画伯の雑記 – 2020年7月13日 Olympus AM-100 / Superia X-tra 400 (C-41自家現像) 後編。

大っぴらには言えないこともある。

AM100はすごく良いカメラ

AM-100の実力にはやっぱり驚かされます。
こんなにも安っぽくてプラスチックが割れてきてボロボロになってしまうカメラなのに高いカメラとレンズに負けていないのです。
レンガが積まれたような分かりやすい被写体を撮影した時に某社の同じ画角の一眼レフ用レンズと比較してもAM−100の方が湾曲収差が少なかったりします。
単焦点なのもありますが、より後年に発売された他社のズームレンズの35mmの画角使用時よりも優れた描写だったりもします。

収差が出るカメラの一例

糸巻き型の収差が出るLomo LC-Aの場合…Lomo LC-A の比較画像オリンパスのハーフサイズカメラや今回の作例のAM-100など、お散歩に持ち出したくなるサイズで入手しやすい価格帯のカメラは侮れません。

収差も悪いわけではありません。
カメラの個性ですし、作品に活かされる場合もあるでしょう。
ただ狙って”作って”いかないと”最近のフィルム感”のある写真は作れません。
普通のフィルムカメラに安いフィルムを詰めて撮れば”期待外れに凡庸にきちん”と写ってしまいます。

反比例した実力

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

ビシッと写るのでいつも驚かされます。
一眼レフ用レンズの35mmの単焦点も使うことがありますが、もう少し樽型の歪曲収差が出ます。
画角が近いLomoのLC-A(少し広めの32mm)は糸巻き型の収差が出ます。

中心の等倍表示

散歩用カメラとして携帯していてあまり高いフィルムと組み合わせることがないのが不憫ですが…高級なフィルムと組み合わせてさらに実力を引き出してあげる事も可能でしょう。

ここが少し残念…

AM-100のここが少し残念...

AM-100はバッテリー室と裏蓋部が共にプラスチックパーツのため割れやすい気がします。
このカメラはCR123Aを1本か単四電池を2本を詰めて使用することができます。
単四電池を2本詰めるとバッテリー室がかなり”ギチギチ”になり小型のボディに無理させてしまっている感があります。
バッテリー室のバネにボディが負けちゃうのです。
液漏れ等の心配もありますし使用していない時はバッテリーを抜いておいた方が良さそうです。

AM-100のここが少し残念...

パーツが割れてしまって露出しているので分かりやすいと思いますが、バッテリー室のフタとフィルム室の裏蓋でこの金属のパーツを共用しています。
裏蓋のプラスチックも経年劣化で割れてきました。
金属製のカメラではないので軽さを担保するために剛性をトレードオフしているので仕方がないのでしょう。

AM-100の描写をとても気に入っているので、仕方がありませんがこの壊れた状態でマスキングテープを貼ったりしてこれからも使っていこうと思っています。
使用しない時はバッテリーを抜いておきカメラへの負担を減らすのを皆様にもお勧めします。


Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像 / 25枚

使用したカメラ:OLYMPUS AM-100 OLYMPUS LENS 1:3.5 f=35mm
使用したフィルム:Fuji Superia X-TRA 400

Dev 39°C 4min30sec, Bleach&Fix 8min, Wash 6min, Drywell(同一現像液で20、21本目)

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

Olympus AM100 / Superia X-tra 400 / C-41 自家現像

近年の”フィルムカメラ観”はある程度作為的に作られたものではないかと考えています。
デジタルが台頭するまでは普通にこれで旅行写真、冠婚葬祭、証拠写真、宣伝に使用されてきた媒体です。
今見ている4Kの映画、実はフィルムで撮られているものもあるでしょう、ハイレゾ音源はやっぱり音質が良いなぁと思っているその音源も元はアナログマスターテープからリマスターされていたりする事も多々あるでしょう。
デジタルだと思っているもの実は元がアナログメディアな事、2020年の今日でも多々ありますよ。
反対に実はデジタルをアナログ風に加工したものだったりもよくあります。
問題は、デジタルからアナログ風に味付けする時のアナログとはなんだ?という事です。
そこに製作者のセンスや体験してきたことが反映されているのではないでしょうか。
これを真似してはダメです。
それは他人が経験して得た価値観で自ら真似することほどツマラナイ事はありません。
恵まれた事にまだフィルムも手に入るのですから自分で体験して楽しんで自分なりの価値観を作るべきです。
絵を描くときに隣の子と同じ色のクレヨンを選んで同じものを描くようなものです。
自分で選び考えて作るから楽しいのです、それが失敗と言われても人より歪でも良いのです、それを愛せないのが問題で、そこに良し悪しの評価を下す人がいけないのです。

2020年の世間のアナログ感と自分が実体験で見聞きしてきた物との間には大きな齟齬がある自覚はあります…

フィルムカメラ、パチリと撮っただけで綺麗にそつなく写りますよ。
粒子が荒かったり、色被り、光線漏れ、レンズの癖、淡い色合い、彩度が控えめの写真…
それらはデジタルの後処理であったり、期限切れフィルムを積極的に使ったりして狙って出来たものなのではないでしょうか。
フィルムだからあのように写るのではなく、フィルムだからあのような偶然も起きるし、加工もでき楽しみがたくさんあるというのが正しい理解だと僕は思います。
それだけフィルムは情報量と可能性が多いのです。

1つ言いたいのは人が作った価値観と流行りに自分も同調する必要はないという事です。
フィルムは自分なりの楽しみ方が無限にあります。

本当はすごく綺麗に写るし高性能なのに…安いカメラやフィルムが時々不憫に思えてならないという話でした。

画伯


作例に使用したフィルム

自家現像でも良好な結果が得られるので気に入っているフィルムです。

今回使用した現像タンク

パターソンの現像タンクが好きで、PTP117、PTP115(2つ)、PTP116と4つ持っています。
35mmが1本だけ現像できる最小サイズのPTP114というものもあるのですが、実用的なのは35mmが2本現像できるサイズのPTP115くらいからだと思います。
1Lで薬品を作られる方はPTP116、35mmが3本もしくは120が2本のタイプがちょうど良いかもしれません。

値段が張るものではないのでフィルムに合わせて選んでいます。

KodakのPhoto Flo、フジのドライウェル。
両方とも水滴防止剤なのですが、どちらも希釈率が結構大事で、綺麗に現像できたのに最後の水滴防止剤のさじ加減を間違えて水痕が残ってしまうことが今でもあります。
フィルムごとの相性や水質等、自分の環境や運用状況に応じて適宜選択してください。

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