うめちゃんからの手紙 2017 No.166
今日はハロウィンでした。
私とはるちゃんが働く喫茶店ではお客様にちょっとしたお菓子のサービスをしたり、遊びに来てくれた子猫や子供達にヌガーなどの入った小袋をあげたりしました。
学校のミルクランチでもかぼちゃを使ったおやつが出ました。
今日もいつもと同じく食べ物の話題からはじまりました、こんばんわ。
本来のハロウィンとは違うお菓子やコスプレが主役になるお祭り騒ぎといった解釈が随分と日本でも市民権を得ている気がします。
でも堅苦しい事は抜きにして、お菓子をあげたりもらったりしてみんながニコニコして過ごせるので私も大好きな日です。
今日は学校が午前中で終わる日だったのではるちゃんとマリちゃんが私のうちにアルバイトの時間まで遊びに来ました。
はじめおじさんがちょうど遊びに来ていた近所の猫にお菓子をあげているところでした。
「おっちゃん!僕人間の子供だけれど猫の仮装をしてるんだよ!すごい完成度でしょ?だから完成度にみあったお菓子をください!」と言っている猫がいて思わず笑ってしまいました。
ウィットに富んだ猫だなぁと私たちが眺めていると、はじめおじさんは一通り騙されたふりをしてあげていたのでした。
はじめおじさんにお料理を教わっているのですが、今日はかなりお腹がぺこぺこで我慢ができなかったので、簡単に野菜を塩茹でしたものとアーリオオーリオブナシメジのスパゲティ、シャインマスカットをマリちゃんとはるちゃんに出しました。
本当に基本の簡単なスパゲティのレシピなのですが私が作ったアーリオオーリオブナシメジスパゲティは美味しかったみたいで大好評でした。
その後マリちゃんに貸していたDeath Cab for CutieのCDを返してもらった後、はるちゃんも聞いてみたいと言うのでそのまま貸し出したり、私の部屋でいろいろなCDを聞いたりしました。
私は代わりにはるちゃんから益田ミリさんの漫画とエッセー本を借りました。
食事を終え少し休んだ後アルバイト先に行きました。
今日はヒロシがまっちゃんのベビーシッターをする日で私の働くアルバイト先にも来ていました。
まっちゃんは大阪出身の天才四歳児で私とヒロシのお友達です。
大人っぽところがあり、ハロウィンとかあまり好きそうではないイメージのまっちゃんが可愛らしい魔女のコスプレをして遊びに来たのでちょっぴり驚きました。
まっちゃんは言葉選びのセンスが四歳児とは思えないほど秀逸で、最初はただのブリブリの大阪弁に捉えられがちなのですが、一語一語に身体性やリズム感がぎっしり詰まっています。
しっかりと四歳児でも賢く社会と関わっていて自己を周りに認知させていける力強い子がまっちゃんです。
とにかく話すのが上手でどんな人でも彼女の話の世界に一瞬で引き込まれてしまいます。
その話の内容がヒロシと喫茶店に来る途中に犬のフンをヒロシが踏みそうになったといった類の話でもいろいろな事を聞き手に考えさせ笑わせ、オチをつけるのです。
享楽的。
魔法学校では一人の先生が全学年混合7~8人程度の生徒のアドバイザーとしていろいろな事を指導しています。
アドバイザーの先生とのミーティングは定期的にあり、成績や将来の進路相談、プライベートな相談、世間話などをします。
私とはるちゃん、マリちゃんのアドバイザーはビッグママ先生です。
先輩達が卒業したので空いた人数分下級生の子が同じビッグママ先生のグループに入りました。
その中の一人にすーちゃんというとても美人で素敵な後輩がいます。
すーちゃんには悩みがあるようで、同級生にデブのぶーちゃんと呼ばれる事を気にしたり、まだ学校になじめない事を気に病んでいる様子でした。
すぐ「すみません、ごめんなさい」と謝る事が口癖になっている子で、ちょっとだけ気になっている子です。
やさしくて明るい子で楽しい後輩です、楽しく学校にこれるようになってほしいなと思っています。
まっちゃんは四歳児なのやけれど自信に満ち溢れて、はつらつと生きている女の子で、後輩のすーちゃんは高校生なのやけれどあまり自信がない感じで。
最近はどちらかを見るたびに片方をついつい思い出してしまいます。
穿った見方をすればまっちゃんはまだ学校に通っておらず、すべての基準が自分自身と両親なのやと思います。
すーちゃんは高校という社会で周りの基準や価値観にさらされる事に悩んでいるのだと思います。
究極的にはまっちゃんのメンタリティが正解とは思っています。
社会がどう言おうが自分の正義を大事にするパティスミス的スピリッツ、大事にしたいなと私も常に思っています。
でもやっぱり社会で生きていく上ではやさしく生きたいって思った時どうしても社会の価値観や基準に自分の尺を合わせなければいけなくなるのかもしれません。
窮屈。
すーちゃんが太っている事は健康的ではないという考えから同級生はからかっているのか、からかう同級生たちが考えている社会が女性に求める女性性にすーちゃんがそぐわないからなのか、それともすーちゃんが優しい子でからかいやすいからなのか、すーちゃんは顔が美人だから痩せたらもっとモテるのじゃないかという余計なおせっかい的からかいなのか。
はるちゃんは、「すーちゃんはいい子だからきっと私やマリちゃんがうめちゃんと出会ったみたいに絶対良い友達ができるよ。私達が心配しなくても大丈夫。」と言っています。
すーちゃんは良い子なのでそれに気づく同級生も現れると私も信じようと思います。
綺麗事を言ってしまった気がしてこそばゆい終わり方になってしまいました。
おやすみなさいませ。
うめこ
今日の一曲
Patti Smith – Beneath The Southern Cross – Madison Square Garden, New York
今日のリファレンス
茂谷さやか先生がPatti Smithsさんのインタビューを翻訳し書き起こしたブログ記事がとても素晴らしいので紹介します。
是非ご一読ください。
今月読みたい本その1 益田ミリさんの本
先日注文していた本が届きました。近日中にまた11月12月に読みたい本のリスト記事を書こうと思います。