うめちゃんからの手紙 2018 No.076 一太郎さんが見たかったのは…

うめちゃんからの手紙 2018 No.076

愛用の万年筆でかきものをするうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.076

今日も肌寒さを感じる1日でした。
先日も桜がちらほらと咲き始めているのに雪が降ったりとしばらくは自律神経が疲れてしまいそうな日が続きそうですね。
一昨日お伝えした通りパソコンに慣れるため使う時間を少しずつ増やしています。
特にかっこいいことは何一つしていないのですがウェブブラウザーでNPRのホームページをよく閲覧しています。
(私にとってかっこいいパソコンの使い方とは、DTPというやつで本を作ったりブログなどでエッセーを公開する技術を有する仕事先の上司や友人たちのスキルフルな活用法のソレです。)

NPRというのはナショナル・パブリック・ラジオの略で、アメリカにおける非営利の公共放送のような立ち位置のラジオネットワークです。
このラジオ局が素晴らしいのは数多くのミュージシャンを局のオフィスに招きTiny Desk Concertシリーズとして無料で公開していることです。
このシリーズの中にはPixies、Death Cab For Cutie(Ben Gibbardの単独での出演もバンドとしても)、そしてSmashing PumpkinsのボーカルだったBilly Corgan、そして忘れてはいけないのが私が昨年マリーちゃんとはるちゃんと3人で渋谷のWWWxまで見に行ったNonameさん、一番最近では日本から小山田圭吾さんのコーネリアスも招聘されています。1)
先月の初めに初来日で渋谷のWWWでパフォーマンスをしたSuperorganismもKexpでライブをしていたりします。(私が今超大好きなバンドでオススメです。)
NPRは全米以外でもすごい視聴率を誇りKEXP-FMなどと並び音楽好きには必聴の情報源です。

NPR公式ホームページとYoutube上では公開情報に違いがあり、前述したコーネリアスの演奏もYoutube上のチャンネルでは現時点ではまだ公開されていません。
NPRのバンドを紹介する文章はとても簡潔なのですが洗練されていて、英語学習をする人のReading学習用にもオススメの教材といえます。
アートや音楽について書かれている英語の文章をできるだけ読むように心がけています。
文章表現やボキャブラリーを養うのに役に立つ気がするからです。
個人的に最もよく聞いているのはBBC Radio2のオンラインラジオです。
私はイギリス英語で育ってきたので最も耳馴染みのある発音でリスニング力が衰えないようにキャリブレーションの目的も兼ねてよく聞いています。
友人などに英語学習に良い海外のラジオはどこかと尋ねられた時はBBCをオススメしています。

今日はカフェの方でお仕事をしてきました。
ここ最近は焙煎工場と美術品販売、外商で女将さんにつきっきりで勉強させていただきながらお仕事をしてきたのですが、久しぶりにカフェでお客様と向きあってしてコーヒーを淹れてきました。
今週と来週ははるちゃんが女将さんについて仕事を学ぶようです。

店頭に立つと一太郎さんやキンちゃんなどの名物常連客の皆様、そして癒し系マスターと一緒に時間を過ごすことができるのでとても楽しいのです。
一太郎さんもマスターも私やはるちゃんを娘のようにとても可愛がってくださり褒めてくださるので学校がしんどかった日もアルバイト先で癒されいい気分で1日を終えることができている気がします。
今日はそんな一太郎さんにすごく驚かれ褒められた日でした。
一太郎さんが何十年も前に見た映画のタイトルが思い出せないという話をマスターとされていました。
一太郎さんが話していたあらすじと出演者などのキーワードなどからピンとくるものがあり、私はすかさずそれは小沢昭一さんが出演されていた「大出世物語」ですねと口を開いたところ、大変驚いた表情で一太郎さんから感謝をされてしまいました。

「大出世物語」という映画は祖父母がとても好きで私も幼少期から今日まで何度も見たことがある映画です。
性善説の上に成り立っているストーリーで、ものすごく悪い人というのは出てこず、悪役の人もどこか憎めず、ユーモアを交えコミカルなのだけれど辛辣さもあり、それでいて最後には人間捨てたもんじゃないなとうまくまとめる、これぞ日本映画といった感じのお話です。
すごく貧しいと思われていた人が実は株や蓄財などの先見の明があり、自分を疎ましく扱ってきた人や意地悪をしてきた人達までも救うという仏教の講話のようなお話でもあります。
この手のモチーフは唐代伝奇の杜子春伝を元に書かれた芥川龍之介の杜子春をはじめ、有名な落語の芝浜にも同じようなジョーゼフ・キャンベルの神話の大系で紹介されていた例に当てはめる事が出来そうな、そんな普遍的な物です。
お金を中心に喜怒哀楽が左右され物語が展開していく、時にそれは若者の恋路にまで及ぶのやけれど、最終的には性善説を元に正しい判断を下し終盤に上手くまとまるという流れです。

経済の速さ、世相の厳しさ、そして感情の切り替えを猛スピードで行うことが求められる現代だからこそ「大出世物語」のような作品が重要になり、再評価されてもいいのではないかと私は思います。

素敵な音楽や映画に皆様も出会えますように。

うめこ


今日の一枚

sabi

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Billy Corgan: NPR Music Tiny Desk Concert

Billy Corgan: NPR Music Tiny Desk Concert


今日の一冊

References

References
1 こちらからどうぞ。今月の19日に公式サイト上で公開されたばかりです。

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