うめちゃんからの手紙 2019 No.108 OGたちが集まった、そして綾さんと健一さん。

うめちゃんからの手紙 2019 No.108

うめちゃんが大好きな人たち。綾さんと健一さん。

うめちゃんからの手紙 2019 No.108

はるちゃんのお姉さまと綾さんも上陸しました!
祖母のイギリスのサマーハウスの人口密度が久しぶりに上昇です。
久しぶりにあったはるちゃんのお姉様はお元気で安心しました。
お姉さまのお友達のお店で買ったという日傘をぜひ活用してと頂いてしまいました。
私は加害妄想的な不安があり、日傘で誰かの目をついてしまわないかしらと不安になるので東京ではつばの大きな帽子で日焼け対策をしていたのですが、人気のない田舎にいる今は思い切り可愛らしい日傘をさしてぶらぶらしてもいいなと思いました。
私は某球団の傘応援を見るとパニックになりそうなほど不安になります、あれは怖いです。

綾さんは私とはるちゃんとマリーちゃんの高校のOGで先輩です。
はるちゃんのお姉さまも綾さんの3つ下の学年で後輩です。
綾さんは先輩扱いしたり敬語で話しかけると「そんなに年上じゃない!」と笑いながら怒られるのですがついつい敬語で話しかけてしまします。
田中さんと綾さんは学区が同じだったので小学校は同じです。
田中さんの家の近所の喫茶店、すなわち私とはるちゃんの職場で、そこの女将さんとマスターの娘が綾さんです。
はるちゃんのお父様がお勤めされている病院もこの喫茶店の近くで、はるちゃんのお父様とお姉さまも常連客です。
こうして人間関係を見てみると私の職場の喫茶店が人間関係のハブとして機能しているのが分かります。

日本での近況報告を綾さんとはるちゃんのお姉さまから聞きました。
驚いたのが綾さんから私の日本の職場で健一さんと美穂さんが大げんかをしたという近況報告をきいた事でした。
美穂さんというのは健一さんの幼稚園から高校までの幼馴染の常連客で、ずっと健一さんの事を片思いしている可愛らしいけれど毒舌な女性です。
よくコーヒーを飲みに来ては健一さんをからかい倒し、恥ずかしい思い出話などを他の常連さんに暴露していて、健一さんが美穂さんが来店するたびにため息を漏らしているのが印象的な凸凹幼馴染コンビです。
健一さんはかなり寡黙でほとんど喋ることがない方なので美穂さんに激怒したというお話に大変驚きました。
健一さんはかなりのリベラル思想で、美穂さんは保守でどちらかというとかなり右寄りの思想です。
私も時々二人の雰囲気を見ていてハラハラしていたのですが、なぜだかわかりませんが美穂さんは女性なのですが女性蔑視発言をしたり純血であったり純日本人という言葉を多用する方で時折健一さんが苛立っているのを薄々感じ取っていました。
健一さんはいつもピシッとししていますが音楽の趣味や思想はヒッピーといった感じで”曖昧さ”と”ゆるさ”に美と正義を見出す感じの人です。
ジェンダー・バイナリを嫌い、愛があれば国籍も性別も大した問題では無い、そもそも国家と組織という帰属にとらわれるのが嫌いな方です。
その態度に健一さんが好きでたまらない美穂さんは前から腹を立てていて、男が女を愛し、女が男を愛す以外はおかしいと美穂さんは連呼してたのです。

でも意外だったのが綾さんが美穂さんの味方で「お兄ちゃんの言うことは正論だし私も同意するけど、社会に出てみると美穂ちゃんと同じ考えの人がやっぱり多いのよ。お兄ちゃんも美穂ちゃんも恵まれて育ったから社会を二人とも知らないのよね。社会に出てみればやっぱり女はなめられるし、男も”らしさ”求められ性別二元論が前提で…あと美穂ちゃんずっとお兄ちゃんの事好きだから、逆にこじれて正反対の考えになっていってるよね」と冷静に分析しているのでした。

健一さんは私の上司でもありますし尊敬しているので健一さんの気持ちもよくわかりますが、綾さんの気持ちもわからなくもないのです。
私も恵まれた家庭で育ち、自分の主義主張や思想は両親や祖父母から色濃く影響を受けてきたと感じています。
私自身の個性が尊重され、性差や国籍など生まれ持った個性で制限を受けずに学び遊び成長できた事は本当に幸せな事だと分かっています。
恵まれていても性別や生まれ育った家庭環境や属する組織で”らしさ”が求められ人が持つ思想などは大きく変わります。
美穂さんの育ったご家庭ではそれが正義であり絶対だったと思うのです。
美穂さんが育つ上で求められてきた考え方や共感してこなければいけなかったこと、女性性の育まれ方、それは健一さんが生まれ育ってきた家庭と大きく異なるのです。

綺麗事を言いましたが本音では私も美穂さんが苦手です。
綺麗事など言わずに頭に浮かんだことがそのまま口から出せる美穂さんが羨ましかったり妬ましいという感情が私にもあるから苦手なのかもしれません。
みんな個性があって違うようで、似ているところもあるのです。

うめこ


今日の一枚

Typ240 / Voigtländer NOKTON 35mm F1.2 Aspherical(Ⅱ)  /

Typ240 / Voigtländer NOKTON 35mm F1.2 Aspherical(Ⅱ) /


今日の一曲

カネコアヤノ – 愛のままを / Kaneko Ayano – Ainomamawo

カネコアヤノ – 愛のままを


今日の一冊

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