻度等でコントラスト等の仕上がりが変わってきます。
Broccoli Pressではパターソンのタンクを愛用していますが、このタイプのタンクでも攪拌不足による現像ムラが起きますが防ぐことはできます。

現像タンク内の泡
この写真のように現像タンク内は結構な数の泡が発生します。
倒立攪拌で攪拌終了時に固い机にコツンと置けば泡は移動すると思いますが、タンク据え置きで攪拌スティック等で作業している場合は注意が必要です。(失敗者)

いずれBroccoli Pressの現像失敗集を集めて記事にしようと思っています。
今回前置きが長くなりましたがD-76で複数回現像ムラを発生させてしまった自分への戒めと思いミスをここに記載しました。
D-76を希釈して現像時間を延ばすことも考えましたが、薬品の温度を下げることで現像時間を延ばす事で現像ムラが発生するリスクを抑えました。
20度ちょうどに液温を用意するのが難しかったのでズボラが逆に功を奏しました。
あまりに低すぎる液温は推奨されていませんので気をつけてください。
digital truth photoさんのTime/Temp Converter等を活用してみてください。
液温を変更した場合の現像時間を計算してくれます。
20度で7分かかる現像時間を16度にした場合は10分26秒だよといった具合に教えてくれます。
便利なのが攪拌が常に行われる場合はWill you be agitating constantly? という項目をYESに変更するとそれに応じた現像時間に変換してくれます。
上記のLAB-BOX等で現像液を減らして現像する場合などは参考になるのではないでしょうか。
ちなみに現像液の温度を15度に設定すると現像時間は一応計算されますが*low temperatureと警告が出ます。
使用する薬品にもよるでしょうが、自分は参考にしてあまり低すぎる液温にならないように目安にしています。

LAB-BOXについて少し辛口になりましたが、どこの会社のどの製品を使っても何かしらの現像ミスは発生します。
LAB-BOXが向いている人もいるでしょう、自分の現像スタイルに応じて楽に同じ動作を繰り返し行いやすい製品を探してみてください。


Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222 / 作例 36枚

使用したカメラ:OLYMPUS XA F・ZUIKO 1:2.8 f=35mm
使用したフィルム:Eastman Double-X 5222

D-76 Stock Dev 17°C 9min26sec, Stop Bath 2min , Fixer 6min, Photo Flo (同一現像液で5,6,7本目)

Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222

Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222

Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222

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Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222

Olympus XA / D-76 自家現像 Eastman Double-X 5222

暑くなってきたので意図的に昼夜逆転気味の生活リズムにして涼しい夜と早朝に作業をしたいなぁと思うのですが普通に朝5時頃に目が覚めてしまいます。
夜行性の動物がいるように人間も夜行性でもええやん!と思うのですが自分は学生時代に通学していたリズムが抜けないのか、早朝に目覚めてしまいます。
それでも時々すごく早く眠くなり就寝した日はすごく早くに起きて行動したりします。
午前2時から3時頃に起き軽作業をこなし5時前後に散歩に行くのが気温もちょうど良いですし、人も少なく密を避けられる気がします。
もうすぐ撮りたい植物が咲きます、今年はうまく撮影できるでしょうか。

画伯


今回使用した現像液です。

上記の物以外にも1Lの物も販売されています。
容器の準備のしやすさや計算が簡単なので1Lの物が見つかるようであればそちらをお勧めします。(1Lの物は2020年5月現在ヨドバシカメラで¥642、65ポイント(10%還元))
友人とシェアできる方はガロンタイプ(3.8L用)の方がお値打ちです、処理本数等に応じて計算して選択してください。

今回使用した現像タンク

パターソンの現像タンクが好きで、PTP117、PTP115(2つ)、PTP116と4つ持っています。
35mmが1本だけ現像できる最小サイズのPTP114というものもあるのですが、実用的なのは35mmが2本現像できるサイズのPTP115くらいからだと思います。
1Lで薬品を作られる方はPTP116、35mmが3本もしくは120が2本のタイプがちょうど良いかもしれません。

Copyrighted Image

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