うめちゃんからの手紙 2017 No.005

実家では毎月父が季節ごとに母の好きな花や二人の思い出のある花を定期的に摘んだり買ってきては家の中に飾っています。

風邪がだいぶ良くなったはるちゃんが久しぶりに私のアルバイト先の喫茶店に遊びに来てくれたのですが、はるちゃんが「うめちゃんの働くお店はいつも花が綺麗に生けてあるし、壁にかかってる絵も定期的にかわってて本当に素敵な場所だよね」と褒めていました。
私の家も父が花を飾り、母が父の描いた絵で気に入ったのがあれば額装したりしてかざったり、私や使い魔のおもしろい写真とかをよく飾っているのですが、魔女の家庭以外ではあんまりそういうことはしないのだそうです。
下宿先のおばちゃんとおっちゃんも花を飾ったり絵を飾ったりしているので今までそれが当たり前の事だと思っていました。

母は絵とか写真がとても好きで父といろいろよくあーだこーだ話しています。
私はまだカメラを使うことでいっぱいいっぱいで写真の良し悪しまではまだわかりません。

そんなことをいろいろ話していたら、はるちゃんと今度から綺麗に撮れてる写真とかがあればお互いに交換したり大きくプリントしてもらえるお店に行ってみようという話になりました。

マスターの奥様も魔女で喫茶店の絵や花など雰囲気作り、そして匂い作りから音楽まですべて奥様が気を配ってらっしゃいます。
魔女ってそういうこともしっかりやっていかなあかんのやなと今日は強く思いました。

確かに独特の落ち着くけれどコーヒーの香りを邪魔しない不思議な匂いが満ちているし、流れているBGMもお客様の会話を邪魔しないのだけれど雰囲気を作れるようによく考えられているのです。

すべての物には意味や魔法の言葉を持っていて、どう使うかどう置くか、それらが集まって文章を紡ぐのですが、私はいっぱいいっぱいで必死でまだ余裕がありません。

母やおばちゃん、マスターの奥様みたいにもっときちんとした魔法を紡げるようになりたいです。
そんな感じです。

実家にいる母が刺繍とがめちゃくちゃ得意やったのですが実家を離れる前にいろいろ教わっておきたかったなとめちゃくちゃ後悔しています。
私は一人で編み物とかそういう好きな音楽とかラジオを流しながら黙々作業する系が向いている気がするのです。

またね。

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