自宅でくつろぐうめちゃん。
うめちゃんからの手紙 2018 No.042
京都の学校に進学したみゆきちゃんから手紙が届きました。
みゆきちゃんから学校生活に馴染めていないという話を昨年一緒にディズニーシーに遊びに行った時に聞いていたので少し不安だったのですが、手紙には同好の友人ができたと書かれており安心することができました。
小学校高学年の頃、ぼんやりと私も高校生くらいになったら同級生やもしかしたら彼氏と京劇ドリームボウルにでもボーリングに行ったりカラオケに行ったり、それこそプリクラを撮ってお互いに交換したりするのだろうな、楽しみだなぁと空想に耽っていた時期がありました。
残念ながら高学年の終わり頃からいじめにあい友達もおらず、中学もみゆきちゃんと仲良くなるまでは本当に孤独な日々でした。
高校に進学し、あっという間に東京で２年。
あいにく地元の京劇ドリームボウルも閉店してしまい、今となってはスマホが数年前以上に全盛になり写真の交換も友達同士のグループのなんやかやで瞬時に交換できてしまう世の中になっているのでした。
中学の時にみゆきちゃんのお母様にカラオケ屋さんに連れて行ってもらいみゆきちゃんが楽しそうにアニメソングを歌っていた姿を今でも思い出します。
みゆきちゃんは私が知る限りでは一番漫画に詳しかった友人で、同好の友人の方も漫画好き同士で知り合ったのかなぁと思ったのですが、高校に進学したみゆきちゃんはハイキング部に入部し、そこで仲良くなった同級生なのだそうです。
私もみゆきちゃんも中学の時はインドア派で二人で遊ぶ時もお互いの家で漫画を読んだりアニメのDVDを見たりといった感じだったので、みゆきちゃんの変化には驚きました。
でも考えてみれば今の私も当時のみゆきちゃんや私からは想像できない毎日を過ごしているようにうつるに違いありません。
早い話、私は猛烈にホームシックです。
今日は金曜日だったのでバイト先でアンプを貸してもらい久しぶりにギターをかき鳴らしてきました。
今週はThe BandのThe Weightばかり弾いていました。
この曲はギターを始めて２年目くらいからよく弾いている曲で、練習曲として優れていたのでしょう、ギター講師の先生に何度も弾かされた思い出の曲です。
ロビーロバートソンが書いたこの曲の歌詞も極めて難解で、色々な解釈ができかめばかむほど美味しい曲で、時々思い出しては歌詞を読み返しその時々で意味を考えています。
京都に住んでいた頃、父と二人で美術館やギャラリーに毎週のように行っていました。
父の好きな作家の展示であったり友人であったり、時には父があまり興味がない作家の方を気まぐれで見に行ったり。
絵を見に行った帰りは喫茶店に寄りゼリーポンチを食べてきたり、クリームソーダを飲んできたり、卵がたっぷり使われたサンドイッチやプリンであったり。
その頃の私にとって喫茶店に立ち寄ることがメーンイベントでした。
私の喫茶店とアートへの興味は父によってこの頃に刷り込まれたのかもしれません。
会場で配布されているA4の紙にプリントされた情報に目を落とし一通り読んでみても分かるはずもなく、一生懸命に作品を観察する父を横目に今日は喫茶店で何を頼もうかと夢想したのでした。
今でもアート作品と対峙した時に難解でわからないと感じることは多々あります。
「分からないということが分かったことが収穫じゃないか。今日見た絵も歳を取ってもわからないかもしれないしけれど楽しめるようにはなってると思うよ。父さんのお父さんの時代にはまだグレープフルーツが日本では売ってなかったんだよ。でも父さんの父さんはグレープフルーツ大好きでしょ？うめちゃんがもっと小さい頃は苦手な食べ物あったけれど今は大好きだったりするでしょ？それと一緒だよ。知らないものがやってきても好きになったり、嫌いだったものが好きになるって素敵じゃないか、それが今わからないってことだよ。好きだったものを嫌いになることはとても寂しいけれど、わからないものがいつか好きになるってわくわくするでしょ？」
と父は私に語ってくれたのでした。
わからないことにわくわくできる心のやらかさを大事にしていきたいと思ったのでした。
うめこ
今日の一枚
LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.
今日の一曲
Doris Day – Que Sera Sera
今日の一冊
