うめちゃんからの手紙 2018 No.150 季語が通じる未来。

うめちゃんからの手紙 2018 No.150

散歩帰りのはじめおじさん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.150

今朝はとても不思議な夢を見ました。
現実そっくりな世界で私の知った人達がたくさん登場する夢だったのですがところどころ現実とは異なりまるでパラレルワールドに迷い込んだ様な気分を味わいました。
私の父は占いが得意なうえ予知夢をよく見るそうなのですが、私はあまり機能的であったり突飛な夢は見ません。
以前にも書いたと思うのですが日常の予習復習の類の夢が多く、ファンタジックだったりロマンチックな夢はほとんど見ることがありません。
極め付けは夢の中でも現実世界と同じ宿題をこなしていたり職場でエスプレッソマシンを扱ったりしているものですから寝ても頭が休んでいる気が全くしません。
今朝少しだけ変わった夢を見れたことで私にも幾許かの面白い夢が見られる可能性があるのだと知ることができ内容にかかわらず気分が良かったです。

夢の中の私には過去に恋人がいた様なのですが国に有事が起き分断されてしまっていました。
分断のきっかけになった有事の日からある程度月日は経っており過去の別れを乗り越え毎日を過ごしている様だったのですが、検疫施設の様な場所の行列で偶然出会った共通の友人から彼が無事に暮らしていること、新しい彼女と同棲をしながら仕事も頑張っているという風の噂を聞きホッとすると同時に私のことを恨んでいないのだとも知り、不義理な別れ方をしたわけではなかったのだなと夢の中の私は安心していたのでした。
夢の中の私は律儀で義理の様なものを強く意識して暮らしているのでした。
現実の私はどうかとと問われるとよくわかりません。
頑張ってはいます。
簡潔にあらすじを書くと縁起のよろしくない夢で、今暮らしている日常の凡庸な毎日こそが素晴らしき日々なのだと再認識させる様な、どこか教訓じみたお説教の様な夢でした。
夢から覚めた現実の学校ではいつも仲良くしてくれているマリーちゃんとはるちゃんが私をリーダーと慕い他愛なくお互いのことを気遣いつつも揶揄う、平和な日常が起きていました。

学校からの帰り道を歩いているとはじめおじさんに会いました。
たまえおばちゃんが”ぶんちゃんとうたちゃんのお仕事”と呼んでいる隅田川の監視作業を終え丁度3人で帰ってきているところでした。
犬の散歩と同じ様に朝と晩に文子ちゃんと歌子ちゃんの二人を隅田川まではじめおじさんは抱っこして散歩に行っています。
なぜだか理屈も理由もわかりませんが双子の赤ちゃんの中で隅田川の監視が日課になっていて毎日見せに連れて行かないとぐずるのです。
幸い家から隅田川まで歩いて10分もかからないのではじめおじさんも仕事の息抜きを兼ねて散歩に行っています。
赤ちゃんにも使命感があるのか、その気持ちに応えようと真面目なはじめおじさんは二人が飽きるまで連れて行くよと毎日頑張っています。
たまえおばちゃんも「iPadやテレビを見せるよりよっぽど健康的だから頑張ってーはじめちゃん今日もご指名やで!」といった具合です。
最初のうちはたまえおばちゃんも面白がっていたのですが、最近は文子ちゃんの相撲部屋見学もルーティンに加わってしまったため他人事ではなく苦労しているようです。
隅田川を観察するのは姉妹の日課のようですが歌子ちゃんはお相撲さんの稽古には全く興味がないようです。
面白いのがたまえおばちゃんは赤ちゃん相手でもぶりぶりの大阪弁で構わず普通に会話を通そうとするところです。
親子の絆なのでしょうか、大阪弁のリズム感が双子の赤ちゃんたちのDNAにも刻まれているからなのでしょうか、不思議と彼女たちは互いに意思疎通ができるようで会話が成立しています。

下宿までの帰路、はじめおじさんと話しながら電車を毎日見せに行っているという近所の親御さんもいるという話を聞きました。
赤ちゃんだからと思わずに一人の人間として考えれば彼らにも興味の対象が何かしらあり、それを毎日観察研究したいのかもしれないねぇとはじめおじさんはいつも通りとても真面目に分析されているのでした。

下宿に着くとワインの木箱がいくつか積まれていました。
地下の貯蔵庫にしまう前に検品をしている最中に歌子ちゃんと文子ちゃんから監視作業のお呼びがかかったのだそうです。
職場の人にプレゼントするといいと風呂敷で包んでくださり、マスターと女将さんに持って行きました。
マスターと女将さんもとても喜んでくださいました。
お二人はとても良い舌をお持ちなのではじめおじさんも二人の感想が気になると言っていました。
コーヒーからワインから料理からお菓子から、味覚をフルに活用するお仕事に従事する者どおしどこかでで通じ合うものもある様です。

職場ではるちゃんは一太郎さんと連日の暑さの話をしていました。
一太郎さんは6月上旬にこんなに暑いのが信じられない、子供の頃に猛暑と言われた日でもこれより涼しかったよ、高崎や高知はもっと暑いかもしれないねぇどうなってしまうのだ地球!と今日の気温を嘆いていました。

マスターがおっしゃっていたのですが、長いスパンで見ると子供の頃に8月に食べていたものが大人になると5月には当たり前に食べられる様になっていたり、緩やかであったり急激であったりするかもしれませんが普遍的と思っていた季節感の様なものが崩れていっているのかもしれません。
小説や俳句に使われる季語が通じなくなってしまう未来は嫌ですね。

今年もまだ月山ではスキーをされている方はいるのでしょうか?
気になります。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

ウルフルズ ワンダフルワールド

ウルフルズ – ワンダフルワールド


今日の一冊

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