うめちゃんからの手紙 2017 No.119

元祖めがねおばぁちゃんの空に浮いている島はフランクフルトから250km程離れた場所にあります。
浮島とフランクフルンの間くらいの場所にカッセルという町があり、現在アートフェスティバルが開催されています。
祖母が日本で若い作家を支援するお仕事をしている事もあり祖母は私やマリちゃんとはるちゃんにもアートに触れる機会を増やして欲しいとの事で今日は祖母にカッセルに連れてきてもらいました。
カッセルで行なわれているドクメンタというアートフェスティバルは5年おきに開催されているそうで、祖母は今回が8回目だそうです。

日本を発つ前になんとなくドイツの空や街の色は日本と違う気がするなと思い今回の旅行にはカラーフイルムだけを持ってきました。結論から言えば大正解でした。
今の所快晴続きで毎日35度前後、これ以上青い空はないのではないかと思えるくらい濃厚な青、1年分の光合成をしてやろうと張り切っているのではないかと思えるほど元気に生い茂る緑達。
真っ赤に日焼けするマリちゃんの腕、珍しいものばかりで終始ニコニコしているはるちゃんの日焼けした笑顔。
これぞ夏という写真が撮れていると思います。日本に帰ってからの現像が待ちどおしい。

ドイツ旅行には祖父から貰った50mmのレンズと28mmのレンズを持ってきています。28mmのレンズが少し曲者で、カメラ本体のファインダーからは視野のすべてを見る事ができません。祖父がフラッシュを乗せるところに差し込む代わりのファインダーもセットでくれたのですが、旅行中に紛失する事を恐れ日本においてきました。だいたいこれくらい写るかな?という勘ですべて写しています。
ピントは大きく外していない自信があります、このレンズで撮った写真も現像してみるまでわからないお楽しみです。
ヒロシが持っているコンパクトカメラのレンズが同じく28mmなので時たまファインダーを覗かせてもらい画角を確かめているので多分大丈夫だと思います。

たくさんのアート作品を1日で見て回ったので頭が破裂してしまいそうになりましたが、わからない事は祖母が丁寧にいろいろと教えてくれたのでとても楽しかったです。祖母はやっぱりずっと先生をやっているので人に物を教えるのが上手です。いつの間にかマリちゃんもはるちゃんも、ヒロシまで祖母の事を先生先生!と熱心に呼び教えを請うのでした。

インスタレーション作品の見方や楽しみ方というのが今までいまいちわからなかったのですが祖母の解説のおかげもあり少しだけ理解が進んだ気がします。

アートに元々強い興味を持っているはるちゃんは祖母に「本当に貴重な体験ができましたありがとうございました」と言っていました。祖母は感謝されるとすごく照れていました。祖母も「学校では一生懸命教えてもありがとうと言ってくれる魔女の生徒は少ないから久しぶりにこの嬉しい気持ちを思い出したよ、こちらこそこんなオバァちゃんと一緒に周ってくれてありがとう」とはるちゃんに言っていました。2人の姿をみて私もほっこりしました。

マリちゃんも楽しんでいたみたいなのですが好きな作家さんなのかきになる作品なのか、名前などが書かれたキャプションをメモするのにとても忙しそうでした。マリちゃんはゆっくり丁寧にキャプションを読みながら鑑賞するスタイル。ヒロシとはるちゃんはあまりキャプションは読まず作品をいろんなところからぐるぐる回ってみるスタイルでした。

私も祖母みたいにアートとかいろんな事詳しくなりたいなぁと思いました。
かっちょいいおばぁちゃんになりたいなと強く思ったアート鑑賞日でした。
祖母はかっこいいとも言われるし可愛いとも言われるし、私が尊敬している魔女です。
私は欲張りなのでかっこいいと言われたいし、可愛いとも言われたいのです。

うめこ

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