うめちゃんからの手紙 2018 No.100 夢は夢で、少しだけホッとした。

うめちゃんからの手紙 2018 No.100

フィッシュアンドチップスとマリー。

うめちゃんからの手紙 2018 No.100

今日も朝一番で絵画教室に行ってきたのですが、先生がクッキーやぶどうジュースなどを振舞ってくださっていたので祖母とお昼を食べる約束があったにもかかわらず、断れずに頂いてしまいました。
クッキーとぶどうジュースなんてまるでキリスト教徒みたいやなぁとぼんやり思いながら、結構な量を食べてしまっていました、恥ずかしい。
今日は裸婦デッサンや静物画のデッサンをするのではなく想像力だけで先生が読み上げるものを描いてみようという練習のようなゲームのような授業がありました。
今朝見た夢で絵画教室でヒロシがモデルになるというリアルな夢を見てしまい、現実でも追体験をするのかなと淡い期待のような曖昧な予感があったのですが、やっぱり夢は夢で、現実にヒロシを描く事があるとしたら、彼の毛並みを描くのは大変なのやろうなとも思い少しだけホッとしたのでした。

今日は祖母が京都に帰る日なので発つ前に一緒にお昼を食べ、Bunkamuraで猪熊弦一郎展猫たちも見てきました。
マリーちゃんも誘いました。
祖母が私とマリーちゃんにご馳走してくれたのはフィッシュアンドチップスでした。
祖母もマリーちゃんもイギリス出身です。(マリーちゃんから見て私の祖母は大叔母)
祖母はイギリス生まれのイギリス育ちなのですが、日本で暮らしている年数の方が多く、私の年齢よりも長い期間日本で暮らしているのかと思うと、不思議な感覚を覚えます。
私が生まれるよりも前から日本に住んでいて、京都でイギリス人の祖母が祖父と日本食やらイギリスのビールを飲んだりしていたのです。
私が生まれるよりも前から世界が存在していたのですから当たり前なのですが、この不思議な感覚みなさんにも伝わるでしょうか?
祖母は日本語ペラペラなのですが、来た当初は英語で祖父と会話をしていたそうですが、日本語を話せない祖母の姿を思い浮かべる事ができません。

何も東京でフィッシュアンドチップスを食べなくてもと思ったのですが、とてもおいしいフィッシュアンドチップスでびっくりしました。
三種の魚を使ったもので揚げ方もチップスに使われていたお芋の質もとても良いものでした。
改めてきちんとしたイギリス料理を日本で食べるのも斬新でいい経験になりました。
海外でお寿司を食べると勝率は決して高くはないのですが…ロンドンでもYOSHINOというお寿司屋さんKoyaといううどん屋さんに連れて行ってもらった事があります、そのどちらも本当においしいお店でびっくりした思い出があります。
時にはそういうあべこべも楽しいものです。

おいしいかったなぁとマリーちゃんと頷きながら店を後にし、Bunkamuraまで歩いて向かい猪熊弦一郎さんの企画展を見てきました。
猪熊弦一郎さんが描かれた猫の作品を中心に構成された展示でした。
面白いなと思ったのが途中で猫の絵を描く事止めていた期間があり、その間にどのような作品を描いていたのかがわかるように”猫不在期間”中の絵もきちんと展示されていた事でした。
最初はノートのようなものにインクでスラスラと描かれてらしたのが、途中からすごく真剣に猫を題材に描くようになり、妻の文子さんと一緒に描くようになったり、抽象的に変化を遂げたり、素描に戻ったり、そしてお休みしたり、そしてまた真剣に猫をたくさん描き出したり。
当時の猪熊弦一郎さんの住んでいた場所、東京であったり、マティスに師事していた頃であったり、ニューヨークであったり、その時々の環境や身の回りにいた人の影響を垣間見る事ができプライベートな空間に足を踏み入れたような、猪熊弦一郎の日記を盗み見るような没入感があり楽しい展示でした。
この企画展の画集があれば買いたいと思ったのですが、これぞという画集はなかったので今回はやめておきました。
展示会場で祖母が知らない日本人のおばさまと話していて、少し驚きました。
イギリス人も割と関西人と同じノリで知らない人と会話をすぐ始めますな。
知らないおばさまは「ねぇねぇこの作品版画って書いてあるけど版画に見えないよねー、すごいねー」と娘さんに話しかけていたのですが、
「これは版画紙ですよ。版画用の紙にインクとクレヨンか何かで描いたって意味だと思いますよ。リトグラフでもこんな感じの作品ありますが、画材の名前が書いてあるだけですね。」と私の祖母が代わりに返事をしていました。
その後、祖母は私とまりちゃんが孫と又姪であると紹介していました。
知らないおばさまはBunkamuraにはよく娘さんと二人で来るのだととおっしゃっていて、「今度シアターコクーンでやるニンゲン 御破産も娘と観に来るのよ。松尾スズキさんの。おすすめですよー」と祖母といろいろ会話をしていました。
ハレの日にお出かけする親子といった感じで素敵だなと思いました。
私も母とあーいった感じの事がしてみたいです。

5月にまたやってくるという祖母とまた遊ぼうと約束して見送り、家に帰ってきました。
家庭教師の田中さんがやってくる時間までマリーちゃんと私は私の部屋で昼寝をとりました。
短い昼寝の間で見た夢は、京都へ戻っていく祖母ではなく家庭教師の時間が終わり手を振りながら去っていく田中さんの姿でした。
また来てもいないのに、さよならなんて。

うめこ


今日の進捗

画伯の進捗DAY01


今日の一曲

Gypsy King's Volare' – Live on Terry Wogan show 1989

Gypsy King’s – Volare (Live on Terry Wogan show 1989)


今日の一冊

Copyrighted Image

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。