うめちゃんからの手紙 2018 No.133 失敗の幸福論。

うめちゃんからの手紙 2018 No.133

送り状を書くうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.133

仕事でもプライベートでも宅急便をよく利用しています。
仲のいい受付のお兄さんやお姉さんもいて本当にお世話になっています。
彼らを観察していると本当にいつ見ても疲れてはるなぁと心配になることがあります。
私の仕事場にコーヒーを飲みに来てくださる時は元気なのですが街で配達のために大量の汗をかきながら時間を守るために必死に駆け回って下さっている姿を見ると本当に感謝してもしきれません。
ブロック塀に寄りかかりペットボトルのコーラを片手にタバコをふかしながら深くため息をついてらした宅急便のお姉さんの姿を見て、今年の夏の暑さが厳しくならないことを願うばかりです。
そのお姉さんがアイスコーヒーを飲みに来て下さった時にマスターに「飲食店も今は口コミサイトとかがあって大変でしょ?私の仕事も肉体的にはしんどいけど飲食店の方が精神的にはしんどそうだなぁ…私も前職は飲食店なのよ」と漏らしてらしたのが印象的でした。

私はスマートフォンを所有しておらず口コミサイトなどに頼ることは全くないのですが、最近はありとあらゆる職種、弁護士法人や医療法人などでも口コミサイトがあるそうです。
驚いたのは夜の街にひっそりと不定期で現れているような立ち飲みの屋台にすら口コミがあるのだとお姉さんは言ってらっしゃいました。

私の勤め先でも学校でも多面観察のレポートがあり時々読み返しては反省して凹むことがあるのですが、商売をしているとそれ以上に世間から厳しい目を向けられ世界中にその評価が公開されているのかと思うとしんどいなぁと…
確かにハズレを避けられるようになるというメリットが大きく、皆が多用するという気持ちもよくわかります。
自分の嗅覚もあてにならないものですし、ハズレのお店を引いた時の悔しさはとても大きかったりします。

お笑いの小話や新喜劇に出てきそうなハズレのお店とまでは言いませんが、時々そういうお店にも入ってみて何かを学び、クセのあるお店や店主などを見抜けるようになる嗅覚を自力で養っていくことも大事なのではないかと私は思っています。

会社や組織、国、財団法人、形態や規模は問いませんがどのような組織でも個人に対して何かしら疚しい事を隠していたり、都合のいいことしか述べないというのはいつの時代も変わらない気がします。
大きな組織には平気で騙されて諦めているくせに、マクロからミクロに近づくにつれ視点が身近になるためなのか反比例するように怒りや不快感のレベルも大きくなる気がします。
大きな組織になるほど騙し方も巧妙になるというのと、個人が持つ戦うことに対するモチベーションを削ぐ技術も一流になってくるというのが事実ですけれどね…

ただあまり被害妄想的に考えすぎてもよくないのも事実です。
資本主義社会においては過剰なまでにありとあらゆるものの選択肢があふれていて、自分が賢ければその恩威を最大限享受することも可能なわけです。

でも最初から正解を引くことは無理なので、失敗することや、流行り廃りに時に踊らされてみて自分で自分自身を洗練させていく必要があるのだと思います。
ただここは難しくもあります。
自分自身で正しい選択肢を探そうとするとどうしても口コミや他人の評価などを基にすることになってしまい、皆が定められた国家試験を通り資格を取得しているような医者や弁護士のような職種に対しても学歴や所属している法人のブランド名で利用する前から邪推してしまうことにもなりかねません。
はるちゃんのお父様もお医者様なのですが、患者さんに出身大学を尋ねられることはよくあるとおっしゃっていました。

法律に関することや自分の健康に関することとなればなおさら色々な思いが頭をめぐり、失敗を絶対許したくないという気持ちも大きいはずです。
結局堂々巡りのような答えになってしまいますが自己責任で失敗を繰り返し学んでいくしかない気がしています。
誰かに責任と決断、そしてリサーチを丸投げしてしまい文句だけ一人前に言うような人になってはいけないことだけが唯一の事実です。
それを実行に移し維持していくためには心に常に少しばかりでも余裕を残しておく必要もあるのだと思いました。

少しアブストラクトな内容になってしまいましたが、人の成功失敗を評価するのではなく、
自分自身で失敗をしてみてそれを評価でき自身の成長に活かしていけるよな人になりたいと私は思うのです。

言い過ぎかもしれませんが他人の失敗は所詮他人のもので無価値に近く、すべて自分に活かせるとは思いません。
失敗に不寛容なこんな時代だからこそ、失敗ぐらい自分自身でしなければいけません。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM


今日の一曲

Sting – Englishman In New York

Sting – Englishman In New York


今日の一冊

Copyrighted Image

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。