うめちゃんからの手紙 2016 No.073

うめちゃんからの手紙 2016 No.073

この時期に絶対捕まったらあかん人に捕まってしまいました。
今日バイトに向かっている最中も自分がよく知っている気配に追いかけられてるとは思っていたのですが。
一生懸命振り切ってバイト先に着いたのですが、しばらくするとやっぱり気のせいではなくサンタのおっちゃんが私を追いかけてきていたのでした。
サンタさんのお手伝いをする事はとても名誉な事で大事な事なのですが、私にはアルバイトも大事なのです。

サンタのおっちゃんは父の一族と本当に長い付き合いがあり、ずっとサンタのおっちゃんのソリとかトナカイの鞍とか色々なスペアを預り修理とかをしています。運が悪いと徹夜で色々手伝う羽目になります。(別に特別な事ではなく魔女とか魔法使いの家は結構サンタさんとかなまはげさんとかいろんな人たちの仕事道具を預かっています。)
サンタのおっちゃんはスピード狂なのでしょっちゅうソリとかを壊してしまうのです。
毎年トラブルが起きるのでいつもお手伝いに行っています。
でもあのくらいのスピードやないと間に合わないですからね、仕事量めっちゃ多いし。
私の父と母が管理している収蔵庫の扉は、私の一族が3人同時に揃うか、一族の誰か二人ともう一人許可されている人が揃わないと開きません。私とおばちゃん、魔法省の大臣が揃っても開けることはできるはずです、一応。東京にだけ希少品が集中しないように魔法省が関西にも収蔵庫をもっているのです。
父と母の仕事は古い魔導書や魔具の管理修繕です。父は主に本の修理とか、あいた時間に絵本を描いています。
収蔵庫に通じている扉とは別に実家までの直通の扉もあるのですが、私は場所はわかるのですが私一人では開けられないように魔法がかかっているのです。私が扉の使い方を覚えちゃうとすぐ実家に帰ってきてしまうからという理由だけで私はずっと使わせてもらえないのです…
サンタのおっちゃんは明日の配達までにソリを修理したいと言っているしで、気持ちがやたらと急かされてしまいました。
でも他人事ではないですからね。サンタのおっちゃんの頼み事は絶対に引き受けないとダメな掟。
魔法省の大臣も開けることはできるのですがおっちゃんなのかおばちゃんなのか性別も不明で連絡先も大人の魔女や魔法使いにしかわからない人です。(噂では少し前までは小林亜星っておっちゃんで、今は黒柳徹子らしい。ほんまかなぁ)
私は一人大慌てで 日中はどこにいるかわからなくて捕まえにくいおばちゃんを必死になって探しました。
おばちゃんなら収蔵庫の扉とか大阪の実家への直通使えるので安心やし、修理とかも得意なので一番頼れるのです。
私の母は昔 ソリを全部ピンクに塗ってこれでいいやろ?とド派手に修理してしまった前科やすごく派手な電飾をつけてデコトラ風にピンプマイライドした前科がありサンタのおっちゃんもおばちゃんにまず相談したかったみたいで…
結局明るいうちには見つからず、日が暮れておばちゃんが仕事から帰ってきてから事の顛末を話すと「あっ!もうそんな時期か!ごめんね。気をつけてなきゃいけなかったな、おっちゃん毎年ソリ壊すからなぁ、いい加減気をつけてほしいよね。」と慣れた様子でおばちゃん一人大阪に一旦帰り部品を持ち帰ってきてくれ無事ソリを修理する事ができました。
私一人大慌てて大騒ぎしてしまったけれど、結局おばちゃんが色々解決してくれたものな。不甲斐ない!
私の母もなんとかしてくれるのやけれどどこかで笑いの要素とか色気をだしてデコトラみたいにしようとしたりするのです、おばちゃんのほうがこういう真面目な仕事は向いている。
一通り大騒動がおさまるとサンタのおっちゃんは、忘れるといけないからとプレゼントを今日くれました。
きちんと24日に開けるんだよと念押しされました。
おっちゃんは慌ただしく飛び去っていってしまいました。

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