写真が上手なマリーちゃん。常に欠かさずカメラを携行しています。
うめちゃんからの手紙 2019 No.122
ドイツ旅行と銘打っておりますが、スイスとフランスにも立ち寄ります。
今日は旅の1日目、今回の旅のスタート地点で以前にもお世話になったバーゼル市に来ています。
今年も大好きなLa Fourchetteさんでディナーをいただく事ができました。
相変わらずの大人気店でマリーちゃんに予約を1ヶ月以上前に入れておいてもらって助かりました。
午前中はLeiko Ikemuraさんの大型個展を見にバーゼル美術館に行ってきました。9月1日までの会期なのでギリギリでした。
今回のバーゼル滞在の一番の目的はLa Fourchetteさんに立ち寄る事、その次がLeiko Ikemuraさんの個展、そしてfrühlingさんでコーヒーを飲み豆を買ってくることでもありました。
Leiko Ikemuraさんの画集は全て実家にあったので知識はあったのですが、実際に見た作品数は少なく、このように大規模な個展で大量の作品を一度に見れるのは本当に好機でした。
作家の制作の系譜をたどったりキャンバスの細かな処理の違いなどを確認したり勉強になりました。
気づいた事と疑問に思った事があるので日本の絵画教室の先生に帰国してから質問できるようにメモをとりました。
今年はバーゼルに1泊だけしかできないのが心苦しいですが、予定が多く詰まっているため忙しく仕方がありません。
明日はチューリッヒに向かい尊敬しているバリスタさんのお店にコーヒーを飲みに行きます。
そして途中から別行動で私と祖母は保税倉庫と銀行の貸金庫に向かいます。
私と祖母が用事を済ませている間マリーちゃん、はるちゃん、しほりさん、田中さんはチューリッヒの川沿いにあるハウスコンストルクティブ美術館で美術館賞をしながら待っていてもらいます。
スイスで貸し金庫と保税倉庫いうとなんかアンダーグラウンドな響きですが…西秋家のご先祖が集めてきたかなりエッチな春画やその他の絵画のコレクションの一部がスイスに保管してあり、時々確認と出し入れをしています。
ご先祖様でエロ侍と呼ばれていた人がいるのですが、そのエロ侍のお母様も男色春画を中心に美術品蒐集家だったようで、親子揃ってエロエロだなと子孫の私達は時々思い出しては大爆笑しておるのですが、今の時代に真面目に見てみるとなかなかに資料性も高く、むしろ先見の明があったと自慢に思っております。
エロ侍のお母様は息子の大事な刀を質草にお金を借り大量の春画や美術品、根付などをコレクションしたそうです。
エロ侍自体は剣の腕もよく指南役などを務め大変えらい方から刀も頂戴したそうなのですが、その刀すらも質草になっていたというのですからなかなかの親子です。
きちんと刀は流れずに手元に戻ったからよかったのですが、エロへの探究心の歯止めがきかずに偉い方に首をはねられていたら今日私はここにいないわけです。
今回は一部の春画のコンディションの確認と、預けてある魔道書の符丁と日本の魔道書の確認作業があり祖母と私と手分けして頑張ってくるつもりです。
春画の方は管理の行き届いた美術品倉庫なのであまり心配はいらないのですが魔道書の符丁の確認は胃に穴が開くくらい神経の疲れる仕事です。
京都の家に一冊、スイスの魔法専門の貸金庫に一冊、そしてイギリスの荘園に一冊、そしてもう二カ所、合計５つの魔道書を分散して保管しています。
普通に読んでしまうとどの本もデタラメなことしか書かれていないのですが、符丁を覚え正しい読み方をするときちんと文章が成立するようになっています。
あまり詳しくは説明できませんが、今年はスイスの一冊の符丁が必要な年で美術品の確認とあわせて一緒に済ませてこようという事になったわけです。
目を覆いたくなるような過激な作品もありますが、エロ侍以降のご先祖様に理解があり、こうして燃やされたり処分されずに残り今は安全な場所で管理できるようになった事はとても良い事だと思います。
価値観というのは時代毎に大きく変わり、時代毎の価値観の”正義”を振りかざしていたらこの世には何も残らなくなってしまうかもしれません。
時代が時代ならヒュパティアのように女性が科学や哲学を勉強していただけで虐殺されるというおぞましい歴史も事実人類は経てきているのです。
うめこ
今日の一枚
LEICA M Type240 / Canon 50mm f/1.4 ltm
今日の一曲
Dolly Parton – Jolene
今日の一冊
