うめちゃんからの手紙 2017 No.070

とても懐かしい写真が見つかりました。
父が大病から回復し快気祝いと療養を兼ね祖母の実家のイギリスのサマーハウスに家族で長期滞在していた時の写真です。

パワフルでパンチが効いている母なのやけれど、母の今までの過去10年を振り返ってみるととても大変な毎日だったと思い常に私は母を尊敬しています。

私が子供の頃、父が病にかかり左半身が麻痺してしまい元から無口だった父は寝たきりで塞ぎ込み病前以上に無口になり母と父は長い期間口をきいていませんでした。
もともと私自身もとても無口な子供で6歳まであまり積極的には口をきかなったそうで、私がやっと喋り始めたと思った矢先の父の病気、本当に家が静かで暗い時代でした。(私の最初に発した言葉がお父さん元気になる?だったそうです)
父は浮気もしたことがないそうですし酒もタバコもやらないナイスガイなれど本当に物静かな人でそれはそれで逆に気持ちを知ることが難しく母は大変な気苦労をしたことだと思います、父自身も痛みや歩けなくなっていた期間は精神的にも大変だったのだとは思います…その頃の私は私自身のせいで父が病気になってしまったと思い込み極度の心配性になってしまっていました。魔女と魔法使いの家に生まれたということもあり自分の発する言葉が怖かったのです。言葉を間違えて発してしまえばそれが呪文となり父の病がひどくなるのではないかと全てのことに怯えていた子供でした。

もともと魔女はジンクスを信じて行動をしたりするものなのやけれど私の場合一つでも毎日のルーティーンが崩れてしまったり物の位置がずれてしまうともう全くダメなのでした。

火曜日に赤い靴を履くと決めていたのだけれど雨が降ってしまい長靴を履かなければいけなくなったことがあったのですが、私は病的にまでジンクスを信じており、私が長靴を履いてしまえば父と二度ともう会うことができないのだと思い込んでいて家を出ることができなかったのでした。
そのあと母は月曜日から日曜日まで各曜日の決められた色の長靴と靴を私のために揃えてくれたのでした。

いつも父が入院する前は母が父の頭を整髪していました。
手術等が終わり長い期間の入院生活が終わり退院する頃には父の髪の毛と髭はいつも伸びきっていたのでした。
今はすっかり元気になった父、常に短く髪の毛を整えているので長いこと私は父の長髪姿を見ていません。
わたしはその時の刷り込みのせいなのか今でも髭と髪が伸びきった父の方が健康そうで本当の魔法使いとしての父の姿に思えてしまうのです。

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