うめちゃんからの手紙 2018 No.180 田中さん乗馬初体験

うめちゃんからの手紙 2018 No.180

夏休み中は乗馬クラスのアシスタントインストラクターのアルバイトをするうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.180

今日はサマースクールの子供達がスクールトリップに出かけているので乗馬のクラスがありませんでした。
代わりに手が空いていたのではるちゃんと田中さんを誘い午後から1時間弱トレイルライドに出かけてきました。
はるちゃんは去年の夏にも体験しているので鞍をのせたりするのも一人で出来ていました。
ただハミをつけるのが苦手なようでそこだけは私が手伝いました。
はるちゃんがクオーターホース、田中さんはシェトランドポニーに騎乗しました。
シェトランドポニーはイギリス原産のポニーで私も乗馬初心者の頃によく乗せてもらった馬です。
大叔母がフリージアンが大好きで私もこの夏中はフリージアンばかりに乗っています。
先日お伝えした毎朝ラジオをつけてくれと私にねだる子もフリージアンです。
真っ黒な風体と輓用などでよく使われる事から映画のお葬式シーンに出てきた馬だ!と言われた事もありました。
たてがみが美しく体躯も立派でとても美しい馬です。

ヨガのおかげなのでしょうか、普段どんくさくて運動が苦手だと自分を卑下している田中さんなのですが体幹も股関節も柔軟でしたし、きちんと踵も下がっていたように思います。
乗馬教室に来る子でヒールの部分まで鎧が下がってしまい踵が下がっていない生徒さんもよくいるので初めて乗った田中さんがそこができていたのには驚きました。
乗馬靴にヒールがあるという事で土踏まず部分で鐙を踏んでしまう子が多い気がします。
ヒール部分の近くで鐙を踏むのはとても危険でもあります。
落馬した際に鐙から足が離れないと危険な事故にもつながりかねません。
スキーや自転車のビンディングが転んだ時に足が離れなかったら恐ろしいのと同じ原理です。
田中さんのトレイルライドは順調でしたが実は一回だけ軽く落馬しました。
馬が地面の草を食べようと首を下げた時に手綱ごと持ってかれてしまったのです。
手綱ごと持ってかれた田中さんは前に引っ張られ馬の首に抱きつき、だっこちゃん人形がくるりと回転するような形で姿勢を崩し地面に着地しました。
幸いにも乗馬靴がすぐに鐙からはずれたのと、落ちたのが草地の上だったので怪我はありませんでした。
私はこの落ち方で正解だったような気もしています。
中途半端に私が草を食べさせないように手綱をしっかりに握るように指導していて、田中さんが思い切り手綱を引いてしまっていたら馬が駆け足に入っていた可能性も否定できません。
曖昧な表現になってしまいがちですがこればっかりは空気を読んで馬の興味がどこにあるかを意識しつつ自分の目線と意思をしっかり持って乗るようにとしか教えようがない気もします。
もちろん意地悪な馬もいますが、馬はとても賢いのでトレイルライドをこなせば厩舎に戻って仕事が終わりだという事もきちんと分かっています。
乗り手の意思は馬にきちんと伝わります。
はるちゃんはご存知の通りとても観察眼が優れた子で昨年同様、私の姿勢をじっくりと観察してくれていて上手に乗れていました。

トレイルライドを終え厩舎に戻ると田中さんは本当に大きな声ですごく楽しかったよと真っ赤になった汗だくの顔をタオルでぬぐいながら喜んでくれました。
馬を降りたあと田中さんは筋肉がこわばっていたのかカニ歩きのようにしばらくは歩いていました。
ハミを外し鞍を下ろすのを手伝い三人で馬具の手入れをしました。
子供の頃に蹄洗中に足を踏まれた事が脳裏をよぎり、さすがに田中さんとはるちゃんにはできなさそうだったので蹄洗は私が行いました。
その後馬が冷たい水をかけてほしいというのでホースで鞍が当てられていた辺りに水をかけブラシでマッサージをしました。
私の馬がまたラジオの電源をオンにしてから帰ってねというのでラジオの電源を入れてから厩舎を後にしました。
夕方以降までラジオの電源が入りっぱなしだと怒る馬もいるのでラジオの先のコンセントに電源のオンオフが設定できるダイヤル式のタイマーが設置してあります。

以前アメリカのヴァーモント州の厩舎で働く女性と話した事があるのですが、彼女の厩舎ではブルーグラスやカントリーミュージックを馬たちに聞かせていると言っていました。
アメリカの馬はアメリカ音楽を聴くのだなぁと、どこかおもしろいなぁと思った記憶があります。
私の馬はBBC Radio2一択なので特に音楽のジャンルにはこだわりがないような気がします。
そういえばこの方が馬に時々コーラを与えるとおっしゃっていた方です。
私の働く厩舎にイギリス産のビールを与えているスタッフもいますが私は与えません。
そのスタッフはイギリスの馬やからさすがにラガーよりもエールを好むねぇ、違いがわかる馬だ!と豪語しています。
疼痛などの問題を抱える馬にビールを与えると喜び食欲が戻りQOLが向上したという例があるので否定はしませんが、ビールの缶のプルタブ周りで怪我をしてしまうのではないかという不安や瓶が割れた時の危険性を考えてしまい…かといってバケツいっぱいにビールを注ぐのもアルコールを与えすぎな気もしてしまい私は避けています。
さすがにイギリスというお国柄なのでしょうか、樽を乗せた大荷馬車を引かせるための馬を保有しているビール会社もイギリスにはあり、Blackburn’s Thwaitesというビール会社に勤めていたシャイヤー種のクラシックという名の馬は有名でテレビの映像などでもビールを美味しそうに飲む姿が放送されたりもしていたようです。
かわりに私はスイカをよく与えています。スイカと塩のブロックを一緒に並べておくと馬も塩を舐めスイカを食べと交互に食べています。
人間がスイカに塩を振る理由と同じかはわかりませんが彼らも両方摂取します。

田中さん乗馬初体験、そしてビールを飲む馬についてのお話でした。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM

EOS 6D / EF24-70mm F4L IS USM


今日の一曲

Shing02 with Live Band – Luv(sic) Part 6 @ 頂 -ITADAKI- 2016

Shing02 with Live Band – Luv(sic) Part 6 @ 頂 -ITADAKI- 2016


今日の一冊

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