うめちゃんからの手紙 2017 No.096 尊敬している猫のキンちゃんの話。

うめちゃんからの手紙 2017 No.096

今日英語の授業で自分が尊敬している”存在”について書けという宿題が出ました。
英語力は誰にも負けない自信があるのですが誰について書こうか本当に悩みました。

アルバイト先のマスターや奥様もめっちゃ尊敬しているし、両親、おばちゃん、はじめおじさん。それに大好きなビッグママ先生も。
自分の使い魔の猫のヒロシも私は尊敬しています。
色々考えに考えて私はキンちゃんの事を書くことにしました。
私が尊敬している人たちはみんなキンちゃんの事を知っています、そしてみんなキンちゃんの人間の姿も知っています。
私とヒロシだけがキンちゃんの人間の姿を知りません。

キンちゃんの事を書くのはとても難しいです。
キンちゃんの事をいろんな人や猫に聞くと都市伝説的な話や嘘や脚色が多く真実がいつもわからないのです。
でもすごいなと思える話は結構な確率で後で事実と分かることが最近は多いのです。
キンちゃんは人間の姿の時はとても美人さんでモデルのお仕事をしてはるという話もよく聞きます。
なかなか実態のつかめない猫のキンちゃんなのですが、それでも普段のキンちゃんの言動や、ヒロシがお世話になりっぱなしなので私が知っている事からだけでもキンちゃんがすごい猫で人で尊敬できる存在だと理解しています。

私が聞いた噂で最も信憑性があるような、でも本当だったら少し切ないなと思った話は、キンちゃんはもともと日本でも随一の大賢人候補と言われたほどの実力を持った魔女だったという話です。
(大賢人と呼ばれる魔法使いや魔女になると超法規的に魔法が使えるのです。死んだ人を生き返らせたり、神様の使いと話したり)

ある日キンちゃんの恋人が悪い賢者に殺されてししまい不文律の様々な掟を破り恋人を生き返らせようと時間を戻す魔法を使ったその罰でキンちゃんは五劫という長い期間苦しみが繰り返される喜怒哀楽の坩堝煉獄に閉じ込められてしまっていたのやとか。ところが人間界で大事件が起き勝手な賢人達がキンちゃんの力が必要になり猫の姿で呼び戻したのだそうです。(喜怒哀楽の坩堝煉獄というのは魔女や魔法使いの間で信じられている地獄です外の世界と違い様々な感情がぐるぐるめぐる永遠に終わりが見えない錯覚させ苦しめられ無限に時が流れているとされる所です。悪いことをしていなくても三日月の夜にほうきで魔法の切れ目にうっかり入り込むと迷い込んでしまうとも言われています。)
結局その恋人も悪い大賢人の陰謀で殺されていた事がわかり…色々あったという噂です。
どこまで本当かわからないのですがいろんな猫達の話しているキンちゃんの都市伝説の大まかなアラスジには共通性があることに私は少し前に気付きました。
そのほとんどがキンちゃんの大事な人に意地悪な人がすごくひどい事をしてキンちゃんが怒り狂い仕返しをするのやけれど悪い集団に負けてしまい、けれど結局キンちゃんが最後にみんなを許して悪い人たちも助けてあげるというのが色々な伝説の骨子になっています。
猫達の間ではさながら神様みたいな存在の猫です。いつの間にかレジェンドになってしまったキンちゃん、よく恋人と別れてしまった人が復縁相談に来たり、妊婦さん達の間ではキンちゃんのお腹をさすれば安産確実と噂が立ちいろんな人に撫で回されたりしています。
そんな徳の高いと言われているキンちゃんですがヒロシが北欧出張に行った目的はエアギターコンテストに出場するためとまっちゃんたちにお茶目な嘘を吹聴していた張本人です。キンちゃんはよくまっちゃんや年下の猫をからかったりしています。
飄々としていて掴み所が無いけれどとても優しくて熱いハートの猫です。 いっぱいキンちゃんの事、キンちゃんの好きなところについて書ける気がしてきました。 ;)
英語の宿題頑張ってみますね。

うめ

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