うめちゃんからの手紙 2017 No.189 名古屋の喫茶店の素晴らしさ。

うめちゃんからの手紙 2017 No.189

もっともっと勉強しなきゃなって圧倒されたうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2017 No.189

今日はアルバイト先でコーヒーの勉強会がありました。

お店を1時間早く閉め、マスターと女将さんが名古屋の喫茶店の視察に行ってきた際に買ってきた豆を使って入れたコーヒーを飲みながらいろいろなお話を写真と一緒に聞かせくださいました。
かなり衝撃を受けました。
名古屋と京都の喫茶店はレベルが高いといろいろな人たちから話を伺っていて、京都の喫茶店は身近だったのですが、名古屋の喫茶店文化は素直にすごいなと新たな驚きでいっぱいでした。

マスターと女将さんが視察をしてきた喫茶店は、

  • 喫茶ボンボン (1949年創業 名古屋の喫茶店に疎い私も甲斐みのりさんの本で以前から知っていた有名店)
  • ダイヤコーヒー (創業年は未確認、創業は古く焙煎専門店として始まり、途中で店内で珈琲も飲めるように営業形態が変わったそう。)
  • カフェボンタイン (1948年創業 豆の卸とカフェ数店舗の経営の両方をされているお店。)
  • コンパル (1947年創業 喫茶店の教科書があれば必ず載るであろうと言われているサンドイッチが有名な伝説的なお店)
  • 西原珈琲 (1987年創業 上記の他の店に比べれば若いが、スペシャリティー珈琲がハンドドリップでいただける通好みの店)

以上の5店です。

以前から母や喫茶店に詳しい方たちから名前を聞いた事がある店舗もいくつかあります。
合計5つお店を見せていただき、どのお店も本当に素晴らしく行ってみたいと思ったのですが、その中でも一番衝撃を受けたのはダイヤコーヒーさんでした。
マスターと女将さんが撮影してきた古い焙煎機や店内の壁側に高く積まれた生豆の入ったコーヒー袋の様子の写真などを交えながら解説していただきました。
サードウェーブコーヒーという言葉が生まれるよりも、カフェという言葉が日本人の耳馴染みになるより遥か昔から実直にコンピュータライズドされていない質実剛健な機械で焙煎しなおかつ東京の半額の値段で提供しているという事実に本当に驚きました。
日々の研鑽と知識の蓄積、失敗と実験、そして几帳面に記録をつけながら使い続けないと扱うのが難しい古い焙煎機です。
小倉トーストなどとセットになったモーニングサービスの価格も350円と破格で驚いたのですが、自家焙煎したコーヒーがなんと300円から提供されているそうです。
もともと焙煎だけを行い他の喫茶店に豆を下す専門店だったそうなのですが、途中から飲食ができる店舗に形態がかわったそうです。
地元の昭和32年創業の本間パンという地場の食パンがモーニングセットの小倉トーストに使われていたそうです。

いろいろなお店を見てきたマスターにも目からウロコの発見がかなり多く本当に勉強になったと興奮していました。

女将さんに見せていただいた写真で見る店内の様子は本当に簡素で、洒落っ気も全くないのですが高く積まれた生豆の入った袋や、店内の大部分を占める大型焙煎機とそれに付随する排気や配管などの設備、価格からは考えられない質とボリュームなど本当に謙虚で地域に密着してお客様本位で頑張っているお店なのだなと思いました。
洒落た調度品や聞いたことあるデザイナーの意匠が凝らされた家具や内装のお店も多く、横文字の多いお店がもてはやされがちな昨今ですが、マスターと奥様に見せていただいたダイヤコーヒーは本当にピュアに喫茶店像を極めていた頂にいるお店という印象をもちました。

名古屋に行く時間を必ず作り絶対にコーヒーを飲みに行きたいと思いました。
ドイツで私たちが夏に立ち寄ったカフェにも似ていて、真面目で実直なお店が地元の人に認められ、小商いが成り立つ風土が羨ましいなとも多いました。

都内では常に新規開業するカフェが多く、知らない駅などで降りてみても新しい自家焙煎やスペシャリティーコーヒー専門店に出会う事が多いのですが、実情は経営母体が大きな会社だったり、もともと同業をしていた会社がリパッケージングしただけだったり、大手グループがコンサルティングから豆の供給までもしているお店も多く、小商いで喫茶店をやっていくには少し厳しいかもしれないなと寂しさ感じていました。

名古屋の経済規模は東京に比べれば小さいでしょうし地価などもだいぶ異なるとは思います、それでも人の通行量や人口などを加味すると、名古屋が賃料や賃金などが異なるとはいえ商売は決して東京より簡単なはずではないのです。

以前聞いた話では東京23区は10分歩けば必ずどこかしらの鉄道の駅にたどり着く事ができるのだそうです。
言い換えればどこでも駅から徒歩10分の店舗になるわけです。

都内は徒歩10分圏内で見てみた場合、本当に多くの喫茶店があると思うのですが、個人経営の喫茶店の比率やそれらのお店がどれくらい続いているかと考えてみた場合難しいと言わざるおえません。
マスター曰く、名古屋にもチェーン店が進出しているそうなのですが、それでも他の都道府県に比べ比較的個人経営の喫茶店が健闘している地域だそうです。
ドイツやイギリスなどのヨーロッパでもまだ個人経営のお店が頑張っています。
これからも名古屋や京都の喫茶店の素敵なお店が残って行って欲しいなと強く願っています。

本当に楽しい勉強会でした。

うめこ


今日のリファレンス

甲斐みのりさんが喫茶ボンボンのお菓子などについてRoomieで紹介してくださっています。

甲斐みのりさんが喫茶ボンボンについてお書きになられています。


今日の一曲

キリンジ – エイリアンズ

キリンジ – エイリアンズ


今日のフォトアーカイブ-ダイアコーヒー

名古屋出張時に撮影してきたダイアコーヒーさんです。

いつか名古屋の喫茶店についてもきちんと書こうと思います。

画伯

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