うめちゃんからの手紙 2018 No.059 三日坊主を肯定していこうよ。

うめちゃんからの手紙 2018 No.059

少しだけ昔の事を思い出し悔しいな、けど何か腑に落ちたな、と思う。

うめちゃんからの手紙 2018 No.059

今日1日の前半はとても楽しめました。
後半は疲れが出てきたあたりから暗いことを考えてしまうスイッチが入ってしまい、パッとしないまたダメな感じの日曜日になってしまいました。

私は日曜日も朝四時半時頃には起きるようにしているのですが、休日の朝は自分を甘やかすために勉強の時間を好きな本の読書にあてています。

さて今日はお昼過ぎにヒロシに誘われデッサンのクラスを受講してきました。
去年頃から何か趣味のような、生涯を通じて少しも技術的に成長しない場合でも楽しめ、あまりお金をかけずとも継続している趣味はないだろうかと探していました。
私はご存じの通り人と話す事が苦手で代わりに文章を書くようにしているのですが、ふと考えたのが、英語も日本語も通じない相手や万が一に言葉を持たない人や生き物と出会った時に私に意思疎通ができるなにかはあるのだろうかと漠然とした不安を覚えました。
ギターが弾けるじゃないか、歌ってみたり踊ってみればいいじゃないかとも思ったのですが、つまるところ初対面の方を相手にいきなり踊るのも恥ずかしい事でしょう。
となれば文字よりも先に有史より前にあった壁画のように絵を描く技術を学んでみてはどうだろうかと考えるようになりました。
私はヒロシや両親と違ってあまり絵が上手ではありません。
絵が上手という以前にきっと観察能力が低いのかもしれません。
そんな事を考えたりした結果、絵が凄くうまいヒロシと色々話してみたところ、私とヒロシの知り合いの方がやっているカルチャースクールに毎週日曜日少しの間でも通ってみようという事になったのです。
ヒロシは自己流で今日まで来たのですが、それでもとても上手です。
けれどヒロシは講評会のような形で人の絵をみたり人から自分の絵をみて意見を聞く機会を作りたいとの事で私の趣味探訪に付き合ってくれる事になりました。

最初は静物画を模写していくのかと思ったのですがいきなりの裸婦デッサンで私はとても驚きました。
30秒前でタイマーがピッと鳴りモデルの方がポーズを変えます。
30秒間の間にA2サイズほどの新聞紙のような薄い用紙に急いで描いていくのです。
初めて裸婦デッサンのモデルの方と対峙した時に色々な驚きがあったのですが、それ以上に30秒という短い時間で必死に特徴を見つけ紙に描いていくという作業の密度の濃さに打ちのめされました。

デッサン教室の先生が「パッと見た時に自分が目の前のモデルを粘土で作っているような、体のどこが重いか、どこに骨があって固いか、どこがお肉があって柔らかいのかを意識してみてください。」とデッサンを始める前におっしゃていました。
おーそれっぽい!そして重さを意識するのだなと目から鱗が落ち、勝手に頓悟してしまい、最初の4ポーズくらいはまだデッサンをするという行為にピントを合わす事ができていませんでした。

何セットかモデルが素早くポーズを変えるこのトレーニングを繰り返した後、クラスのみんなで講評会を行いました。
不思議な事に自己紹介もしませんでした、この教室ではそういう”ノリ”で名乗ったり名を聞いたりする事は無いようで、ただ自分以外の人の絵を見て思った事を素直に述べていくというスタイル。

圧倒されました、とても楽しかったのです。

私は今まで何かを新しく始めるためには何かを止める事から始めようと思っていました。
色々欲張ってチャレンジしてみても私には向いていないかもしれないのだから惨めな気持ちになるのだろう、お金を無駄にする事になるのだろうと…
もうすこしトッチラケて色々な事にチャレンジしてみようと、洗練されていなくてもいいのだなと思えるきっかけになりました。
三日坊主を肯定していこうと思った出来事のお話でした。

うめこ


今日の一枚

逆光

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一冊

どんな経緯で買ったか、手に入れたか、もらったかを全く思い出せないけど読んだことは覚えている一冊。

Copyrighted Image

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