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前回はECN-2だったので今回はC-41現像編です。
一度カラー自家現像を始めてしまえばC-41でもECN-2でも対して変わりはないのですが、C-41よりも高温での処理が推奨されているECN-2は少しハードルが高いのかもしれません。
Vision3のフィルムをカラー自家現像したい人にとってはレムジェットの除去も心配事の一つかもしれません。
それらを踏まえると、C-41からはじめて、レムジェットの除去にも慣れていくのがおすすめです。
それでも心配な人はVision3のフィルムをあえてモノクロ現像して練習してみてもいいかもしれません。(黒白にはなってしまいますが…)
僕はVision3のフィルムを使い始めた当初はC-41からカラー自家現像に入りました。
結果的にはこれは大正解だったと思っています。
過去にはC-41現像液でクロスプロセスをやったりと色々楽しみました。
Vision3のフィルムを自分で巻くことによってコストが抑えられ、ECN-2よりは安価な傾向にあるC-41処理のおかげでカラー自家現像の練習とデータを集める事ができました。
C-41で失敗する事はECN-2でも失敗します。
例えば作りたての新鮮な現像液で処理時間が短いとムラが出やすい事などはどちらの現像液でもやってしまいがちです。
作りたての現像液にはできるだけ現像時間が長くなる増感したフィルムから処理するようにしたいと思っています。
正直に書くとやっぱりECN-2の方がVision3を現像した時は好みの色が出ます、これはフィルム指定の処理方法だから仕方がないと思います。
それでもC-41の方が安価な傾向にありますし、練習や大量に処理したい人にとっては現実的であり経済的な選択肢だと思います。
いきなりVision3のフィルムを自宅で巻いてECN-2で現像を始めるのは難しいと思うので、とっかかりの一つとしてC-41でもそこそこ見れる色が出るという参考にしていただければ幸いです。
Minolta AF-S Quartz Date シネフィルム各種作例 C-41処理編
使用したカメラ:Minolta AF-S Quartz Date Minolta Lens 35mm 1:2.8
Kodak Vision3 250D / 作例 10枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 6min, Wash 1min, Blix 8min, Wash 6min, Photo Flo1:250 (35.5°C) (1,2,3) 最初の4枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 4min16sec, Wash 1min, Blix 8min15sec, Wash 6min, Photo Flo1:250 (39°C) (10,11,12)5、6枚目
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 4min42sec, Wash 1min, Blix 9min, Wash 6min, Photo Flo1:200 (38°C) (16,17,18)7−10枚目
最初の4枚は液温を35°Cまで下げて処理しました。発色がいまいちかなぁという感じです。いつも38°Cくらいで処理しているのですが、最初に増感のフィルムのスケジュールを組んでもう少し後でストレート現像するべきだった気がします。
Kodak Vision3 50D / 作例 10枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 6min, Wash 1min, Blix 8min, Wash 6min, Photo Flo1:250 (35.5°C) (1,2,3) 最初の4枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 4min55sec, Wash 1min, Blix 9min, Wash 6min, Photo Flo1:200 (38°C) (19,20,21)5−10枚目
5枚目以降は8月中旬に撮影した割と最近の作例です。現像液も処理本数が21本目に到達しました、この辺りが一番現像液が馴染んできて具合が良い気がしています。あと9本処理したらまたECN-2に戻る予定です。
Kodak Vision3 500T / 作例 10枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 4min30sec, Wash 1min, Blix 8min30sec, Wash 6min, Photo Flo1:250 (38.5°C) (13,14,15)
気のせいかもしれませんがECN-2で現像した時よりも色温度のずれが目立つ気がします。ISO500ということで絞り込んで撮影できたのが数枚あるのですが、Minolta AF-S Quartz Date信じられないくらいシャープに写りますね。この頃からすごく気に入って頻繁に持ち出すようになり、結果的に今まで稼働率のたかかかったOlympus XAの負担を減らす事ができたのがよかったです。
ここから増感編
Kodak Vision3 50D 1段増感現像 / 作例8枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 5min, Wash 1min, Blix 8min, Wash 6min, Photo Flo1:250 (39°C) (4,5,6)
自分の記憶の中では50Dの1段増感をC-41でやった時はもう少し良好な結果が得られていた気がするのですが、不思議と今回はいまいちでした。現像液のコンディションやフィルムのコンディション、カメラの露出が影響したのかもしれません。今のところMinolta AF-S Quartz Dateと組み合わせて気軽にスナップ撮影を楽しむなら250Dが一番良いと思っています。50Dで撮る時は露出が正確に測れるカメラかフルマニュアルのカメラで使いたいところです。わがままも言ってられませんしMinolta AF-S Quartz Dateの露出の傾向をじっくり掴んでいきたいです。
Kodak Vision3 250D 1段増感現像 / 作例10枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 5min, Wash 1min, Blix 8min, Wash 6min, Photo Flo1:250 (39°C) (4,5,6) 最初の2枚
Remjet Removal Presoak 30sec, Wash 1min, Dev. 5min17sec, Wash 1min, Blix 8min15sec, Wash 6min, Photo Flo1:250 (39°C) (7,8,9)
一つ前の50Dと打って変わり250Dの一段増感は割と良い結果が得られました。人によっては少し粒子が荒くなる事とコントラストが高くなる事がメリットになるかもしれませんね。250Dでほとんどのシチュエーションをカバーできるのではないでしょうか。
色々なメーカーの製品で初期不良や度重なる長期修理を経験しました。
デジタルになったから撮影者の負担が減ったか?というとそうではないと言い切れる気がしています。
残念ながら機材のトラブルはフィルム時代よりも増えていて、出ていくお金も大きくなってしまった気がしていて、それが想像以上に精神的負担が大きいのです。
フィルムでもネガに傷が入る事がありましたが、フィルムを変えれば解決する事が多いのですが、デジタルですとセンサークリーニングだったりセンサーの問題、それに伴うメンテナンス費用と気が滅入ります。
先日Leicaのセンサークリーニングもいよいよ有料になるというアナウンスがあり、色々と考える事がありました。
2021年の夏にMinolta AF-S Quartz Dateに出会えたことは大きな収穫でした。
写るんですよりも安価に売られているカメラが、単3電池2本で動きISO感度も自分で設定出来る、これほど気軽に持ち出せて楽しいカメラはないかもしれません。
次回はまたEastman Double-X 5222の予定です。
まだまだ日差しが強い日が続いているのでできれば減感の作例も掲載したいと考えています。50Dが一番ストックが多いので夏の間にもっと使いたいと思います。
しばらくはISO25でもいける気がします。
今日は以上です。
手軽に試してみるなら…
サンアイ CS8011_CINESTILL_800T135-36N
サンアイ CS5011_CINESTILL_50D135-36N
自家現像でVision3を処理するお供に
今回使用した現像タンク
パターソン スーパーシステム4現像タンク マルチリール3タンク リール無 PTP116