うめちゃんからの手紙 2017 No.154 父がくれたギターと、初めて買ったギターの思い出の話。

うめちゃんからの手紙 2017 No.150

父からのお下がりのES-335

うめちゃんからの手紙 2017 No.154

今日は久しぶりにアンプに繋いでギターを弾きました。

アルバイト先のマスターが誘ってくださりキンちゃん、はるちゃん、女将さんの前で久しぶりにマスターと楽しくギターが弾けました。

東京にはギターを3本持ってきています。

エレキギターがフェンダーのテレキャスター、ギブソンのES-335TDCの2本。

あと1本は一番最初に買ったTaylor GS Miniというアコギです。(小さいけど音はきちんと大きく出るすごくいいギター。最初に通っていたギター教室の先生もうめちゃんみたいで素敵なギターや!大事にするんやでーと言ってくれていたすごく好きなギターです。)

自分の部屋で3本のギターに囲まれているとすごく幸せです。

結構変態な顔をしてニヤニヤしながら弾いているのやないかと心配になります。

厳密に言うとギブソンのES-335TDCは父からのお下がりです。
少し前まで父からEpiphoneのCasinoという、そっくりな兄弟みたいやのに音は全然違うし中身も全然違うギターを借りていました。どちらかというとCasinoはES-330というES-335の家族に似ています。どちらにせよ親戚には違いありません。
Epiphoneはビートルズが使っていたやつです。
私の父に語らせたほうが正確で私より楽しく教えてくれると思います。

自分のために初めて買ったエレキギターはテレキャスターでTaylor GS Miniと同じですごく思い入れが強いです。

一番最初、父にエレキギターを買ってもらう時にShellacのSteve Albiniさんが使ってはったストラトキャスターへの憧れが強くとても悩みました。
(最近はTravis Bean TB500をよく使ってはる印象)

テレキャスターもストラトキャスターも私が好きなギタリストは必ず一本は持ってはるので自分ではどちらにしようか決められませんでした。

父に連れられ楽器屋さんに行った日は左利き用のストラトキャスターでこれぞというものがなく、ちょうど黄緑色の左利き用テレキャスターがありました。

左利きのギター専門店なので頼んでおけばいずれ好きな色やモデルは入ってくるのですが、父は私に

「どうせ両方ほしくなるし、どっち買っても後悔はせんと思うで。買う順番が違うだけやろうなぁ、うめちゃんは緑好きやしこれ行っといてええと思うで」と言われたのと、

店員さんが「不注意なお客さんがベルトのバックルで傷をつけていきよったから、だいぶ勉強させてもらうでうめちゃん!」と値引きを提案してくれたというのもありました。

ベルトのバックルで傷がつけられただけで値下げされてしまうというのはとてもかわいそうやなと思ったのです。

結局参考までにと下見に父につられていったその日にギターを買ってもらったのでした。

私の両親はおもちゃとかはあまり買ってくれないのやけれど、私がギターを弾いてるのはすごくかっこよくて似合っているからとポーンと買ってくれたのでした。

私も大人が持っているものと同じものを買ってもらえるということが素直に嬉しく、今考えてみれば母の思惑かもしれませんが、見事に乗せられすごく熱心に練習し毎日何時間も弾き続けたのでした。

母の教育方針はかっちょいい女の子に育って欲しい!なのです。

家で弾いてみるとお店で試奏してみた時よりも父が持っていたAMPEGのGeminiやVOXのAC30との相性も良く、買ったその日に気が狂ったように恍惚と何時間も弾き続けてしまったのでした。
何年もしゃべる事を許されていなかった後に急に喋る事を許されたような開放感がありました、

今も変わらずどもっているのですが、当時はどもっている事を今以上にコンプレックスに感じていて好きに気持ちを発言できないフラストレーションがすごくたまりにたまった子供だったのだと思います。
ギターの音色はその頃から私の気持ちを代弁してくれていたのでした。

さてギブソンのES-335なのですが、このギターは今年に入ってから父からもらったものです。
ずっと小さい頃から愛用している彼氏のような存在の心の拠り所的、御神体的超大好きなテレキャスターからの浮気になるんやないかと思ってしばらくはアンプにつながず自室で軽く爪弾く程度でした。

色も好きやし、父がめっちゃ大事にしていたのも知っていますし、すごくいい音なのも言うまでもないのですが、つまるところ父のギターを弾くこそばゆさの裏には不思議な親への遠慮のような感覚がありました。
うまく言えませんが友達の家に呼ばれた時に友達の子が持っているお人形ではイマイチ心の底からは遊べないみたいな感覚が私にはあります。
人形とかギターとか、それこそカメラだってずっと使っていた人の魂みたいなものが入っているのだと信じています。

今日初めてアンプにつなぎ弾かせてもらったら、記憶通りの父がいつも弾いていた懐かしの”家の音”がしてきたのでおもわず泣きそうになりました。

友達の目もあったので、ぐっとこらえしばらく自由に弾かせてもらいました。

マスターが言うには父からもらったギターはピックアップが割と低めにセットされていて、私の父の好みに少しずつ色々なところが調整してあるのやろうねと言っていました。

私はさらの状態のES-335TDCを引いたことがないのでわからないのですが、父のギターは他のギターに比べだいぶ違う音が出ているようです。
すごく父の個性と”家の音”が詰まったギターなのやなぁと考えて感慨深くもなりました。

ホームシックとはまた違うのやけれど、父の存在を感じることができてほっこりできる、そんな優しいギターやなとも思いました。

重くて疲れるのですがハイポジションが私の指でも少し前まで使っていたCasinoよりも弾きやすい事、ピックアップミックス時の音が結構好みだという事、アンプに繋いだ事発見があり楽しかったです。
今まで触ったギターは全て好きです、身も蓋もないのですが…
私がまだ未熟!これです。

うめこ


Shellac: Dude Incredible / Watch Song – Oakland, 7/12/15

Shellac: Dude Incredible / Watch Song – Oakland, 7/12/15

かっちょいい…

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