うめちゃんからの手紙 2018 No.205 ポスピタリティとバイタリティ、家族について。

うめちゃんからの手紙 2018 No.205

釜山に出張中のうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.205

韓国出張より戻ってまいりました。
とりあえず今日は釜山1日目の出来事を手紙に書きます。
今回は父の友人のホンさんに最初から最後まで本当にお世話になりました。
この紙面を借りてお礼を申し上げます。

釜山ビエンナーレの会場が空港から近いということで到着して即、20分後にはアート作品鑑賞を始めていました。
父の友人の方とは私も面識があり過去4回ほど京都を案内したことがあります。
私より二つ年下だという高校生のお嬢さんと一緒に私たちの面倒を初日から最終日まで見てくださりました。
韓国の自動車事情はアメリカと少し似ていて大きな車を元気よく走らせ、ときに荒々しく、ときにクラクションを鳴らしながらを道を譲り合ったりと、ダイナミックな交通事情だなと改めて思いました。
今福親子とマリーちゃんは今回が初の訪韓で少し面食らっている様子でした。
日本では一度も見たことがないのですが韓国では女性専用の駐車エリアというのが設けられています。
父の友人の韓国人女性の方(以後ホンさん)はそれを見るたびに”ブチギレそうになる!”と私に説明してくださりました。
社会的にはエレベーターや出口に近い場所でベビーカーなどの積み下ろしがしやすいように横の車とのスペースを広く設けてあるスペースであると解釈されているそうなのですが…
往往にして女性専用駐車スペースは障害者用スペースの横に設けられているそうで、韓国社会で女性は運転が下手だということでバカにされているのだ!これは私は本当に許せないのだと怒っていらっしゃいました。
娘さんはやれやれと行った感じでニヤついていました。
大阪のおばちゃんに通ずるところがあるのですが、韓国の”おねえさま”も一度話しだすと止まりません。
娘さんは日本語ができないのですがホンさんは日本語も英語も本当に流暢で、娘の手前ということもあったのでしょう、マリーちゃんと英語で話したり、私たちと日本語で話したりと、才色兼備、とても自信に満ちた素敵な女性像を娘に示しているようでもありました。

ビエンナーレの会場を後にし海雲台に向かう車中でホンさんから、15年ほど前に私の父が企画したグループ展で一緒に展示できた事がとてもよかった…「あそこから私の作家としてのキャリアが開かれた気がするのよ、本当に重ね重ねありがとうと日本に帰ったら伝えておいてちょうだいね。」と念押しされました。

アートをたっぷり2時間ほど堪能した後、ホンさんの娘さんがスマートフォンのナビでしっかりとルート計画をしてくださり、日本の私とはるちゃんの職場のマスターから教えていただいたカフェを二軒寄っていただきました。
そしてマスターのところに一時期修行に来ていらしたという、いわば私たちの先輩にあたる方も訪ね韓国のカフェ事情などを教えていただきました。

カフェに車中でナビを操作する娘さんに対しホンさんはしきりに”はぁー最近の子は賢いねぇなんでも電話機でシュッシュって操作して便利に使いこなすものなぁ”と少なくとも10回は娘さんを茶化すような感じで褒めていました。
後で聞いたのですが娘さんは少し前に携帯を落としたか踏んづけたかで壊してしまっていたそうで、つい最近発売された物凄く高いiPhoneをねだられホンさんは渋々買い与えたばかりだったそうです。
釜山の道路は複雑に入り組んでいるため、カーナビなしでの運転はほぼ困難なのではないかと思いました。
細い道や起伏にとみ、釜山という名前からも御察しの通り山だらけの土地のため正確なルートを組み立てることができなければ運転がより困難になるわけです。
そしてソウル市内とは駐車場事情が少し異なるため駐車場を探すのに苦労されているようでした。

夕方五時になろうかというところでようやくホテルに着きチェックインすることができました。
父の友人のホンさんはバイタリティとホスピタリティに溢るるかたで、釜山についた初日だというのにも関わらず大変親切にたくさんの場所に私たちを連れて行ってくださったのでした。
ホンさん親子に感謝の気持ちを伝え父から預かっていたプレゼントや新刊などを手渡し別れました。(ホンさんも酒豪で父や私が訪韓するたびに奈良県の春鹿などの日本酒をプレゼントしています。)
ホンさんから明日は美術館、遊覧船、韓国料理、そしてスパの予定で組んであるから朝10時にロビーで集合ね!と私たちに告げると元気いっぱいに車を駆り走り去って行ったのでした。
私の父とホンさんはとても親しいのですが、娘の私にまでここまで親切にしていただき本当に恐縮するばかりでした。

ホテルでチェックインする際に一悶着ありました。
はるちゃんとはるちゃんのお母様で一部屋、私とマリーちゃんで一部屋という部屋割りだったのですが…はるちゃんが私とマリーちゃんと三人で一部屋がよかったなぁとぼやくと、少しだけ今福親子が口喧嘩をしていました。
私とマリーちゃんは親戚同士なので旅行などで同室になりがちなのですが、はるちゃんもマリーちゃんも等しく私の大事なお友達です。
はるちゃんが友達と一緒の部屋で夜に語らったりしたいと言う気持ちはよくわかるのです。
連帯感的なのも大事なのです。
まぁそんなこともありましたが最終的にうまくまとまりました。

1時間ほど休んだ後、私たちが宿泊した海雲台グランドホテルから歩いて10分ほどの距離にある市場まで韓国料理を夕食に食べに行きました。
ホンさんがおっしゃるには繁華街から離れれば離れていくほど安い店やそこそこいけるお店があるけれど、歩くと疲れるしタクシー代などを考えればホテルのすぐそばの市場で食べておくのが無難だよと事前に教えてくださりました。
ホンさんは毒舌で「観光地なのでそこそこなものしかなくて、本当に美味しいのは私が作る韓国料理よ!後は正直ゴミね!」と笑っていました。
でもこれはホンさんに限った発言ではなく韓国女性は外食はまずい!私が作る料理が一番よ!とおっしゃる方が多い気がします。
自分たちの手料理に自信があるわけです。
今回も自宅に食べにおいでよと誘ってくださっていたのですが、あまり甘えすぎるのもよくないと思い断りました。
観光地の食堂なので味も使用している食材も大差がないのだそうで、やはり便利なとこほど値段が高めで、これはどの国の観光地でも地代と言うことなのだろうなぁと納得いたしました。

市場を10分ほど歩き最も韓国人のお客さんが多いお店を選び入りました。
はるちゃんのお母様が年長者なのですが、なぜか年功序列的ヒエラルキーが崩壊しており、私がはるちゃんのお母様からもリーダーと呼ばれ、”食事の場所を決める大臣”に任命されていたのでした。
1日目の夕飯に選んだお店は可もなく不可もなくでした。
とても美味しかったのですが、どちらかと言うとお酒を飲む客を相手にしているような雰囲気で、おつまみのようなものや、鍋料理であったり、濃いめの味付けの穴子やタコを辛めに調理した料理が売りの食堂でした。
穴子を甘辛く炒めたっぷりの玉ねぎなどと一緒に調理された炒め物はご飯が大変よく進みました。
はるちゃんのお母様はHiteという韓国で最も大衆的なビールと一緒に食事を楽しんでいらっしゃいました。
ビールやお箸、ご飯をください程度の簡単な韓国語を私は話せたのですが、食堂のおばさまから韓国語を勉強して来てくれたんだね、偉いね、キムチをおまけするよと褒められたのでした。
ですがキムチはおかわり自由でどのテーブルでも食べ放題なのでした。
さすがは観光地の食堂、方便も達者です。
韓国はキムチがおかわり自由なお店があるという予備知識はありましたがありがとうございます!とこちらも観光客らしく方便に応じておきました。

韓国を始めアジアの食堂全般に言えることなのですが、本当に活気があり、お店の方のホスピタリティもコテコテでご飯をいただきながら元気もいただけるので本当に楽しく食事をとることができました。

食堂を後にしたあと私たちはホテルまでの帰路の途中にあるemartというコンビニに立ち寄りました。
はるちゃんのお母様が毎晩寝る前にヨーグルトとバナナを食べてから寝ると足がつらないから買っておきたいとのことで私とマリーちゃんもちょっぴり真似をしてバナナ味のヨーグルトドリンクを買いました。
Binggaraeという会社の韓国でも最も消費されていると書かれていたものを買いました。
これが想像していたよりも美味しく大変気に入りました。

同じフロアだったのですがエレベーターホールを真ん中に私たちと今福親子の部屋は左右に隔たれていました。
私がタイツを脱ぎ明日着る服の準備を整えていると部屋のドアがノックされ、誰かと思って覗くとはるちゃんのお母様が立っていました。
はるちゃんのお母様が足に貼ると翌日に疲れを残さないと言うアイテムと入浴剤を私とマリーちゃんにくださいました。
流石に今福親子は気がきくなぁいつも本当にありがたいなぁと感服しました。
私は海外旅行の時も自分の筋力の無さから最小限の荷物しか持っていかないことを心がけているので、このようなグッズを持参し翌日に疲れを残さないようにケアすることなど考えた事もありませんでした。
いずれのケア用品も使い切りタイプなので帰りの荷物にはなりませんし私も次回の旅の時は真似をしようと思いました。

海外旅行先に行くと普段考えていることを現地の事情と対比する事ができ、様々な考え事が加速したり纏まるような気がします。
定期的に違う環境に身を置くことは大事なのだなと実感しました。
両親と以前釜山に来たときの事を思い出したり、今福家、ホンさん両親子を観察し海外旅行先でも家族とは何か、食文化について…日本にいる時と同じことに思慮を巡らし1日目の夜が更けて行ったのでした。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF50mm F1.8 STM

EOS 6D / EF50mm F1.8 STM / 釜山 海雲台区で撮影


今日の一曲

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斉藤和義 歩いて帰ろう


今日の一冊

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