うめちゃんからの手紙 2018 No.136 手話にも大阪弁と京都弁がある。

うめちゃんからの手紙 2018 No.136

おどけるまっちゃんとうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.136

今日は私が尊敬している人の事について書こうと思います。
以前に一度だけキンちゃんの事は触れたと思うのですが、今回はまっちゃんの事について書きます。

まっちゃんが3歳の頃からヒロシがベビーシッターをさせていただいていて、かれこれ2年以上私も仲良くさせていただいています。
ついついまっちゃんの立派な立ち振る舞いを前に私は彼女に敬語で話してしまうことも多々有ります。
まっちゃん自身も子供扱いされる事を嫌いますし、性別を意識しすぎるような発言や政治の話や変にポリティカリコレクトネスに気を使った発言をするとものすごく怒ります。
文章に書いてしまうとすごく気むづかしい子を思い浮かべてしまうのですが、そんなことはありません。
とてもひょうきんでこれぞ関西の女の子!といった感じの元気いっぱいのおしゃべりな5歳児です。
私がどもった時や敬語で話してしまった時は「緊張しすぎやろ〜目の前におるの5歳児やぞー。カープのイケメン選手とちゃうぞー!私もメッセンジャー見た時は今のうめちゃんくらい緊張してデカさにビビってちょっぴり漏らしたけどー」と私をからかいます。
ただ普通の5歳児と違うのは尋常ではないレベルの語彙力とその言葉選びのセンスを兼ね備えた天才詩人と言っても過言ではない頭脳の持ち主ということです。

ベビーシッター終了1時間程前になるとヒロシとまっちゃんは揃って私のアルバイト先にやってきます。
二人でお茶を飲みながらまっちゃんのお母様を待つのです。
お迎えを待つ間私やマスター、はるちゃん、女将さんともよく会話をしてくれます。
いつもは幼稚園であったこと、ヒロシとその日見てきた電車の話、好きな仮面ライダーの話などなど、普通の5歳児と変わりありません。
それでも注意深く彼女の会話を聞いていると彼女が使う単語それぞれの難しさや言い回しの多様さに圧倒されると思います。

まっちゃんはとても素直で真摯な女の子で年齢や性別問わず人と接する事ができる子です。
思慮深くない人が彼女を見ると遠慮がない生意気な子供に写ってしまうかもしれませんが、彼女がすごいなと思えば年下でも年上でも外国人でも”すごいやん!”と口に出して褒めるのです。
初めてマスターにあった時もマスターに「コーヒー入れるのめっちゃ上手やん!いっぱい練習したんやろうねぇ。そら商売やから真剣勝負やもんなーかっこええやん!茶道ならぬコーヒー道やね!」といった具合でした。

今日ははるちゃんが褒められていました。
今週は不思議とニュージーランドやオーストラリアからのお客様が続いて来店され、はるちゃんが英語で接客をしていました。
一通り接客を終えたはるちゃんにまっちゃんが「かっこええやん!英語ができるってええよなぁ。いろんな人の事勉強して仲良くなれるやん!私も英語こっそり勉強してんねんけど、はるちゃんみたいにはよーしゃべらん!耳がええんやろうねぇ、うらやましいわー」と、文字に起こしてしまうとまるでどこかのおばさまにはるちゃんが褒められている光景を思い浮かべてしまいそうになります。

会話が続き、ふとした事からまっちゃんはお母様の事はオカンと呼び、お父様の事はパパと呼んでいるのだとういう事を知りなんか面白いなぁと思いました。
まっちゃんが「パパから教わった手話は大阪弁の手話やねん。一応日本語対応手話もできるけど、ごっちゃになる事がしょっちゅうやから、これで英語も勉強しよーってなるとややこしいわー。だって大事な数字とかでも指の形がちゃうんよ。」と私たちに話してくれました。
まっちゃんのお父様が全聾だという事は存じていたのですが、手話にも関西弁と東京弁があり、さらには京都と大阪の手話の間にも違いがあるのだと今日初めて教わりました。
イギリス英語とアメリカ英語が違うように手話にも国や地域ごとに異なる事は知識として持ち合わせていたのですが、まさか日本国内の手話にも大阪と京都のように隣接した地域でも違いがあるのだという事を新たに知り、新鮮な驚きがありました。

私は英語と日本語しか出来ませんが、まっちゃんは関西弁、東京弁、関西弁の手話、そして東京で使われている手話ができる5歳児なわけです。
すごい、本当にすごいなと驚かされました。
まっちゃんのお父様が口話ができるそうで、初めはまっちゃんも手話を使って話す事はなかったそうですが、まっちゃんらしいノリの良さなのか、手話できたらかっこええやん!と思い立ち一生懸命覚えたのだそうです。
そんな軽いノリで一朝一夕で覚えられるほど簡単だとは思えないのですが、きっとお父さんともっと話したいと強く願うまっちゃんの情熱的な性格が彼女を鼓舞させたのだと思います。
まっちゃんは手話を始め言葉を覚える事、人に気持ちを伝える事、人の気持ちを知ろうと努力する事に本当に貪欲で勉強熱心な人なのだなと改めて圧倒されてしまいました。

少し飛躍しますが…
私が日常で生きづらいなと感じてしまうのも私の吃音と緊張からくるコミュニケーションへの苦手意識から来ています。
そして世界の不協和音の根底にもコミュニケーションの不足があるのではないか?と私は常々思っています。
人を知ろうとする事、相手の気持ちを調べたり察しようとする努力、そして相手に真摯であるという事。
まっちゃんが5歳児だから、子供だからできるというわけでもないと思うのです。
まっちゃんなかに秘められたアガペーのような、愛に満ちた彼女のパワフルさ、素敵だなぁ思います。

私もがんばります。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

The man who would be king – The Libertines (lyrics)

 The Libertines – The man who would be king 

高校の時にすごくよく聴いていたのに曲名が思い出せなかったのですが、Youtubeのおかげで思い出せた。笑


今日の一冊

一昨日買った漫画。

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