うめちゃんからの手紙 2018 No.073 妥協点を見つけてしまうな。

うめちゃんからの手紙 2018 No.073

よそ様のマシンでカプチーノを入れるうめちゃん。

うめちゃんからの手紙 2018 No.073

月曜日は仕事が休みなことも多く月曜日に家庭教師の田中さんをお願いすることも最初は想定していたのですがここのところ日曜日にお願いする日が続いています。
木曜日が固定でそこを基準に日にちを開けるようにしたほうがいいということでこうなっていますが、もう少し慣れてきたらマリちゃんとアルバイトのシフトなどと相談してバイトが休みなことが多い月曜日にずらせたらいいなとも思っています。

さて今日は月曜日でしたが学校の後にアルバイトに行ってきました。
とは言ってもいつもの営業日とは違い今日は豆を卸しているお店に女将さんと一緒に行ってきました。
はじめおじさんが紹介してくださったレストランでランチの営業でだすコーヒーに私の勤めている会社の豆を買ってくださることになったのです。
少し前から女将さんがオーナーシェフの方やそのお店のスタッフの方と相談し色々な豆を提案してきたのですが、やっとオーナーシェフの方が気に入ってくださる豆を見つけることができました。
今日は加えてエスプレッソマシンのデモンストレーションを女将さんとしてきました。
女将さんだけで行くよりも私の様なバイト高校生でもきちんと美味しいカプチーノを入れられる姿を見せることに説得力がある様です。
オーナーの方が以前から疑問に思っていた「カプチーノの味がピントが合っていない気がする」という問題を抱えていたのですが、今日無事解決することができました。
女将さんが観察したところ、コーヒーを入れる作業に従事されていたスタッフの方がスチームの水分を十分に飛ばし切っていなかったこと、スチームのノズルの清掃がおろそかだったこと、そしてバックフラッシュが適切に行われていないということでした。

以前仕事でアルゼンチンのコーヒー農場のご子息でバリスタをされている方と話したことがあるのですが、その方も指導に行った際に清掃不足のマシンによく遭遇するとおっしゃっていました。
日本だと代理店が保守整備契約などを結ぶのですが一定期間を過ぎると更新しなかったり、完全全自動のマシンに買い換えたり、どんどんとコーヒーに妥協して行ってしまうお店が多い様です。
ハンドドリップで入れるとなると人員が足りなくなる、エスプレッソマシンは保守整備が大変、全自動のカプセルタイプなどはコストがかかる、e.t.c… コーヒー専門店ではないレストランの場合はコーヒーを入れるだけの専門のスタッフがいるわけではないので妥協しなくてはいけない点というものが必ず存在するので難しい問題なのかもしれません。

究極を言えばWegaのピストンレバー式かボスコのエスプレッソマシンを入れたいとおっしゃっているイタリアンレストランのオーナーの方にもお会いしたことがあるのですが結局マルゾッコのモデルを導入されていました。
そのオーナーの方おっしゃっていたのはイタリアに行った際に飲んで美味しいと思ったエスプレッソはレバー式で入れられたものだったそうなのですが、実際に日本で運用するとなると使用経験者が多く大手の代理店から買えるマルゾッコになってしまったとのことでした。
エスプレッソマシン集めが実益を兼ねている趣味の女将さんもボスコのエスプレッソマシンへの憧れが強くいつか一台買いたいとおっしゃっているのですが、他社のレバー式は所有していてもボスコのマシンは未だ導入には至っていません。
趣味とはいえ顧客が使う可能性が高いマシンから自分で試験運用を始め集めるため、資金繰りが大変なのです。
ボスコのレバー式エスプレッソマシンで1グループのモデルでも100万以上しています。
完全手作りだと考えれば安い気もしますが…(同じく手作りのライカのカメラやKelly bagはもっと高い場合がありますからね)

私はまだ素人ですしマシンの良し悪しは語れないのですが利益を出さなければいけないということと従事者が変わっても変わりなく抽出でき営業が続けられること、トラブルの際に保守整備がしやすいことなどを考えるとロマンだけではエスプレッソマシンは買えないのだろうなぁということがわかった気がしました。
それでもボスコのマシン本当に小さな工房で作られているにもかかわらずイタリアではシェア一位の地域もあるそうで、エスプレッソの聖地で愛されているマシンには違いない様です。

以前お会いしたカメラマンの方はハイエンドモデルのカメラではなく一つ下のモデルを複数台買いすぐに買い替えているとおっしゃっていました。
ハイエンドモデルに比べミドルレンジのモデルのものは価格も半分ですがシャッターの耐用回数も半分以下だそうですが、そのカメラマンの方はメーカー公称値を信用するよりも安いものでもいいから二台そろえ一台が壊れても確実に仕事ができる方が大事だとおっしゃっていました。
その方は反対にプライベートでの家族写真と仕事ではない作品取りにはライカしか使わないとおっしゃっていたのも印象的でした。

本当に自分が使いたい道具で自分がしたい仕事だけして生きていくことは難しいのでしょうね。
ただ好きな道具で好きな仕事だけを取る、そんな人が増えていっても面白い気がします。
ラーメン屋さんに行き客に細かく味や麺の太さの好みトッピングを訪ねてくるお店は無粋な気もするのです。
一種類しかないくらいのお店があってもいい気がします。
行き過ぎた顧客とのすり合わせやサービスは長い目で見ると誰も得をしていないのではないかとも思えます。
生意気を言いました。

とりあえずは今持っている道具をきちんと手入れをし、それが持つ力をすべて出し切れる様に努めていくしかないのでしょう。

今日は以上です

うめこ


今日の一枚

誰かくし通してあげて

LEICA M10 , APO-SUMMICRON-M F2/50mm ASPH.


今日の一曲

Charlotte Church – Pie Jesu (Live From Brixton Academy)

Charlotte Church – Pie Jesu (Live From Brixton Academy)


今日の一冊

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