うめちゃんからの手紙 2018 No.064 雨の中アートフェアへ。

うめちゃんからの手紙 2018 No.064

いとこの歌子ちゃんと文子ちゃんの子守をするうめこねえちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.064

今日はアルバイト先の女将さんのご好意で職場のみんなで3331で開催されているアートフェアを見てきました。
みんなで計画していた南方熊楠展を社員研修を兼ねて見に行こうという計画が天候やシフトの関係で都合がつかず流れてしまっていたので、せっかく今日は職場に全員揃っていることやし、職場からも3331は歩いてすぐという事で社員研修として行ってまいりました。
女将さんはプラベートでも銅版画を趣味でされていて、版画作品の展示がある際は見に行ってらしたり神保町の文房堂で銅版画の画材を買われたりされています。
今日は仕事場のカフェは5時で閉店でしたが、マスターは職場に残り常連のキンちゃんとビールを飲みながらレコードを聴いて語り合うということで女子ばかりで鑑賞してきました。

女将さんと美術鑑賞をするのはすごく好きです。
私の勤め先の研修で私が最も好きなのが美術館や博物館に行き女将さんからトリビアを聞いたり、私やはるちゃんとみんなでいろいろな議論をしながら見て回り、最後にカフェで語り込むのがすごく好きです。
私の職場は料理や食品関連の映画がUPLINKで上映されているときはほぼ毎回見に行く様に習慣になっているのですが、実は私は映画館に行くと猛烈な眠気に襲われてしまうのでちょっぴり苦手なのは秘密です。

さて3331のアートフェアを見て回っていたら女将さんがすごく買いたいという版画作品がありました。
ただ女将さんがいろいろ見たところ作品のエディション数などが書かれておらず見送りました。
しっかりとした額装もされており減価償却できる価格内で販売されていたので会社の経費の範囲内で買うこともできますし、額装済みなのですぐ壁に飾れいい作品だなぁとみんなで話していたのでちょっぴり残念だなぁとは思いました。
でも女将さんの買い物です、私が口出す権利はありません。

女将さんは好きな絵や版画を買っているのであって投資目的では無いとおっしゃっています。
なのでエディション数をはじめA.P.やT.P.をそこまで気にしなくてもいいと言えばいいのですが、それでもどんな価格帯の作品であれエディション数がきちんと管理されている作品を買う方が正しいのも事実です。
簡単に説明するとA.P.というのはアーティストプルーフと呼ばれるもので一般的には出回らずアーティストだけが持っているというパターンが多いです。T.P.というのはトライアルプルーフ、すなわちテスト刷りのプリントを意味しています。A.P.とT.P.は版画作家が利用した版画工房の職人さんに寄贈されることはありますが、一般的にはあまりそれ自体を作品として販売しないという考え方なのですが、アートフェアや個展などで現役の作家さんでも販売されていることが稀にあります。
女将さん自身も趣味銅版画をされ作品の販売をしているのでそういうところが気になって購入を見送ったのだと思います。

写真の場合も同様でエディション数というのは作品を購入する際にはとても大事です。
「30部しかプリントしないのでこの価格、限定です!」という触れ込みで売られていたはずが時間を置き「幻のネガが見つかり復刻!」みたいなのもあり得る話なのでデリケートでもあります。
某海洋生物を鮮やかに描くことで有名なハワイ在住のアーティストのシルクスクリーン作品やジークリープリントのがやたらめったら日本の都市の各地で売られているあれと根本的には同じ気がします。
ブライアン・ダフィーという写真家は写真家としてのキャリアを停止した際にネガをすべて燃やしたことで知られています。(のちに息子さんが燃やされなかったネガを見つけてはいますが…)
写真家の中には決まったプリント数を作ったらネガを処分してしまう人もいます。
対照的なのは、ヴィヴィアンマイヤーの場合は大量のネガだけを残し本人はもう亡くなられていて、作品だけが死後に有名になったというパターンが近年では有名です。
ヴィヴィアンマイヤーの場合はオークションで映像作家の方が大量にネガを落札し…話が長くなるのですがアメリカの場合はネガを落札し所有権は保有していても著作権はまた別と考えられる等で、遺書などがなかったため誰に著作権が帰属するかで2017年11月の段階でもまだもめていたようです。(簡潔に説明しますと…ヴィヴィアンマイヤーを探してという映画を撮られた
ジョン・マルーフさんと共同で働いていた Jeffrey Goldsteinさんというかたがイリノイ州にあるクック郡という自治体から訴えられている状況です。なぜかというとヴィヴィアンマイヤーさんの消息不明とされる弟の存在がありその方がまだ生きていると仮定し100歳に達するとされる年までは保留し、子供の存在も追加調査し遺産の所有権を明らかにする期間が必要であると訴えたからです。)

また今日も話が脱線してしまいました…

3331の順路でいうと一番最初に入るフロアで展示されていた経塚真代先生の作品をまた見ることができて本当に良かったです。
はるちゃんもこの先生の作品が好きでいつか買いたいなぁと漏らしていました。
理屈抜きにいい作品ですし、見ていて楽しく、心に語りかけてくるような力がある作品です。
私の両親も大好きでコレクションしている作家先生です。

個人的には川久保ジョイさんの作品がとても力強く、良かったなと思いました。
昨年の横浜トリエンナーレの時もすごく強い作品を展示されていてとても記憶に残っています。
今振り返ってみると昨年の横浜トリエンナーレは私が好きな畠山直哉さんの写真や小西紀行の油絵、そして川久保ジョイさんの作品を見ることができたのでとても楽しかったなぁという思いがこみ上げてきました。

明日はアートフェア東京に向かいます。
午前中に用事を済ませ、築地で合流し本種でお寿司を食べてから有楽町へ向かう予定です。
ワクワクです。

アートフェアを見た後は私は家に帰ってきて双子のベビーシッターをする予定です。
今の所はじめおじさんが料理を自宅で作りみんなと家でワイワイしたいと言っているので外食はしないかもしれません。
私はヒロシと子守をしながら過ごす時間が好きなのでたまにはみんなで食事に行ってこればいいのになとは思っています。

私に気を使うことは無いんやで。

うめこでした。


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