常連客の一太郎さん。
うめちゃんからの手紙 2018
今日はすごい大雪でした。
学校がいつもより早くお昼過ぎには終わりましたが、アルバイトには出勤してきました。
学校のお昼休みの時にはるちゃんの携帯にアルバイト先のおかみさんから「今日は雪ひどいから来なくても大丈夫、もし来てくれても４時半までにはお店閉めちゃう予定だよ」と連絡がありました。
あまりの大雪だったのではるちゃんが家まで帰るのは大変だろうし混雑が予想されたので私の下宿に泊まりにおいでよという連絡がほぼ同じタイミングでたまえおばちゃんからありました。
高校一年の時も天候不順の時にはるちゃんが私の下宿に泊まっていった事がありました。
はるちゃんのお母様にはもう連絡をしてくれていたようでした。
学校の帰りにはるちゃんと秋葉原のトリムに寄りMUJIとユニクロで着替えをはるちゃんは買いました。
下着を見ている時はるちゃんが「ミリタリー柄の下着ってあるけど、下着姿で戦場にいる状況になったら迷彩柄だったとしてもかなりアウトだよね」とぼそりというものやから私は笑ってしまいました。
はるちゃんのシュールな笑いのセンスはかなり好き。
買い物の後、私の下宿にいったん戻り私はゴアテックスで身を固め、はるちゃんもたまえおばちゃんから借りたゴアテックスに身を包み久しぶりにホウキで飛んでアルバイト先に向かいました。
アルバイト先に着くとずっと会いたいなぁと思っていた常連の一太郎さんが鼻を真っ赤にして私とはるちゃんの出勤を待っていてくれました。
年始から奥様が風邪をひいていたそうでしばらく会えていなかったのです。
一太郎さんの事を一度も書いた事がなかったので今日は少し一太郎さんの事を書きます。
一太郎さんは少女漫画雑誌の編集部にもともとお勤めされていた編集者の方で現在は作家をされている常連さんです。
夫婦で活動されていて、奥さんが作画を担当する少女漫画と恋愛漫画の原作者をされています。
割と癖の強い見た目の方ですが物腰や語り口は癖がなくやらかく優しい方で、カメラが趣味なので以前からライカの事をよく一緒に話していた常連さんです。
一太郎さんは365日、どんなに寒くても暑くても半袖のTシャツに日本ハムの野球帽という出で立ち。
反対に奥様は漫画家さんですが家でも365日スーツを着て作画を担当しているという面白い夫婦です。（画家のルネマグリットさんも自宅でスーツを着て絵を描いていたというエピソードが確かありましたよね。）
作画作業中にインクなどで汚れそうな奥様がスーツで、今でも鉛筆で原稿用紙に書いていくスタイルの一太郎さんが服が汚れる事を気にしている、なんだかあべこべな感じも好きです。
そんな一太郎さんですが腰痛持ち以外はいたって健康で風邪はサラリーマンになった年からフリーランスになるまで一度もひいていないのだとか。
今日は大雪でさすがに寒かったからか、半袖姿には変わりありませんでしたが大判のマフラーをしていました。
はるちゃんが一番最初に一太郎さんのお仕事を知った際に、自分が知っている漫画の原作者だという事を知った驚きと”中の人”がおじさんだった事にとても驚いていました。
はるちゃんはいわゆる枯れ専でおじさんが好きなのですが、自分が好きな漫画家さんが自分の働く喫茶店の常連客のおじさんだった事は想定外だったそうです。
立原あゆみ先生、山田也先生など男性作家が描いてらっしゃる少女漫画もあるのですが、一太郎さんは夫婦で漫画を作られていて”ユニット名？”のようなペンネームだったため愛読者だったはるちゃんでも分からなかったのだとか。
一太郎さんが奥様とコーヒーを飲みに来てくださる時は決まってバニラアイスクリームが乗ったブルーベリーパイとハンドドリップのコーヒー、そしてカフェオレを奥様に注文してくださります。
そして一太郎さんはブルーベリーパイを食べる奥様を頷きながらいつも見つめています。
一太郎さんが編集者だった時も同じメニューを同じ場所で、奥様が持ってきたネームを見ながら二人で打ち合わせをしていたそうで、その時もネームを見ながら頷いてニコニコしていたそうです。
今は奥様がスーツを着て一太郎さんがTシャツ姿なので奥様が編集者のような立場が逆になったようにも見えます。
可愛らしい夫婦だなぁといつも私は思うのでした。
胸がきゅんとする漫画を作っている二人のブルーベリーパイを仲良く分ける姿が何よりも私をきゅんとさせるのでした。
うめこ
今日の一枚
味噌だれで大根やこんにゃくをよく食べるようになりました。
今日の一曲
Norah Jones – Painter Song (Live in New Orleans)
今日の一冊
