みんなで食事に行く日だったのでおめかししていた田中さんと一緒に写真に写る二郎。
うめちゃんからの手紙 2019 No.047
私の母が中心となり先輩魔女数人で出版している本の新刊が出ました。
母が編集長を務めているので大まかに新刊の内容がどうなるのか聞いていましたが、出来上がった本を見ると感慨深いものが今回もありました。
前号は母やたまえおばちゃんの出産などが続いたことから”生”がテーマの一冊でした。
新刊は一転し”弔い”をテーマに大切な人が亡くなった時にスポットが当てられた一冊でした。
重いテーマの一冊なのですが表紙にはたまえおばちゃんが子供の頃の写真が使われていました。
その写真にはたまえおばちゃんが昔飼っていたゆたか君という猫と姥ヶ餅も写り込んでいて、おそらくこれは母の大好きな落語の「指南書」を暗喩した洒落なのだなと娘の私は一発で分かりました。
この落語も主人公の成長と周りの大切な人たちの死がテーマです。
勤め先の女将さんのご好意で私の務めているカフェでも販売していただいています。
バックナンバーも取り扱って頂いていてとても嬉しいです。
母や編集部の方達が様々な方にインタビューをし、その対談を書き起こしたものにページが多く割かれていました。
どのインタビューも大変素晴らしいものだったのですが、その中でも父の知り合いの方が寄稿して下さった一編がとても印象的でした。
その方が「愛した人が天国に行っても地獄に落ちても私は嬉しい。」と書かれていたのが目からウロコの新しい物の見方だなと感銘を受けました。
死に対して人それぞれ色々な受け止め方があり面白いなと思いました。
西洋でも東洋でも輪廻転成に近い考え方があるようですが、死んでもなお地獄なり天界なり畜生界なり帰属があるというのはある意味救いなのかもしれないなと思いました。
生きながら寂しさを感じていても魂のようなものが生前の出来事をプレイバック再生してみたならば、きちんと自分は何かに属していたのだし根無し草ではなかったと気づくのかもしれません。
東京で暮らし寂しさや不安を感じることもありますが浅学ゆえに短絡的な考え方に陥らないように気をつけなければいけないとも思いました。
シンドイと感じているのはまだ何かを学んでいたり練習している段階で、悲しいかな人生死ぬまで勉強なわけでシンドイ事にもしかしたら終わりはないのかもしれませんが学びに喜びを見出せるようになれば幸福なのかもしれません。
今日は仕事の後祖母と田中さんと待ち合わせ銀座まで天ぷらを食べに行ってきました。
祖母が好きな店で時々行くのですがお店の人がいつも気を利かせてくださり鍋前の席を毎回用意してくださるのですが、今晩は女子三人でがっつり喋りたい雰囲気だったので今日は天ぷらじゃなくてもよかったなぁと思いました。
BGMも流れぬ店内でひたすら職人さんの音とお野菜から出た水分で油が爆ぜる音を聞きながら丁寧な仕事がされたお料理を堪能しました。
私は心が弱いのでチャンスがあれば祖母や田中さんに気になることや、私自身が神経質すぎるゆえに不安に感じていることを相談したかったのですが祖母や田中さんは花金を美味しいものを食べ満たされた気持ちで一週間を終えたいのですから、そこに意識の相違があるので仕方がありません。
身内や大好きな人に囲まれていても私が孤独感を感じてしまう事があるのはそこにある気がします。
家に帰ると二郎がたまえおばちゃんに耳の薬を塗ってもらっていました。
今日はたまえおばちゃんとはじめおじさんが忙しく、実は暇だった田中さんが二郎を動物病院にまで連れて行ってくださったのだとたまえおばちゃんから聞きました。
すっかりお礼を言いそびれてしまいました。
二郎の姿を見ていると私自身の写し鏡を見ているようでハッとすることがよくあります。
私は自分の性格で人生を損しているなぁと感じてしまうことがあるのですが、二郎は神経質で怖がりなところが人から愛でてもらえる個性の１つになっているようにも映ります。
昨年の夏に田中さんが私に握力を鍛えるための道具をプレゼントしてくださいました。
私の握力が8キロとあまりに弱く気にしていた私に気を利かせて下さったのです。
時々思い出しては握っているのですがまだ9キロ前後です。
でもそのうち10キロを超えると思います、遠くないです。
うめこ
今日の一枚
iPhone 4S
今日の一曲
Jonathan Richman & The Modern Lovers – Back In Your Life
