うめちゃんからの手紙 2019 No.202
女将さんとマスターが温泉旅行に出かけられているので健一さんがマスター代理としてお店に立たれています。
健一さんは博士課程の研究をされている傍、ジオラマ作家としても活動されていて、プラモデルを作る事も大変得意とされています。
時々店舗でもインスタレーションとして作品を展示販売しています。
ドイツのケルンにKRUPIC KERSTINGというギャラリーがあるのですが、そこの取り扱い作家さんでTracey Snellingさんという方がいらっしゃいます。
現在はベルリンを拠点にドイツで活動されているアメリカはオークランド出身の女性作家です。
一般的にはインスタレーションと呼ばれるジャンルの作品だと思うのですが、スケールを縮めた小屋のようなものを積み重ねまるでインセプションのワンシーンのような、ディストピアを体現しているようなものであったり、赤線地帯のようであったり、九龍城砦のようでもあったり、時に山本高樹さんのようなジオラマであったりと、とにかく濃ゆい世界観を作ることに長けた作家さんです。
でも彼女の作品は現実からは大きく飛躍しておらず、それなのに不思議と日に事情感や現実生活の不条理さが上手く表現されています。
ミニチュアのスケールなのですが人間が抱く不安や迷いがサイズに反比例し増幅されている作品です。
健一さんが作るジオラマ作品も私はTracey Snellingの作品同様に大好きで、私が今まで持っていたアートの趣味趣向から一歩踏み出し多くのことを学ぶきっかけも作ってくれたように思います。
健一さんはある意味オタクおじさん達のアイドルで、健一さん目当ての常連さんもいらっしゃるくらいです。
私がメディアや実生活で初めて見て衝撃を覚えたジオラマといえば「七人のおたく」という母が猛烈に好きで私が幼少期から何度も見せられてきた映画に出てきた益岡徹さん演ずる丹波達夫という登場人物が赤子奪還作戦のために作ったものでした。
子供の頃に何度も見た映画なのですがあのジオラマ作りのシーンが大好きで時折ビデオテープを止めてはじっと観察した思い出があります。
その話を今日健一さんにすると、なんとあの映画のジオラマ制作に山本高樹さんが制作と指導で大きく携わってらっしゃった事を今日初めて知ったのでした。さぶいぼが出ました。
バイトを終えた後私用のために書店に立ち寄りました。
二郎と三郎が毎月楽しみにしていて、たまえおばちゃんが買ってくれる「子供の科学」という雑誌があります。
4月号の付録で手帳がついていたのですが二郎も三郎も二匹とも欲しいという事で買ってあげないわけには行かなくなり書店員さんにバックナンバーを取り寄せてもらっていました。
こういうことがあるといつもは二郎が三郎に譲ることが多いのですが、今回は三郎が二郎に譲っていて、兄弟仲良くやっていて素晴らしいやないかと成長した二匹の姿を見て心の中で小躍りしたのでした。
誠文堂から出ている雑誌でたまえおばちゃんは小学生の頃から定期購読しているのですが、高校生の私でも大人でも楽しめ毎号楽しみにしています。
用事があったおかげで大好きな書店員さんに会うことができましたし幸せな気分で1日を終える事ができました。
最近お化粧を変えたのか前よりしゅっとされてはってドキドキしました。
うめこ
今日の一枚
今日の一曲
bloodthirsty butchers / デストロイヤー
今日の一冊
打ち切りになり尻切れとんぼになってしまっていますが、大好きな漫画です。