うめちゃんからの手紙 2019 No.110 はるちゃんがしたり顔になるその時。

うめちゃんからの手紙 2019 No.110

中判カメラを持って仕事をこなすうめちゃん。現像からプリントまでこなすようになりますます上達しました。

うめちゃんからの手紙 2019 No.110

今日は乗馬レッスンがインテンシブコースの子達だけだったのでお昼の後は日本から持ち込んだお仕事をこなしました。
毎日乗馬レッスンがあるのはインテンシブコースの子達だけで他の子達は多くても週3回です。
レッスンがない日は厩舎のお仕事だけなので、勉強や好きなことに使える時間が増える日でもあります。
時々マリーちゃんとはるちゃんを誘ってトレイルライドに出かけたりもしています。
特にお仕事の予定もない日は自分自身の乗馬のトレーニングも行っていますが、競技会に出る予定も無いのでまったりと進行しています。
何度か小さい頃からい競技会に出たのですが一度だけ優勝させて頂いて以降は2位とか3位のリボンばかりで、下手になったというわけもないでしょうから潮時だったのかもしれません。
競い合うよりは馬とコミュニケーションがより上手に取れるようになったという実感が欲しかったので最近は遠ざかっています。
日本の職場の常連さんが参加されているとある趣味の大会で一度優勝したら翌年から全く入賞出来無くなったとおっしゃっていたのでそういうものだと思います。

日本から持ち込んだお洋服の撮影のお仕事で、すでに120のフィルムで20本ほど撮影しこちらのプロラボに送付済みです。
ベルリンにあるPhotoimpexさんにSX-70用のフィルムも発注してあるので、届き次第SX-70でも何枚か撮影するつもりです。
中判のデジタルカメラも母から借りる事ができたのでデジタルでも撮影を行っていてこちらはファイルサイズが大きくファイル数も多いため想定していた以上に編集作業に時間がかかっています。
日本で私とはるちゃんが出している冊子のスポンサーさんにすでにいくつかのファイルは送信済みで、素早い事にそのうちのいくつかは印刷され店舗に貼られていたり公式ウェブページに掲載されているようです。
このお仕事の打ち合わせでもんじゃ焼きをご馳走になったのがすごく楽しかったのでやる気を入れて頑張っています。
全てのお仕事でKodakのフィルムを使用していたのですが、今回テストとしてFUJIのPRO400Hでも撮影を行っています。
いずれのフィルムにもNominal Speed、いわゆる箱に記載された感度とは異なる実際の感度というものがあり、使い慣れていないフィルムの場合ですと雰囲気を覚えるのにしばらくかかります。
Kodak Portra 400ですと実効感度は320、160のもので100と言われていて、露出オーバー目で撮影してちょうど良いくらいなのですが、FUJIのPRO400Hの場合はアンダー気味に露出した方が好みに近い発色とトーンの出方な気がしています。
PRO400H以外の安価なISO感度200のフィルムなどもフジの場合はアンダーで撮影した方が私の好みの発色に近い気がしています。
圧倒的にポートラで撮影した写真が好まれるのでどうしてもフジのフィルムを使う機会が減ってしまうのも事実…
お仕事をくださっているアートディレクターさんの色の好みというのが2年以上の付き合いでやっとわかってくるようになり、どちらかというと軟調で彩度を抑えハイライトにマジェンタが被っていない写真の仕上げのカットを選んでいただくことが多い気がします。
雰囲気だけで語ると疲労した現像液や処理時間不足で仕上がった赤感光層が反応しきれてない状態のネガフィルムから焼いた感じといったところでしょうか。
これに関してははるちゃんはかなり思う事があるようですがお仕事でお金をいただいているのである程度は私たちも折れています。
というよりこだわりを貫いたところで最終的に紙に出力されたり、そのポスター等が陽に当たると今のような季節ですと退色が早く進み、思っていた色で見られる期間など限られたものです。
はるちゃん自身はデジタルでもフィルムでも、そしてモノクロでもカラーでもこだわりを持って作品制作をしていて、シャドー部とハイライトのトーンの出方を常に注視して使用するフィルムが収め切れる範囲などを常に計算しながら露出計で計測して撮影しています。
デジタルの場合は気持ちアンダー目でフィルムの場合は露出オーバー目に撮影すると良いおっしゃる方が時々いらっしゃいますが、私はやっぱり撮影時に理想の仕上がりに最も近い状態で露出しておくのがベストだと考えています。
デジタルカメラの撮影でも露出計は本当に役に立ちます。
それでも100%ではないのでデジタルでもフィルムで上下数段ブラケット撮影しておきます。
はるちゃんが中判フィルムで気合いを入れて私と撮ってくれた作品は本当にトーンが美しく感動したものです。
私がイギリス料理がまずいと言われる事に腹を立てるように、世間一般で認知されているフィルム写真の不正確さや曲解されたレトロ感をはるちゃんは嫌うのです。
持ち物にしてもその性能や機能を存分に使い切れるように研究するのがはるちゃんで、趣味は説明書の読書なのです。
フィルムでも本当に綺麗で豊かな色調、そしてシャープな写真が撮れるのだという事をはるちゃんは啓蒙したいのです。
はるちゃんは仕事の撮影はほぼ全てフィルムカメラでこなしていて、プライベートはライカのデジカメばかりです。
意外と私の方がデジタルで入稿している月もあります。

はるちゃんが仕事とNetflixをみんなで見るためにパソコンをイギリスに持ってきてくれています。
いくつか自前でデジタル画像を処理するプリセットというのを作っています。
Lightroomというソフトでデジタルもフィルムで撮影しスキャンしたファイルも管理しています。
私たちの勤めている会社の焙煎工場と同じ建物内に撮影データなどを預けておけるデーターサーバーが設置されていて、逐一そちらにファイルをアップロードしています。
このデーターサーバーに美術品販売部やオンラインショップで使用するデータなども保管しています。
コンピューター上で現像するソフトなのですが、実際の暗室作業に似た操作も多分にあり私もゆっくりですが一生懸命学ぼうと思っています。
はるちゃんは私と同じ高校生なのですがLighroomもPhotoshopも加えてInDesignという私の母も使っている専門的なソフトなどを使いこなしているので私はとても尊敬しています。
自分で本を作ったりホームページを作り管理できるスキルというのは身についたら楽しいに違いありません。


今日の一枚

Nikon FM3A / AI Nikkor 50mm f/1.4S / Fujicolor 200 / カラー自家現像 / 1段増感

Nikon FM3A / AI Nikkor 50mm f/1.4S / Fujicolor 200 / カラー自家現像 / 1段増感


今日の一曲

吉澤嘉代子 – 洋梨 feat.弓木英梨乃 @ 森、道、市場 2019

吉澤嘉代子 – 洋梨 feat.弓木英梨乃 @ 森、道、市場 2019


今日の一冊

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