誕生日のおばちゃんのためにギターを演奏するうめちゃん。
うめちゃんからの手紙 2018 No.086
今日も絵画教室と田中さんの家庭教師の予定が入っていました。
絵画教室が午前中で、家庭教師が午後２時−５時だったので先週よりは楽でした。
先週は絵画教室の後に若干弱音を吐いてしまいましたが…笑
今日はきちんと楽しんでくることができました。
私の悪い癖で勝手にパニックのような逼迫した精神状態になってしまうのは良くないですね。
私の場合遊びで釣りに行っても血眼になって魚が釣れないことを嘆き哀しむ性格なのかもしれません。
釣れないのが当たり前なのが釣りではないですか、魚にしてみれば命がかかっているわけですし。
絵画教室の絵を描くことだってそうです、そんなにぽんぽん名作が描けてしまえば徒弟制度や練習、それこそ連綿たる巨匠たちの功績を否定することなっています。
ただ現代アートにおいては作品を作るという行為はどこか戦略的でもあり、過去の否定という要素があるのも事実です。
海外の美術館では過去には許容されていた作品が現代では非道徳的であったり女性蔑視だと捉えられ壁から降ろされることもあると聞きます。
そして現代に限らず、今巨匠と呼ばれている人達も当時は現代アートであったわけで、そして既成概念や歴史のようなものと対峙し自分たちの価値観を作り上げてきたのではないでしょうか。
結局のところ繰り返されているわけなのやから私のようなヘタッピで世間の美に対する価値観を揺るがすような最前線で戦っているわけではない人間は、己の中の美意識、モノを作り出すという享楽性、そして講評で得られる周りとの関わり会話を楽しんでいたらええのです。
そう自分を思い込ませることで少しは前向きに自分の下手さにも向き合っていけそう。
絵画教室で頭いっぱいになる程考え心を張り詰めさせた後下宿に戻ると、はじめおじさんがとても豪勢なお昼ご飯を作ってくださっていました。
たまえおばちゃんの誕生日だからです。
たまえおばちゃんはご存知の通り超マイペース人間で、自分の誕生日パーティーとはいえ途中で眠りこけ、眠たいからみんな帰れ！と言える人です。
それはすごくいいことです。
なのではじめおじさんはたまえおばちゃんが確実に起きていて機嫌もいいお昼に気合をいれて誕生日の日はご飯を用意するのです。
ほぼ毎週日曜の夜は授乳や家事が終わったらすぐベッドに入りぼーっとたまった録画を消化するのがたまえおばちゃんにとっての至福のひと時なのです。出産後の退院直後に家に戻ってきてし一番最初に取った行動もテレビの録画が全部ミスなく行えていたかの確認でした。
いつも通りテレビを見る＞誕生日のお祝い。
マリーちゃんにも似たところがあって、これは少し勇気がありますが私も見習おうとしているところです。
たまえおばちゃんにとってはテレビを誰だらみるという行為で心を整える、メディテーションのような役割をになった大事な行為なのです。
はるちゃんにとってのそば打ちであったり、はじめおじさんのレシピを水彩画で描く行為であったり、私にとっての作文であったり。
たまえおばちゃんと私の母は双子なので、母の誕生日でもあるわけですが、私の母は大変生真面目な性格で、それもあって心を病んでしまったのかもしれませんが、子供の頃から自分の誕生日パーティーであっても来客者にすべて手書きでお礼状を書き、プレゼントのお返しを用意し、玄関で最後まで頭を下げていたり手を振っていたりと、頑張りすぎで極度に真面目な人だったそうです。
今年は自宅で父と祖父母とだけ過ごすとの事でしたが、例年までは父と二人きりで旅行にいったり、はるちゃんのお母様や富田先輩が旅行に誘ってくださり母が気疲れしないように気を配ってくださっていたようです。
人間誰しも自分のお肌の調子や体の具合には気をくばるのに、心に関しては疎かであったりします。
心も体やお肌のように疲れて荒れて、ボロボロにもなるのです。
なのでしんどいなぁって心がなってしまうよりももっとまえに心を休めなければいけません。
たまえおばちゃんの言葉を借りるならば「がんばらなくていい事はがんばらないのだ！がんばらなければいけないことはそうそうない！」、これに尽きます。
たまえおばちゃんが「ちらし寿司を食べたい！」となぜかとてもピンポイントな寝言を今朝言っていたそうで、たまえおばちゃんの誕生日ランチはちらし寿司でした。
たまえおばちゃんは本当はカオマンガイやエビトーストといったタイ料理的なものが食べたかったみたいですが、豪勢なちらし寿司を前にまんざらでもない様子でした。（はじめおじさんの作ってくれるエビトーストはピカイチです）
お昼を食べた後私は台所をなおし、机を綺麗に磨き、マリーちゃんと田中さんがやってくるのを待ちました。
お勉強の間の休憩時間に残っていた誕生日ケーキをみんなで食べ、田中さんはあまりの美味しさに驚き、「すごいなぁこんなに美味しいケーキが日常になっているうめちゃんはうらやましいなぁ」と言いました。
当たり前にはなっていませんよ。笑
私もはじめおじさんがケーキを作ってくださるたびにどうしてこうも美味しいケーキをおじさんは作ることができるのだと打ちのめされています。
私も時間があるときははじめおじさんがケーキを作っていらっしゃる姿を一挙手一投足、はじめおじさんの服に穴が開くくらい真剣な眼差しで観察しているのですが…私にはまだはじめおじさんのケーキが美味しい秘密はわかりません。
楽しい日曜日でしたよ。
母と父と楽しい日曜日を過ごしていたらいいな。
うめこ
今日の一枚 – アーカイブス
Nikon FGとAi Nikkor 50mm F1.4S / FUJI C20
今日の一曲
Marilyn Monroe – Happy Birthday Mr.President
