うめちゃんからの手紙 2018 No.162 左利きが多数派の環境で。

うめちゃんからの手紙 2018 No.162

愛用のライカを首から下げるうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.162

アルバイトでカフェに出勤するのは今週いっぱいで、次は夏休み以降になります。
来週は焙煎工場で豆を焼いたり事務作業やオンラインショップの発送などの裏方です。
あと私とはるちゃんがイギリスに行っている間も壁新聞やZINEが途絶えないように事前に用意してあるのですが、それらを仕上げてから出立しなければいけないので忙しいのです。

今日はカフェ店舗の方に女将さんがガスケットなどを一式交換したエスプレッソマシンを引き取りにお客様がいらっしゃいました。
女将さんがメンテナンスを行ったのはピストンレバー式の普及している人気機種です。
この機種もメンテナンス用のパーツなどが共販のようなところから購入することができ、おかみさんが利用した業者では一式を4000円前後で購入することができます。
発売年度によって同じ見た目のモデルでもグループ内に使われているガスケットのサイズが2mm異なるそうで、古いモデルを買っている場合もあるから気をつけなければいけないと女将さんがおっしゃっていました。(古いモデルのグループガスケットが59mmで新しいものが61mmだそうです。)
ちなみにお客様のモデルは現行モデルでしたが、古いモデルだと500円ほどパーツ代も安いそうです。
実は今回お客様ご自身で最初はメンテナンスにチャレンジされていたようなのですが、どうも様子がおかしくギブアップしたところで女将さんに助けを求めていらしたようです。
ピストン用のガスケットには裏表があり、その裏表を間違えて取り付けていただけのようで幸いにも他には異常がなかったようです。
凹という漢字に似た形のパーツなのですが開いている側を上下ともに外に向け、内側に平になっている方を持ってくるのだと女将さんが念押しされていました。

女将さんがグループヘッド内のメンテナンスをされている所を見ていたのですが、車の整備ができるはじめおじさんなら自宅でもメンテナンスできそうな気もします。
女将さんは誰でも出来るよとおっしゃっていましたし確かに構造はシンプルなのですが、家庭ではハードルが高いなと思ったのがNSF登録済み食品機械用潤滑油やスナップリングを外す道具などを準備しなければいけないことです。
(NSFガイドラインや食品衛生の知識など、薬剤師免許を持ってらっしゃるおかみさんの知識などがいろいろ活きているなと常々思います。)
女将さんがおっしゃるには食品機械用潤滑油の代わりにオリーブオイルで代用しても多分大丈夫とおっしゃっていましたがどうなのやろうか…
女将さんの誰でも出来るよ、うめちゃんだってやってみたらいいよほどあてにならない言葉もないのです。
以前お客様から預かったエスプレッソマシンのポンプをバイブレーション式からロータリー式に変更したりして静音化の改造を一人で30分ほどでされていて、何をされているかは分かりましたし工程を見ていて面白いなと思いましたがとても私にはできません。
はじめおじさんは道具も食品機械用のメンテナンスに使うものも持っていらっしゃるので以上の事を踏まえて今日職場で学んだことをはじめおじさんと情報共有しておこうと思います。
一般家庭ではハードルは高いですし高温高圧を扱うマシンを扱うということで気を付けない点は多いと思うのですが、それでも共販などを通じてエンドユーザーでもパーツを交換して末長く使い続けることができる製品を作られている企業には感服いたします。

お客様のマシンを触らせていただいて初めて気づいたのですがお客様のマシンはポルタフィルターの閉める方向が時計回りで私が普段お仕事で使っているエスプレッソマシンは反時計回りです。
他に感じたことはポルタフィルターは時計回りですがスチームノズルは右についているので左右両方に十分な作用スペースが必要で、一般家庭に設置する際も壁際などに置こうと思うと少し動線的に不自由かもしれません。
設置状況によってはスチームする際にミルクピッチャーを持つ手をどちらにするかで不便しそうな気が少ししました。
家庭用エスプレッソマシンに何を求めるかは人それぞれあるとは思いますが、いかに簡単にラテアートが楽しめるスチームミルクが作れるかも大事な要素だと私個人は思っています。
理由は存じ上げませんがポルタフィルターの閉める方向にも各メーカーの設計思想のようなものがあるのかもしれませんね。
もう慣れてしまいましたが私のように左利きの人には時計回りの方がもしかしたら楽かもしれません。
家庭でケーキを作る時や料理をする時においても、いかに楽しめるかが継続していく上で大事な事ではないでしょうか。

仕事場の動線と道具を自分の利き手に合わせて設計できたら幸せですが、なかなかそうはいきませんね。
有名なところだと数寄屋橋の二郎さんの仕事場が完全に左利きの二郎さんのために設計されていて面白いなと思った事があります。
二郎さんの二人の息子さんは二人とも右利きで、長男の方は二郎さん用に設計された職場で働いていらっしゃいます。
そして次男の方の職場は鏡に映したように反対になっていたと思います。
意外にも私の周りには左利きが多くマジョリティーなのですが、アルバイト先だけは皆右利きなのでそうはいきません。(はじめおじさん、祖母、父、はとこのマリー、ヒロシ、そして私。)
エスプレッソマシンが欲しいと言っているはじめおじさんも左利きなので、今回のお客様と同じモデルもいいかもしれませんね。

母がライカが好きでレンズもボディも数え切れないくらい収集し、そしてものすごい枚数を撮影しています。
客観的に見てみれば母はフィルムでもデジタルでも一般的な人の100倍は少なく見積もっても撮影しています。
元が取れるという考え方をカメラに当てはめるのも変ですが、母は確実に元が取れるだけ撮影しています。
私が持ち歩くデジタルカメラは母のお下がりのM9-Pというライカなのですが、シャッターユニットもCCDも交換されているので実質新品に近い状態なのです。
それでも外装をみれば母が愛用して使い込んできたのがわかります。(母の持ち物だったのでがっつり名前が書いてあります。)

デジカメでも中身をごっそり直して頂けるというのはいいことだと思います。
パーツの供給があったとしてもさすがにデジカメの修理は私には無理そうですが、将来エスプレッソマシンの修理ができるくらいの経験と知識を今から蓄えていきたいなと思っています。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Baden Powell – "Além do Amor / Deixa" – Programa Ensaio

Baden Powell – “Além do Amor / Deixa” – Programa Ensaio


今日の一冊

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