母に頬を摺り寄せるうめちゃん。
うめちゃんからの手紙 2018 No.094
京都に帰省中、母から妊娠している事を告げられました。
１２週目の母のお腹の中にいるのは目がいいと自負する産婦人科の先生がおっしゃるには男の子のようで、秋には私は姉になるようです。
驚きも心配もありますが、母は大変やなと率直に思いました。
母は父とは学生結婚で22で私を産みました、そしてそのあと学業に戻り子育てと司法試験のための勉強で大変な日々が続きやっと合格してお勤めを始めたかたと思えば勤め先が合わず病気になり苦しむ…
私の目から見ても母の２０代と３０代はとてもいそがしく、楽しかったのかなぁと疑問に思う事があります。
今月の1日が母の節目的な誕生日だったのですが、私も実家を離れ、時間ができこれからはもっと趣味や興味がある事に時間を割けるのだろうな母は多趣味だからなぁと思っていた矢先でした、母の人生は勉強と家族にすべて消えていってしまうのではないか、それで母は幸せなのか疑問に思えたのです、でもそれは母にしかわからない事です。
素直にめでたい事だ、私に弟が出来るという事は素晴らしい事だと喜びました。
初産ではありませんが高齢出産になります、心配する事は多々あります。
でも一番の心配はすごくお節介な大阪の祖母がきっと母にアレヤコレヤまた言い、母の精神が疲れてしまわないかが何より心配です。
祖母も悪い人ではないのですが、必死で力一杯で熱くて、母がうつ病になった時に大量のサプリやヨーグルトを送りつけてきたり、はちみつがいいと聞けば何十キロも送ってきたりという事もありました。
ここは母もおばちゃんに頼って欲しいなと思います、母は祖母に言われるままですがおばちゃんはガツンと言い返せる人です。
ところが当の本人は友人達と予定していた温泉旅行に行けないかもしれない、約束を反故にしてしまう、夏に田中さんをイギリスに連れて行けなくなりそうや、本当に申し訳ないと謝ってばかりいます。
私は母が何を謝らなければいけないのかがわかりません。
母は義務感や責任感が強く常に誰かに対して、何かに対して罪悪感を感じていたり、負い目を感じているように私の目には映ります。
母とたまえおばちゃんは双子の姉妹です。
外見は瓜二つですが性格は極端に違い、二人とも違う方向性でぶっ飛んでいます。
幼少期の二人のエピソードで、”私が世界を救わなければいけない私が困っている友達をみんな救わなければいけない病”（そうたまえおばちゃんが呼ぶ）にかかっていた母は、テレビでがんと闘う少女が髪の毛を失った事を知ります。
その直後に母がとった行動はお金をたまえおばちゃんに払い髪の毛を売ってもらい、テレビ局に自分の髪の毛と合わせて送ったのだそうです。
子供の頃のたまえおばちゃんは「ええよええよ１０００円で全部売ってあげるよ！」と子供の金銭感覚とノリの良さで、髪の毛をすべてそり落とされても笑ってピースサインで記念撮影をしたそうです。
祖父母に母はしこたま怒られたそうですが、お金で髪の毛を売ったたまえおばちゃんもこっぴどく怒られたそうです。
でも少し面白いなと思ったのが、おばちゃんは祖父母に「ももちゃんは自分の髪の毛も剃ったのに怒られて1000円もらってへんから可哀想やんか！オカンがももちゃんにも1000円払ったあげて！私はももちゃんから1000円もらったから！」と言ったそうで、とてもおばちゃんらしいなとも思いました。
おばちゃんは子供の頃から肝が据わっていると同時に自分自身が正しいという絶対の自信のようなものがあって、大人が何を言っても堪えなかったと本人は言っています。
おばちゃんは子供心にテレビ局に送ったところでがんの少女の手元には髪の毛は届かないやろうし、その少女も知らん子の髪の毛をもらったところで困るかもしれない、むしろ大量の毛髪が送られてきてドン引きするやろうなぁと冷静に考えてはいたけれど母の真剣さと1000円欲しさに、まぁええやん、また生えてくるし！と引き受けたのだとか。
祖母は母とおばちゃんにかつらを買い与えたそうですが、おばちゃんは自分の坊主姿がかっこいいじゃないかと頑なに被らなかったそうです。
母とたまえおばちゃんの姿を見ながら兄弟ができる事ってどんな事なのやろうかと考えた日でした。
去年の夏に双子を産んだたまえおばちゃんは「真似されたなぁ、おねぇちゃんは昔っからそうやねん！」と爆笑しながらとても喜んでいました。
明日は祖母の誕生日です。母とたまえおばちゃんの誕生日が先日1日にあったばかりなので大忙しです。笑
うめこ
今日の一枚
Nikomat FTn / NIKKOR-S Auto 1:1.4 f=50mm / AGFA VISTA 200
今日の一曲
かりゆし58 – アンマー
今日の一冊
待ちきれない。