うめちゃんからの手紙 2020 No.059 春宵一刻値千金、夏の夜も万金に値する。

うめちゃんからの手紙 2020 No.059

夏のうめちゃん。帽子は大事です!

うめちゃんからの手紙 2020 No.059

職場で出しているZINEの原稿がちょっぴり遅れていて今晩は一生懸命原稿を進めました。
コロナ禍ですが学校もお仕事も普通にあるのに心と体は疲れていてきつい事この上ありません。
例年通りですと既に夏休みに入りイギリスで過ごしているのですが、今夏はコロナ禍で休校になっていた期間の学校の予定がずれ込み大変です。

文句ばかり言ってはいられませんし自分自身のためでもあるので頑張って原稿をやりました。
今回は韓愈さんの醉後という漢詩と吉澤嘉代子さんの残ってるについて書きました。

韓愈 酔後

煌煌東方星 奈此衆客酔
初喧或忿爭 中静雜嘲戯
淋漓身上衣 蘇倒筆下字
人生如此少 酒購且勤置

コロナ禍だからこそと思い韓愈さんの酔後を取り上げました。
韓愈さんの時代ですから酔後の東方の星が煌煌としていた時間帯は現代を生きる私たちが思うよりもまだ早い時刻かもしれない、まだまだ宴は続くそんな雰囲気があります。
そして吉澤嘉代子さんの詞の世界はもう少し夜明け寸前の雰囲気があるなぁとぼんやり考えたり、そんなことを今回はZINEに書きました。

私が生まれる前、両親が夜の京都の街をよく二人で歩いていた話を聞かされて育ちました。
魔物や妖怪が出たという類のものから、気持ちよく酔った話、みよしまでラーメンを食べにいく道中なぜか迷子になり蚊に刺されまくった夜、泥酔した母をおんぶして帰った父の思い出。
イギリスから日本に嫁いできた祖母が京都の町ほど散歩と酔うのに楽しい街はない、歩く事、人と食事を楽しみ語らう事、こんなに楽しい事はないと言っていた事も思い出します。
祖母が日本で暮らし始めてからの日々はエッセーであったりラジオのトークで何度も語られていて多くがきちんと記録に残っています。
機会を見つけて皆様と共有したいと考えています。
どこかで蘇軾さんの春夜のような、世界観があり魅了されます。

蘇軾 春夜

春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈

うんじゅう年前にイギリスから日本に嫁いできた祖母です、異なる生活様式やしきたり、大変に苦労した事でしょう。
その中でたまの祖父との休日、そして外食に出た夜はとても楽しかったに違いありません。

酣中において私はどの目線で、どの役割を楽しむのだろうか、そんな事も考えます。
なんとなく私はお気に入りの服にお酒をひっかけられしょんぼりする、そんなついていない自分を思い浮かべてしまったりもします。
これからの時代、人が集まり飲めや歌えやで明日への不安を微塵も感じずに夜を楽しめる日はまたくるのでしょうか。
私にはわかりません。
もう来ないのかもしれませんし、すぐに戻るかもしれません。
当然ですが、私は友人と酒を飲み交わしたことはまだありません。
でも大好きなミュージシャンのライブに友人達と行き、湿気を帯びた箱から少し涼しい夜道にでて友人達と語らい歩いた日の事は覚えています。
あんなに楽しい事はありません。

春夏秋冬、それぞれの夜がありますが日中が暑い夏はより一層夜のありがたみを感じます。

一人で楽しむ夜も一興ですが、また人と喜怒哀楽を密に共有できる日が来ることを願います。

うめこ


今日の一枚

Minolta α-7/ミノルタ AF 50mm F1.7 / Vision3 50D / C-41 自家現像

Minolta α-7/ミノルタ AF 50mm F1.7 / Vision3 50D / C-41 自家現像


今日の一曲

The Beatles – Here Comes The Sun (2019 Mix)

The Beatles – Here Comes The Sun (2019 Mix)


今日の一冊

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