うめちゃんからの手紙 2018 No.206 2018年のくつろぎ方。

うめちゃんからの手紙 206

愛用のライカが馴染んで来たはるちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.206

2日目はホンさんと10時にホテルのロビーで待ち合わせでした。
私は旅行中でも日本にいる時と変わらず4時頃に目が覚めてしまうのですが、今朝は6時まで目を瞑りベッドでじっとしていました。
6時半頃にマリーちゃんが目を覚まし、ビーチまで散歩に行こうと提案してくれたのでそうすることにしました。
はるちゃんもほぼ同じ時刻に起きていたようでお母様と日本のNHKをテレビで見て暇つぶしをしていたようです。
今回私たちが宿泊したホテルはNHKのチャンネルが3つ映るようになっていました。
朝食会場を事前に確認し、ホテルの玄関左にある自動車ディーラー横の横断歩道を渡り海雲台のビーチに向かいました。
交通量が多いことと横断歩道の間隔が広いので近いように見えたビーチに出るのにも少し苦労します。
不思議なことに日本に比べ横断歩道ではないところで横断する方はいませんでした。
交通量が多いため誰の目にも交通事故にあいそうな危なさが視覚的に理解できるため皆がしっかり横断歩道と信号を守るのでしょう。
日本ですと浅草周辺や日本橋に軽自動車のパトカーや婦警さんが常駐し、斜め横断などをしないように啓蒙活動していたりします。

ビーチを少し歩きエリア最古だろうねぇとホンさんがおっしゃっていたウェスティンホテル朝鮮を右手に確認し遠くに浮かぶタンカーや、おそらく九州や神戸の港にも往来しているであろう大型船の姿も見ることができました。
30分ほど浜辺を歩きホテルに戻ってから朝食を4人で食べました。
5つ星ホテルと謳われているだけあり、海雲台グランドホテルの朝ごはんはピカイチでした。
日本からの観光客にもありがたいのが普通の白ご飯がきちんと用意されていたことです。
以前、韓国旅行をした時は現地の混ぜご飯のようなものや、もち麦米のようなものしかありませんでした。(健康的な朝食が売りの宿だったからかもしれません…)
面白かったのが釜山のホテルなのですがベトナム料理のフォーのバーがあり、韓国人観光客の方達は列をなしてフォーを食べていました。

ホンさんが今日もオススメだと言う韓国のカフェに連れて行ってくださると予告していたので、朝からはコーヒーを飲まないように気をつけていました。
ホンさんが「私はおばちゃんで頻尿だからいつでもトイレにはよってあげるから心配いらないよ」とみんなにおっしゃってくれていたのですが、釜山では渋滞に捕まると厄介です。
旅の間は終始カフェインを控えめにすることを心がけていました。
マリーちゃんは朝食会場でオムレツを焼いてもらっていました。
彼女は普段は寮生活なのでチーズやハムなどの具材を選び焼きたてのオムレツを食べられると言う機会が少ないようなのでとても喜んでいました。
朝食会場ではるちゃん親子に昨晩いただいた入浴剤と足に貼るケアグッズが大変よかったと感謝の気持ちを伝えました。
お母さんからいただいたのですが、実は渡航前にはるちゃんがコストコで買い込み今日のために用意してくれていたのだそうで、はるちゃんは少し照れていました。
私もはるちゃんのように気がきく準備のいい女子になりたいなと思いました。
一事が万事、準備が何事も大事です。

2日目も最初は美術館からはじまりました。
正確にはアートベニューと言った方が正しいでしょうか、もともと韓国の財閥が銀行として建てた建物を再利用し美術品を展示している会場です。
ドキュメンタが行われるカッセルにある元郵便局の建物を再利用した会場に雰囲気が大変よく似ています。
郵便局も銀行もカウンターや厳重な構造の建造物という類似点があるからでしょうか、どこか既視感を覚えました。
ただ韓国の会場はスイス製だという大変分厚いトビラの金庫室が1階と2階にあり、在りし日の面影が”前職”をはっきりと私たちに教えてくれるのでした。

1日目に見た空港近くの会場と同じく政治色の強い作品が多かったのですが、よりメディアのタイプにとらわれないサイズの大きな作品からテキスタイル作品、単純に作家の興味を突き詰めた物、鑑賞者を巻き込むもの、そしてリサーチを重ねて来たのだとわかる大作など飽きさせないよう趣向が凝らされたキュレーションがされていました。
ホンさんは1日目より2日目の会場の方が私は好きだねとおっしゃっていました。
(1日目の会場でホンさんが携帯のカメラで撮影していたら会場のお姉さんに撮影禁止だと詰め寄られ一悶着があり、そのあと明らかに機嫌が悪かったのです。笑 会場内撮影OKと言われていたのですが一箇所だけスタッフが複数名たち撮影を禁止しているエリアがありました。作品のネタバレになるので詳しく書きませんが、政治情勢などでセンシティブな内容だったからかもしれません。)
1日目に見た会場はオリオン社のチョコパイが積み上げられ鑑賞者は自由に食べることができ、北と南の事に思いを馳せながら、さながら関係性の美学と社会派の芸術作品が混じり合ったキメラのようなインスタレーションの中に自分の身を投じることができる作品がありました。
2日目の会場にも政治的ユーモアが凝らされた作品はあったのですが、1日目の会場と若干客層が変わり若い女性が多く、政治的な作品でも皆忙しそうにスマートフォンで作品の写真を撮っているのでした。
見ていて痛快でもあり、どのような難解な政治問題や心を痛めるような歴史の事実にも現代の若い鑑賞者は一度携帯のカメラで撮影しSNSなどで他人と共有し咀嚼してから理解していくのかもしれないなと私は興味深く観察致しました。
ただ記憶に残る作品が多いなと感じたのは1日目の会場の作品群です。

美術館を後にしMOTTO COFFEEというホンさんの娘さんが探してくださったカフェに立ち寄りました。
このカフェはSynessoのマシーンが使われていました。
そして事前に私の職場の上司から教わっていたFritzという会社が焙煎している豆が使われていました。
昨日利用したDENNISというカフェでも同じようにソウルのFritzから持ってきている豆が使用されていました。
Fritzは日本でいうと名古屋にあるボンタインコーヒー位の規模ではないかと私は察しています。
Fritzコーヒーさんは近年の韓国のコーヒー業界を牽引しているとも言われており、一度はソウル店にも行きたいなと願っています。
ホンさんの娘さんはケーキなどが好きでインスタグラムを活用し最新のスイーツ事情を常に”リサーチ”しているのだとおっしゃっていました。
ホンさんの娘さんがおっしゃるには、釜山の方がソウルよりも大きなスペースのカフェが多く、レトロなものは少なめなのだそうです。
代わりにMOTTOのような十分な駐車スペースを併設したカフェであったり、おしゃれなインテリアや自作の什器が置かれた挑戦的なお店が多く楽しいとのことでした。
前述したFritzコーヒーもそうなのですが、ソウルには1社強いデザイン集団があるそうで、そこが店舗デザインからブランディングまでプロデュースしている飲食店が大変多いのだそうです。
日本でいう株式会社WATのような会社がどうやらソウルにもあるようです。
韓国の飲食店オーナーたちはデザイン教育に熱心だとのことでフランチャイズ店のParis Baguetteの御息女もロンドンのRoyal College of Artで学習していたみたいだよとホンさんがおっしゃっていました。
話をMotto Cafeに戻します。
今回は6人だったのでお店のスイーツを全種類みんなで少しずつ分け合い食べることができました。
海外のラザニアの容器のような、日本のうどんのアルミ鍋のような器に入ったティラミスが絶品で、マリーちゃんがとても気に入っている様子でした。
私はレモンの輪切りが乗ったパウンドケーキが美味しいなと思いました。
ホンさんが「若い女の子と遊ぶのはいいねぇ、通ってるジムの同世代おばさんたちと遊びに行くと旦那の愚痴か海外旅行に行った自慢話か、まぁ基本的に愚痴しか言わないからね!」と大笑いしながら言うとはるちゃんのお母様も頷きながら笑っていました。
ホンさんの娘さんは今日もやれやれといった感じに元気いっぱいで饒舌なお母様を見て笑うのでした。

カフェで長時間話し込んでしまったためお昼の時間をすぎ4時になっていました。
カフェの後は遊覧船に乗りに行きました。
遊覧船乗り場の近くでとても長い連凧を挙げてらっしゃるおじさまがいて写真を何枚か撮らせていただきました。
ホンさんが通訳してくださったところ200弱の凧が連なっていたそうです。
車を遊覧船乗り場から200メートルほど離れたところに停め、遊覧船のチケットを買いました。
その後ホンさんは一度車に戻りなんと私たち全員のお弁当を持ってきてくださりました。
キムパブやミカンなどが入った手作りのお弁当です。
カフェで話し込まなければ本当はビーチでみんなで食べる予定だったのよと笑っていました。
予定が変わり遊覧船の船内で食べたのですが、みんなで食事をしていたら「船内で食事するのは自由だけれどきちんと掃除してから下船してくださいね」とおじさんにホンさんが注意されていました。
申し訳ない気持ちになりました。
およそ1時間の船旅でした。
30分ほどの距離にある灯台を折り返し地点とし釜山の街と綺麗な夕暮れを船上から眺めることができました。
途中どこからともなくドローンが飛んできて私たちの乗る船を撮影していました。
ホンさんがプライバシーの侵害よね、腹が立つわーとおっしゃっていました。
気をつけていなければ気がつきませんが、どこからともなくハイテクなラジコンが飛んできて私たちの姿を撮っていたのだと思うと確かに気持ちの悪さがあるなと共感したのでした。

遊覧船の後一度ホテルに戻りホンさんが再び迎えにきてくださるまで一休みしました。
はるちゃんは私とマリーちゃんの部屋に遊びにきて、三人で色々おしゃべりをして時間をつぶしました。
そして時間になり、みんなでステーキハウスに夕ご飯を食べに行き、スパにも連れて行っていただきました。
ステーキハウスの予約名がTeam Maehwaと書かれていました。
日本語でチーム梅という意味です。
知らぬ間にホンさんにまで私はリーダーと呼ばれていました…

前回釜山に来た時とは異なり、新世界系列の新しいスパが釜山にもできていたのですが、ホンさんが「うめちゃんは意外と渋い感じの昔行った方のスパがいいでしょ?わかるよ!おねえさんにはお見通よ!」と気持ちを察してくれ、地元の方に愛されるHill Spa(以前お邪魔した時はVestaリゾートという名前でした。)に連れて行っていただきました。
私はとにかくこのHill Spaが大好きなのです。
泉質はもちろんピカイチで、ドライサウナとウェットサウナの両方が完備、チムジルバンの種類が豊富、もうこれだけで十分以上なのですが休憩スペースが大好きなのです。
男女ともにHill Spaから貸し出されるTシャツと短パンに着替え全ての客が床に雑魚寝をしながらシッケや梅ジュース、緑茶などを飲みながら火照った体を冷ます姿が本当に平和でほっこりするのです。
釜山のスパについてはまた機会があれば豊富な紙面を使って紹介したいと思うのですが、今福親子にもマリーちゃんにも大変気に入ってもらうことができました。
ホンさんの娘さんはチムジルバンでも休憩所でもずっとスマホの画面でユーチューブを見ていたことをホンさんに咎められていました。
ですが辺りを見渡すと他の老若男女みなスマホでゲームをしたり動画を楽しみながらくつろいでいました。
あぁ2018年はこういう時代なのだなぁと感じました。
以前来た時はビールやお茶を飲みながら仲間や家族同士でワイワイやっている人たちが見受けられたのですが、最近はある意味以前よりも皆静かにリラックスしながら各々楽しむ時代になっていたのでした。

うめこ


今日の一枚

EOS 6D / EF50mm F1.8 STM / 釜山で撮影

EOS 6D / EF50mm F1.8 STM / 釜山で撮影


今日の一曲

Maroon 5 – Sunday Morning (Closed Captioned)

Maroon 5 – Sunday Morning


今日の一冊

Copyrighted Image

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