うめちゃんからの手紙 2019 No.128 難しいという事、無理な事。

うめちゃんからの手紙 2019 No.128

ドイツ旅行中のヒトコマ。バウムクーヘンを撮影するマリーちゃん。

うめちゃんからの手紙 2019 No.128

祖母の荘園に戻ってまいりました。
スイスとドイツ旅行中の事も追って報告したいと思っていますが、しばらくは写真やメモ帳の整理で忙しくなりそうです。
優先順位が最も高い職場で出している壁新聞とZINE用の原稿作業を今日は頑張りました。

厩舎の仕事の後、仕上がった原稿をいくつか日本に送信しました。
祖母の書斎のスキャナーで手書き原稿を読み込み画像ファイルとして日本の女将さんに送信しました。
相変わらず送信ボタンを押すたびに手書きで申し訳ないと心苦しさを感じてしまいますが、女将さんが手書きだから良いのよとおっしゃってくださっているので甘えさせていただいています。
ここ数週間心苦しいニュースや世相でどうしても影響を受けてしまいそうになるのをぐっとこらえ、もう少し私的で、雑に言ってしまえば薄い内容の随筆を書かせていただきました。
どんな時代に読み返しても腹の立つ事無く、くすりと笑えるような、共感していただけるような文章が書けるように心がけています。
それでストレスがすごく溜まってしまうこともありますが、自分のためでもあると思ってぐっとこらえています。
自分で中立性があると信じているものほど、正しいと思い込んでいるものほど疑う必要があります。価値を疑はなかったものほど無価値で、自分の身をもって経験したものや作ったもの意外は取り扱いが難しいものです。

少し話は飛びますが英語にはLitterという言葉があります。
最も一般的な使われ方でイギリスの二階建てバスや街中でもNo Litteringと書かれているのを見かけることもあり、馴染みがない人でもシチュエーションからゴミやポイ捨てにまつわる単語なのだなとピンと来るかもしれません。
ところがこの言葉、猫や犬など多頭で出産する動物の赤ちゃんの事を指す意味も持ち合わせています。
例えば母猫が7匹の赤ちゃんを出産した時は”I’ve never seen a litter this big”などと言ったりします。
一瞬、猫をゴミとしてみているヤバイ人がいる!とドキリとしてしまいがちですがそうではなく、こんなにもたくさんの子猫を産んだママさんは初めて見たわ!的な意味が正しいのです。
なんとなく笑い話のように捉えてしまいがちですが、実務として英語で意思の疎通にトラブルが生じる事が多々あります。
アメリカ英語とイギリス英語、その他の英語でも上手くいかない事も経験がありますし、日本国内でも日本語同士のはずなのに意図しない方に勘違いされたこともありました。
綺麗事として、人間最後は心と心でわかりあえる!と言いたいところですが、悲しい事にやっぱり無理な事が往々にして発生します。
大人の対応という言葉を時々耳にしますが、うまく歯車が噛み合わない相手同士とはどう頑張っても空回りしたり互いのギアがすり減るだけで消耗してしまい結果的に悪化することも多々あります。
面白い事に英語の表現で〜grinds my gearsという表現があります。
不快にさせるイライラさせるという意味の言い回しです。
個人単位で見ても全く同じ考え容姿の人間はいないのです、社会の歯車かもしれませんが全員が違う形の歯車なのですから軋轢が生まれ、そしてさらに大きい単位の国家、世界となればもう複雑きわまりありません。
クローンでも全く同じ容姿で正確な生物は作り出されません、血管や虹彩も異なりますからセキュリティが破られると言ったSF的な事もまぁ無理でしょう。
工業製品ですら製造時期によってムラが生じるのです。

全ての人間に同じ主義主張に同調し価値観を共有する事を促す流れはどうも無理があるように私には映ります。

うめこ


今日の一枚

EOS40D / CANON EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM

スウェーデンで撮影 /EOS40D / CANON EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM


今日の一曲

Norwegian Wood (This Bird has Flown)

The Beatles/Norwegian Wood (This Bird has Flown)


今日の一冊

Copyrighted Image

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