画伯の雑記 – 画伯が9月に読みたい4冊

何冊か本を注文したので僕の9月のリーディングリストとして公開しようと思います。大した紹介文やレビューは書けませんがすべて素敵な本なので是非書店などでお手に取ってみてくださいませ。

湘南アトリエ散歩 / 久野康宏

湘南アトリエ散歩

久野康宏さんのblog 物食日記もとてもオススメです。是非!

少し前にライカが欲しくて仕方がない病を罹患していしまいインターネット上をさまよっていた際に見つけたのが物食日記というページ。そのページの作者でいらっしゃる葉山在住の久野康宏さんが2008年に出された一冊。ライカが欲しくて仕方がないのやけれど、レンジファインダーの70cmという最短撮影距離は大きな足かせなのではと心配になりずっとネット中をさまよっていました。物食日記に出会い杞憂だとわかりよかった。そしてほとんどの撮影を50mmのSummiluxでされていて本当に素敵。

少し前から僕の友人の写真家の方とやっぱり50mmはええよねという話ばかりしていて…でもその写真家の方が言うには僕の描いている水彩画は40mmくらいの焦点距離で撮ったポートレートみたいな雰囲気とのこと。いまだ自分にあった焦点距離がわからないのやけれど物食日記に掲載されている写真を見るたびにSummiluxという一等いいレンズだけで葉山、湘南の素敵な光を切り取っていく潔さ、洗練された方っておるんやなと思いました。

美味しいもののまわり / 土井善晴

おいしいもののまわり

つい先日友人の茂谷さやか先生と話す機会があり、先生から「画伯はご飯は土鍋派ですか?炊飯器派ですか?」と尋ねられました。恥ずかしながら僕はミーハーな性格なので思いつくすべての炊飯方法を今まで試してきました。土鍋、ルクルーゼ、電子レンジ、羽釜、そして炊飯器。大学院時代はずっとルクルーゼでまとめ炊きをして冷凍していました。横目で炊飯器で卵を使った不思議な中華料理などを作っている香港からの留学生たちを見ていたもので常に炊飯器のフル活用には憧れがありました。そんな話のながれから辰巳芳子さんの話や土井善晴さんの話になり、そういえばずっと目の前に置いてあるのに読了できていない一冊があるなと思い出したのがこの一冊です。

p.20に掲載されている「台所のお布巾」という話が好きでなんども読み返しているのですが、全体はまだ読了できずじまい。猛省。

日本で蒸しパンやケーキ、角煮などを炊飯器で作ってらっしゃる方達も多いですよね。僕も3年前に国内での一人暮らしを機に妹からお下がりの炊飯器をもらって以来、利便性に負けた僕は今は炊飯器を活用しています。実家にいる頃…ふと眠れずにラジオ深夜便を聞いていましたところ土井善晴先生がお布巾を使う話と台所のリズムについての話をされていて思わず聞き入り深夜にもかかわらず友人にもLINEですぐ聞くように連絡したのでした。当時同じ放送をまた聞きたいなと頑張って色々探したりもしたのですが見つからず…数年経ってやっと紙に書き起こされたものがあるということを知ったのでした。お料理の話題の時僕の頭には、五十嵐大介先生の漫画「リトルフォレスト」、幸田文さんの「台所の音」、そして土井善晴さんの名前が絶対に浮かぶ気がします。


茂谷さやか先生の公式サイト(現代芸術家として様々なメディアで活躍されています。)

ミラクルファミリー / 柏葉幸子

ミラクルファミリー

一番最初に載っている短編の「たぬき親父」は中学の国語の教科書にも採用されている作品なので読んだことがある方もいるのでは?

加齢と共に10代の頃の記憶を司る脳内のタンパク質なりなんちゃらがどんどん溶けて消えて行っている気がしているのやけれど、どうしてか中学生時代の国語の授業で読んだ柏葉幸子さんの「たぬき親父」とその当時の国語の先生が孟浩然春眠不覚暁に絡めて話してくれた寝る前と寝起きに浮かんだアイデアってどちらがいいアイデアなのだろうね?という先生のつぶやきにも似た話を今でも忘れずに憶えています。一番最初に掲載されている「たぬき親父」作中に自分の好きな他作品にも関係する単語が要所で出てくるのでどうしても’目が離せない’のです。

自分が常に興味を持っている事柄をタグクラウドみたく視覚的記述したような作品。人間の女の子に恋をしたきつね、人間と動物の距離、遠野、うる星やつら

関係ないけれど僕が覚えている父が読んでいた漫画で意外だった作品は750ライダーです。(今Kindle Unlimitedで1巻が無料で読めます)父は手塚治虫作品も集めていたようなので若い頃は秋田書店のチャンピオンを読んでいたのでしょうね。

ぶれない―骨太に、自分を耕す方法 / 平山郁夫

ぶれない

テレビ東京の美の巨人でも紹介されたのでご存知の方も多いと思います。

ロンドン留学時も日本から持って行った一冊。少し心が折れそうになった時に思い出しては読んでいた一冊なのやけれど引越しの際に紛失してしまい2冊目を先日購入しました。美大時代のチーュターだったTim Stoner先生も平山先生も似た事を話していてハッとした思い出があります。美大を卒業してからの10年、どう頑張るかがほんまに大事なのやと思います。美大を卒業してからの10年、まだ10年は経っていないのやけれど結婚した友人、離婚をした友人、出産したお世話になった友達、音信不通になった人たち、色々いるのやけれどみんな元気にやっていたらいいなと思うのです。10年で成長したと感じられなくても元気に10年目を迎えたい、強く願います。

以前文通をさせていただいていたペンフレンドとの手紙のやり取りの中でも出てきた一冊でもあります。僕以外の人にとっても大事な一冊なのでしょう。もう一度しっかりと読みたいと思います。


今月は以上です。

長文になってしまいましたがご高覧いただきありがとうございました。

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