うめちゃんからの手紙 2018 No.174 非生産的と生産的な趣味、どっちも大事。

うめちゃんからの手紙 2018 No.174

うめちゃん夏の装い

うめちゃんからの手紙 2018 No.174

私のイギリス人祖母は事あるごとに「私は更年期を宝塚とプロレスで乗り切った!そして美味しいご飯とビールにも助けられた!」と豪語してきました。
そもそも祖父と結婚できたのもSFが結んだ縁だと豪語しており、常々趣味を持つ事が大事でそれが縁で人生が開けるものだと私に言い聞かせてきました。
祖母はアニメやSFなどが好きな元祖オタク女子とも言えるのですが、私の祖父と国際結婚をして日本に移り住んで以来、もともと私の祖父が好きだった宝塚歌劇にもどっぷりとはまり今日に至ります。
祖父も私も祖母と一緒に宝塚を楽しんでいたのですが、祖父と私はスターの方達の名前覚えがあまり良くなく…時々祖母に怒られていました。
イギリス出身の祖母にスターの方の漢字を書き間違えたことを咎められたこともありました。
宝塚も大好きですがプロレスも祖母は本当に好きで、古今東西の様々な選手の名前やプロフィールを完璧に覚えています。
プロレスラーのトレーディングカードなどを集めたり自分で資料を整理したオリジナルの図鑑も作っています。
祖母はリックフレアー選手や蝶野正洋選手が特に大好きで録画したテープを今でもよく見ています。

京都の実家の父はイギリス滞在中の祖母から時々電話やメールで宝塚専門チャンネルのスカイステージの録画を頼まれています。
絶対に録画のミスが許されないため仕事よりも緊張する重要なミッションだと私の父は冷蔵庫やリビングの扉のいたるところに”予約録画を忘れないように”と録画を忘れないようにメモを貼りまくっています。
録画の予約を忘れないように…予約の意味がよくわからなくなりますがプレッシャー大な任務です。
私の母がうつ病が酷かった時代によくテレビでヨーロッパの自転車レースの中継や日本のプロ野球、海外サッカーなどをダラダラと見ている事がありました。
母も祖母同様に非生産的ではあったけれど何も考えずにテレビを眺めて過ごす時間というのも心には大事で立派な趣味にもなり得ると言っていました。
趣味を持つこと、なおかつ生産的な趣味と非生産的な趣味、体力を使うものと疲れていても楽しめる趣味のそれぞれが必要だと祖母も母もよく私に言います。

イギリスのサマーハウスに滞在中の祖母は休暇中なわけですから日本にいる時以上にそれら趣味にも熱中しています。
私、マリーちゃん、はるちゃんは夏休み中は毎日田中さんにお勉強を教えていただいています。
毎晩、勉強を終えお風呂や寝る準備を始める頃になると田中さんは子供ハウスを後にし祖母のいる母屋へ向かいます。
最初の一週間は祖母と田中さんで何か難しい話でもしているのかもしれないな、英語学習の事とかかなぁと思っていたのですが、なんて事はなく二人で宝塚歌劇のDVDを見てビールを飲んだりワインを飲んで楽しくやっていたのでした。
田中さんは完全に洗脳されていて私も日本に帰ったらスカイステージに加入したいとまで最近は言っています。
ただ私はスカイステージは画質が悪いからお金を払っても悔しさは残りますよと注意はしておきました。
NHKとWOWOWで見る事ができる宝塚は画質が良いのにTCAのスカイステージがなぜあそこまで画質が悪いのか、宝塚ファンではない私にも疑問です。
まずは有楽町か宝塚に行って生で見てみるべきです。

今晩は暁のローマ/レ・ビジュー・ブリアンのDVDを二人で見ると言っていました。
祖母は瀬奈じゅんさんが好きなのでおそらく2006年頃の作品だと思います。私も実家時代に30回は祖母に見させられた気がします。

田中さんのタフさにも驚かされる夏です。
毎日はるちゃんと英語学校に真面目に通い、自分の大学の宿題や英語学校の宿題もばっちりこなし、そして私たち三人の学習のためのプリントづくりもしてくださっています。
ある程度は日本から持ってきたパソコンに事前に用意してくださったデータが入っているそうですが、私たち三人それぞれの理解度に合わせて問題を作り替えたりしてくださります。
私たちの家庭教師を終えた後は一人で母屋に行き祖母とお酒を飲みながら宝塚三昧の日々を送っているわけです。
祖母は私の家族の中でも最もお寝坊さんで毎日一番最後に起きてくるのですが、祖母と一緒に夜を過ごしている田中さんはきちんと朝ごはんの時間には起きてきます。
私たち三人と子供ハウスで朝ごはんを食べ、お昼に食べるお弁当を作ったりおやつの用意をしたりして8時から始まる英語学校に向かっています。
田中さんは隙間の時間によく読書をされていて、誰かに見せるわけではないそうですが頻繁に書評をパソコンを使って執筆されています。
田中さんが読み終わった「てりむくり―日本建築の曲線」という本を貸していただきました。
運動が苦手な田中さんは25メートルプールで端から端まで泳ぐよりも本1冊泳ぐほうがはるかに楽だとおっしゃっていました。
そんな田中さんは今年の夏ほうきで飛べるようになる目標を掲げています。
毎日少しずつですが祖母に協力してもらい池の上でほうきで飛ぶ練習をしています。
時々どぼんと池に落ちたりもしているそうで、あまり泳ぎが得意ではなかった田中さんはほうきで飛ぶことよりも泳ぐ事が上手になってきたと笑っていました。

夏休み中も働きづめですがそれなりには楽しいことがあり毎日元気にやっています。
何より寂しさを感じないので幸福なのかもしれません。

明日は祖母とお肉を買いに行き夕方にBBQをする予定です。
とても楽しみ。

うめこ


今日の一枚

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

1910 Fruitgum Company-Bubblegum World

Fruitgum Company-Bubblegum World


今日の一冊

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