画伯の雑記 – 2018年05月10日 Smena 8Mとタイムカプセル的Tri-Xと。

懐かしいカメラが実家から出てきた。(持っていたのは覚えていた)

高校生の時にeBayで買ったものです。当時20ドルくらいで購入できた気がします。
黒い革のケースやストラップも付属していたと思うのですが、引越しで処分してしまったか、他の場所で管理されているか、記憶が定かではありません。
でもこのカメラはしっかりと捨てずに持っていることは覚えていました。
ところが、カメラの中にフィルムが残っているとは思いもしませんでした。
しかも最後に使った高校2年目の日々がそのままタイムマシンのように。
今の感覚では考えられないくらい、フィルムカメラやポラロイドカメラがびっくりするような価格でアメリカでは売られており、いくつか買い漁った思い出があります。
Polaroid SX-70にいたっては町のリサイクルショップで完動品が27ドルでした。
5ドル程度で売られていたポラロイド600用のフィルムの爪を切り落とし、露出補正をして無理やりSX-70で使っていました。
それでもきちんとピントを合わすことができ露出が調整できるポラロイドカメラには感動した思い出があります。
そして縁があったのか、僕が通っていた高校の数学教師の方がもともとポラロイド社に勤めていた技術者の方でした。
その方はポラロイドフィルムの使用済みカートリッジに残されたバッテリーを再利用しラジオなどで利用できるようにするアイデア商品を開発していたそうです。
開発されていた当時はそれだけポラロイドが売れていて、使用済みカートリッジのバッテリーがもったいないと思えるほど余っていたのでしょうね。
同じリサイクルショップではライカのスライドプロジェクターも30ドル程度で買った思い出があります。
このプロジェクターは後年に僕の個展の際などで大活躍してくれました。
一番衝撃的だったのは当時HOLGAが教育機関向けに破格で販売されてたことかもしれません。
今とは販路が異なるのかロモグラフィーではなく、教育機関向けの学習教材のカタログから注文する方式でした。
実は夏季休暇中に宝塚の友人と大阪に出かけおっさんの看板があるカメラのナニワでHOLGAを買い既に持っていたのです、持っていたのに買い足した!笑
当時カメラのナニワで3000円前後だった気がします。(最終的には人からももらったりして4台くらいのホルガを持っていた時期がありました。)
1ロットが10台だったかなぁと記憶しているのですが、10台買うと1台あたり16ドルで、10台以上学校から発注すると6〜7掛けくらいまで安くなっていた気がします。
当時の購買のおばさんが気を利かせてくれ大量に発注してくれ、僕たち生徒は安くて楽しい中判カメラと遊ぶことができたわけです。
今となっては16ドルで買ったんやでーと言っても信じてもらえそうにない価格で売られています…
余談ですが当時はAppleも高校相手にアカデミックバージョンのパソコンを大量に安く販売していたことがあり、僕の学校でも一台あたり500ドル以下でiBookを何十台と納入していました。

Smena 8Mというカメラ

ГОСТとISO、そしてDIN

SMENA8M

T-43という40mm F4-16というレンズが付いています。
40mmなので画角としては大変使いやすいです。
面白いのがГОСТ-ISO(GOST規格というソビエト時代に制定された国家標準規格)とDIN(ドイツ工業規格)が併記されていることです。
厳密にはГОСТとISOは異なるのでなぜハイフンを挟み隣同士で記載されているのかは謎です。
ГОСТ-ISOと表記されていますが数字自体は正確なISOとDINの組み合わせです。

修行を要するフィルムカウンター

SMENA8M

1目盛が2枚分で巻き上げの時にフィルムカウンター自体も一回転してから戻ってくるように進むので少しだけ戸惑います。そしてカバンの中に入れている時や指を添えたときに当たったりすることがあり、カウンターの数字がずれてしまいがちです。ロック機構のようなものがないので、動き放題。
あまり頼らないほうがいいです、自分自身で何枚撮ったか記憶しておくほうが良いかと。

最大絞りがF4、シャッタースピードは1/250まで。

SMENA8M

写ルンですのスペックを例に挙げるとあちらは焦点距離32mm、F10、シャッター1/140、最短撮影1m、そんなカメラです。

Smena 8Mは写ルンですと比べた場合ガラスレンズですしピントも自分で合わせられますし(こちらも最短撮影より1m)、高性能なように思えてくるのですが、本音を書くと写ルンですのほうが綺麗に写る気がします。

サニーシックスティーンの修行にはもってこいか?

SMENA8M

以前紹介したサニー16ルールの体得のためにはもってこいとも言えるカメラな気がします。
上からSmena 8Mを見下ろした時に見えるのはシャッタースピードではなく日差しのイラストです。
日差しを目安にシャッタースピードを変えていくわけです。
とはいっても三枚目の写真のように斜め下を見れば自分の経験則などからシャッタースピードを選ぶこともできます。
前述したレンズ正面の表記のようにやたらと表記が多いカメラです。

光軸上に三脚穴がある!

分解清掃しモルトを交換した記事も後日公開しようと思っています。
Lomo LC-Aもそうだったのですがどんなにちゃちぃ見た目のカメラでも三脚穴がきちんと付いているのにはあっぱれと言いたい気がします。
Kiev-4amとSmena 8Mに至ってはどちらの三脚穴もきちんと光軸上に配置してあります。
残念ながらLomo LC-Aは光軸から数ミリほどずれて設置されています。

本体の重量は230g

SMENA8M
写ルンですよりは工夫次第で多重露光や絞りとシャッタースピードの関係を学べたりと、遊べるカメラなことには変わりありません。
ちなみにこんなにプラスチック感に包まれたカメラですが意外と重量はあり230gになります。(フィルム重量含まず)
親戚にあたるLomo LC-A+の重量も近似しており、あちらは250gです。
比較対象に挙げた写ルンですの場合は39枚撮で93gと100gを切っています。
ちなみに最新のiPhone Xが174gです。

ここから先は作例になります。
よろしければご覧くださいませ。

Smena 8MとT-MAX 400を自家現像で

作例

T-MAX 400 Professional (自分で100ftから巻いたもの)
Dev 20°C 11 1/2 min, Stop Bath 3min, Fixer 6min

今回の現像時間は全て勘です。
最初に結果を書いておくと、現像時間は惜しいところといった感じでしたが、フィルムの劣化もありますし、いつもと同じ工程を経ているはずなのに現像ムラが今回は発生してしまったりと反省点の多い仕上がりでした。
16〜17年かけて1本のフィルムを取りきるという雄大なプロジェクト!笑
前半は僕の高校時代の写真、そして後半は現代の東京です。

高校時代の友人達、美術教師、鶏小屋など

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うっかり多重露光してしまった!

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多重露光はSmena 8Mでやってしまいがちです、故意であれうっかりであれ。

現代の東京(隠しきれない現像ムラが恥ずかしい🙃)

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トイカメラのカテゴリーに含まれると思われるSmena 8Mですが、今回はあまりにコンディションが悪かった気がします。
時間を見つけ、改めてきちんと期限が切れていないフィルムを入れ、適正露出で撮影し、きちんと現像した作例を公開したいと思います。
ピント合わせ、シャッタースピード、F値、全てを自分で設定できるカメラです、上手に使いこなして活用してあげたいと思います。

最後までご覧くださりありがとうございました。

画伯


よっぽど安く売られている等の理由がなければオススメはできませんが興味がある方は…
フィルムを数本無駄にする覚悟で挑んでみてください。
なかなか安くていいものを見つけるのは難しいように思います。
eBayなどで根気よく自分の求める条件に当てはまるものを探すことをお勧めします。

個人的にはHolgaをお勧めします。Smena 8Mは安くていい個体を見つけるのがめんどくさいのです。
今売られているものはフラッシュも付いています。
中判のフィルムで撮影でき、何より正方形のフォーマットは楽しいです。

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