うめちゃんからの手紙 2019 No.024 自転車に乗れない素敵なあの人。

うめちゃんからの手紙 2019 No.024

うめちゃんの母方の曽祖母と祖母。双子のいとこのくせ毛は祖母から遺伝。

うめちゃんからの手紙 2019 No.024

今日アルバイト中、田中さんからチョコレートを頂いてしまいました。
田中さんにしては珍しく最近ぼんやりしてしまう日があるらしくうっかり曜日感覚が狂ってしまっていたそうです。
私の家庭教師に来ていただく日が水曜日だったり木曜日と変則的な週が続いていたので、少し迷惑をかけてしまっていたのかもしれません。

田中さんは小さい頃にお母様を亡くされていて、運動会などの学校行事の日はお弁当を私のアルバイト先に受け取りに来てらしたそうです。
マスターや女将さんがお弁当を用意してくださっていたそうで小学生の頃から常連だったわけです。
長い付き合いなので、田中さんがお店にいらっしゃる時はマスターも「さきちゃんお帰りなさい」と声をかけています。

私の周りの方達はお母様が亡くなられている方が結構います。
はるちゃんの異母姉妹のお母様は過労死で亡くなられていて、田中さんのお母様は癌で亡くなられています。
はるちゃんのお姉さまも今はお元気ですが、10代の時にお腹にできた腫瘍を摘出する大きな手術をされてらして、発見が遅れていれば危なかったそうです。
私の母方の曽祖母もかなり若くに癌で亡くなっています。
私も子供の時に大病をしていますが、私は両親ともに健在なので恵まれているのだなとしみじみ感じます。

さだまさしの関白宣言で「俺より早く逝ってはいけない」というフレーズがありますが、歌の前半で亭主関白っぽさを見せつつ時折出来る範囲でいいからと挟んだあと自分より長生きして欲しいと歌うところで絶妙なバランス感覚を取っている気がします。
私の大切な人たちが私よりも長く元気に生きて欲しいと日々願っています。

今日は田中さんが自転車に乗れるように練習しようかなという話をマスターとされていました。
私は魔女なのでほうきで移動したらいいのですが、自転車も子供の頃に父に連れられちびっこ自転車教室に通い習得しました。
多くの方が勘違いされるのですが、ほうきで空を飛ぶという行為は決していいことばかりではなく空を原付バイクで走る行為に近く、とにかく寒いのです。
ほうきで風を切って飛ぶのが体にこたえる為、世界観が壊れてしまいますが現代の魔女は冬季は普通に電車にもバスにも乗ります。

私が子供の頃から母はロリータ服で自転車というのは世界観が崩れるからと、自転車に乗っている姿を誰にも見せません。
ロリータ服をあまり着なくなった今日この頃でも全く自転車には乗っていないようです。
私は母が自転車に乗る姿を一度も見たことがないのですが、一応は自転車に乗れるとたまえおばちゃんから聞いています。

それはさておき、何故また急に田中さんは自転車に再挑戦しようと思ったのか尋ねてみると、大学で自転車レースがテーマの漫画の話で盛り上がっていたところ同級生の子から「自転車にも乗れないのに随分と自転車に詳しいのね?」とからかわれた事が無性に腹が立ったからなのだそうです。
田中さんが自転車に乗れないことはあまり知られていなかったそうなのですが、その方がうっかり嫌味で漏らしてしまった為に他の同級生にも自転車に乗れないことがバレてしまったのだとか。

自転車を乗れない人を笑い者にするのはデリカシーが無さすぎると私は思います。
田中さんは自転車を習う年頃にはすでにお母様が亡くなられていたり、お父様が激務で家にいなかったりと、大人の不在期間がとても長い幼少期を過ごされてきているのです。
それでも田中さんは立派で素敵な女性です、自転車が乗れないだけで人間の価値は落ちません、むしろ上がります。

今日は以上です。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Hatachi No Koi

Lamp-二十歳の恋


今日の一冊

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