うめちゃんからの手紙 2018 No.187 牡蠣について。

うめちゃんからの手紙 2018 No.187

うめちゃん達とジェラート屋さんにやってきた田中さん。ピスタチオ味を食べるのはこの時が初めてだったそう。

うめちゃんからの手紙 2018 No.187

今日はWhistableまでみんなで行ってきました。
WhistableはKent州にあるイギリスの港町で、王室御用達の牡蠣が大変有名な土地です。
2年おきにWhistable Biennaleというアートフェスティバルを催し地域活性化を図っていることでも知られています。
2012年に一度、家族とアートフェスティバルのために行ったことがある街でした。
あいにく今回は会期終了後でしたので純粋に綺麗な町並みを楽しんできました。

実はWhistableを観光するかRyeに撮影旅行に行くかで大変迷いました。
多数決で田中さんと私以外全員がWhistableを希望していました。
早い話がみんな観光は二の次で牡蠣を食べに行きたかったからなのです。
私が行きたかったRyeは全英屈指の歴史を誇る古宿がある街で、とても美しい街なのでそこでみんなを撮影したいなぁと思っていたからです。
Ryeで最も古いとされるマーメードインは1420年に再建されたと言われていて、その前身となる建物はさらに数百年前から建っていたそうです、他にもザ・ジョージ・インなども400年以上の歴史があると言われています。
これぞイギリスといった街並みがしっかりと残っていて、かわいい町並みが有名なので私はどうしても行きたかったのです。
田中さんは牡蠣アレルギーを持っているため牡蠣で有名な街にみんな程はときめきかなかったようです。
私の祖母が牡蠣が好きなので最初にWhistableに行こうと言い出したのは祖母で、私は田中さんが牡蠣を食べられない事を知っていたので代案としてRyeを提案したのでした。
民主主義的に多数決の結果を尊重し、Whistableに行くことにはなりましたが、結果的にWhistableを大いに楽しむことができよかったです。
私は牡蠣アレルギーを有してはおりませんが、フィッシュアンドチップスが食べたかったので田中さんと私はとても大きなフィッシュアンドチップスをお昼にいただきました。
あれだけ生牡蠣が食べたいと言っていた祖母は牡蠣フライとチャウダーを食べていました。
祖父とマリーちゃん、はるちゃんだけが生牡蠣を食べていました。

田中さんは数年前に牡蠣にあたって以来、牡蠣ほど恐ろしいものはないのだと恐れているそうで、来世で生まれ変わる時には牡蠣アレルギーではない体に生まれてきたいとおっしゃっています。
私の身内のたまえおばちゃんも牡蠣アレルギーを持っていて今まで生きてきた中で一番辛かったのは牡蠣にあたり悶えていた入院期間中だと言っていました。
たまえおばちゃんが牡蠣にあたった時はかなり重篤だったそうで手足のしびれや顔面麻痺などの症状も出て、最終的には10kgも体重を落とすほど危険だったそうです。
たまえおばちゃんは子供時代に歩きながらゲームボーイをプレイし転落事故を起こして大怪我をしたこともありますし、双子の出産を昨年されています。
転落事故での入院や出産よりも牡蠣の方が恐ろしかったとおばちゃんは言っていました。
田中さんも高所から転落し入院経験があるそうなのですが、牡蠣にあたった時に比べれば屁のカッパだとおっしゃっていました。
交通事故や出産のほうがとても大変だと思うのですが、私の周りは皆口を揃えて牡蠣ほど恐ろしいものはないと私に言うのです。
私は牡蠣アレルギーではないのですが、周りからあまりに牡蠣にあたることが怖いと聞いているためいつしか牡蠣が畏怖の対象になってしまいました。
私の母も祖母も牡蠣が大好きですが、私と父はそこまでは好きではありません。
落語などでも食にまつわる噺が多いのですが、現実社会においても食にまつわる喜怒哀楽、幸福な経験そして不幸な経験、e.t.c..食にまつわる話題はいつの時代も尽きないようです。

話をWhistableに戻します。
Whistableというのは牡蠣アレルギーを持つ人間にとってはイヤミなほど牡蠣づくしの街です。
牡蠣を販売しているお店がほんとに多い町並みで、海岸に行っても道を歩いていてもそこらじゅうに牡蠣殻が落ちています。
日本橋蛎殻町と姉妹都市になってもいいのではないかと密かに思いました。
こちらのWhistableは現役で牡蠣殻が大量に堆積した海浜あり、写真を見ただけでWhistableと言い当てることができる英国人も多いのではないでしょうか。
私の下宿がある日本橋には漁業や海に由来のある地名がいくつもあり、小舟町、小網町、浜町、そして蛎殻町などがあり海外の港町や市場を歩いていると東京で暮らすはじめおじさんとたまえおばさん、生活圏の友人の事を思い出します。
日本橋室町にある按針通りの由来にもなった三浦按針/ウィリアムアダムスさんの出生の地とされているのもWhistableからもほど近い同じケント州にあるジリンガムだとされています。
もしかしたら来日する前の若かれし頃のウィルアムアダムスさんもお仕事でWhistableに来ていたかもしれませんね。
若干曲解されている感も否めませんが、地元のケント州ではウィリアムアダムスさんを偲ぶ日本祭りが催されています。
(チャイナドレスを着たイギリス人女性がいたりとアジア感ごちゃ混ぜになっているのでちょっと驚きますが…)
ウィリアムアダムスさんの功績は数多く知られていますが、中でも日本で初めて造船ドックを作ったという偉業は語るに足るのではないでしょうか。
少なからずウィリアムアダムスさんのおかげでこうして私たちが今の日本でおいしい食べ物をいただいたり海外からのお洋服を着たりできていると言っても過言ではありません。
日本の食がおいしいのもイギリスのケント州出身の12歳から船大工として働きはじめ生涯貿易や国際交流のために尽力してくださった彼の功績といっても過言ではないのです。

イギリスの港町でフィッシュアンドチップスを食べながら東京の下宿の事を思った1日でした。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM

ベトナムで撮影 EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM


今日の一曲

Noel Gallagher-Wonderwall acoustic Virgin Radio

Noel Gallagher-Wonderwall acoustic Virgin Radio


今日の一冊

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